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こんこよ視点の お呪い のクロたん視点になります。単体でも楽しめます。
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こんこよと一緒にひとつの布団で寝るようになったのは、いつからだろう。
こんこよが起こしてくれなきゃ、起きれない日々になったのはどうしてだろうか_____
「っ!、は、夢?」
今日も起きる。こんこよ以外の声で。
それは最悪の目覚めで、イヤな夢から逃げる最高の目覚め。隣には沙花叉が大好きなこんこよが静かに寝息をたてていて、起こしてない、よね?
こんこよにバレないようにゆっくり布団から出て、もう完全に起きてしまった意識を自覚して寝ることを諦めて。これももう何回目だろうか。
最初はもう一回寝ようと必死だったな。それが逆に仇になって寝れなかったけど。
水を無理やり胃に流して、ソファに沈むように座る。最近、こんこよの声で起きることが少ない。
知らない誰かの、沙花叉の心を刺す言葉。
消えろ 面白くない きもい 黙れ ______
「沙花叉ってダメだなぁ……」
こんなのネット活動なんてしてれば絶対につくアンチじゃないか。どうせ沙花叉のこと何一つ知らないやつが自分のストレス解消にゆってるだけ。
「わかってるんだけどなぁ…」
だけど、やっぱり沙花叉、いない方がいいのかなとか、迷惑ばっかかけてるなとか思っちゃうよ。
考えれば考えるほど、脳にダウンロードされていくような気がするのに、やめられない思考中に、扉が開く音が響く。
「…あれ、こんこよ。おこしちゃった?」
まだ眠そうに、だけどどこかハッキリ起きているような沙花叉の大好きなこんこよ 。
「おきたらいなくて、」
「ごめんね、心配させちゃったかな」
沙花叉の隣に座ってくるこんこよを抱き寄せて、その綺麗なピンク色の頭を優しく撫でる。耳が垂れて、嬉しそうに揺れるしっぽが視界に映って。あぁ、好きだなって毎回自覚する。
「こよちゃんはあったかいねぇ」
「クロたんが冷たいんだよ〜、ベットもどろうよ」
「そうだね、明日はお休みだし2人で昼まで寝るぞ〜!」
起こしたくなかったという気持ちがあるから、その誘いに二言返事でOKする。こんこよはただでさえ、毎日忙しそうだし睡眠ぐらいゆっくりとってほしい。
沙花叉は……眠れるかな。こんこよの声でお昼に起きれるかな。
2人でひとつの布団へ潜って目を瞑ってみるけど、やっぱり眠気はちっともやってこない
「クロたん」
「なーに?こんこよ」
「ずっとそばに居るからね。だから、クロたんも離れないでね」
ぎゅっと手を握られる感覚。その優しい視線が、声がすき。沙花叉の隣にずっといてくれたこんこよにはわかっちゃうかな。
その一言がどれだけ沙花叉の心に響くか。
どれだけ、沙花叉はいない方がいいと思ってもこんこよは必要としてくれるし、迷惑かけてばっかでも頼ってくれて嬉しいなんて笑うから。
髪に、ひとつちゅ、と落とされたキスは、沙花叉を治してくれる最強の薬で。
瞼が重くなって、眠気が襲ってくる感覚にこんこよのおまじないがかかっているようで、ずっと隣にいられますように。なんて沙花叉も願ってみることにした。