テラーノベル
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そんな訳で、とりあえずリストアップされた4名と試しに対戦してみる事に。
4、7、8の順で戦闘し、未知数である10に関しては最後。
むしろseven意外とは、本人と直接対決ってした事無いけど。
などと思いつつ物は試しとばかりに戦闘を開始してみたのだが……。
「意外な程、強い……って印象ではあるんだけど」
『ま、この辺りはプレイヤーとNPCの違いって事だな。“いやらしさ”が少ないって状態だろ、ステータスをガン盛でもしない限りは。とはいえ、普通だったらもっと苦戦すると思うけどな?』
まずは4cardのコピー。
此方に関しては、非常に分かりやすいと言うか。
物凄く順当で、更にはこれまでのNPCとはレベルが違うって程に“高難易度”と言って良い相手だった。
でも兄の言う通り、“人間ならでは”の予想外の行動が少ないというか。
もしかしたらこんな事されちゃうかも……と“予想出来る範囲”の一手は全て使って来る相手。
だからこそ、強い。
けど逆に、予想しやすい。
全部相手の方が上手なんだって前提で動けば、意外と何とかなった。
囮などにもちゃんと反応してくれるし、順当に攻めて来る向こうに対して、此方が“予想外”であろう行動を起こしてみると。
驚く程こっちペースへと持って行けるという。
まさに攻略法が残された強いNPC。
本当にお手本の様な存在とも言える状態になっていたと言えるだろう。
次に、seven。
こっちはなんて言うか、とにかく派手。
ある意味他のゲームとかでも出て来そうな、初見で強いと分かる敵というか。
ひたすら動き回り、弾をバラ撒いて来る。
しかしそこは、やっぱりNPC。
行動パターンを把握し始めてからは、結構敵のペースを崩す事も出来た。
と言う事で、この二人に関しては初戦で勝利。
「なんて言うか……変な感じ。二人共、本物だったらもっと強いのに。普通に勝ち筋が用意されてるみたいな……」
『普通はそこを見つけ出すまでに、もっと苦戦するんだって。初見で反応出来てる時点でスゲェよ』
なんてお言葉を頂いてしまったが。
こればかりは“強い人を参考にした”だけのNPCだから、どうしても仕方ない事なんだとか。
賞金首の皆と同等って存在がポコポコ出来ちゃっても恐ろしいけど、けどやっぱり。
本人はこんなもんじゃないのになぁって感想が強かった気がする。
とか何とか、ちょっと調子に乗ったと言いますか。
結局はプレイヤーじゃないし、何とかなるかも。
などと頭の片隅で考えてしまったのだろう。
「待って待って! 無理だってば!」
『ぶははははっ! これはPVに使っても面白かったかもな!』
「冗談言ってる場合じゃないって!」
ちょっと洒落にならないのが、octopus8。
彼女は爆弾魔だ、とは聞いていたけど。
すぐ近くで彼女の“本気”を見た事は無かった。
結果、何が起こったかと言うと。
建物内に誘い込まれたかと思えば、色んな所で爆発が起きるのだ。
こんな大量にいつ仕掛けたの!? そんな時間あった!? とか思ってしまったけど。
一瞬だけチラッと彼女のコピーNPCが見えた時に、理由が判明。
エイトが要望した“賞金首装備”、サブアーム。
背中や腰から生えたロボットアームが、本人が移動している間にも次々と爆発物を仕掛けていくという。
いや待って! 流石にソレはズルくない!?
なんて叫びたくなったが、これも運営が良しとした物。
だからこそ、どうにかして攻略する他無いのだが。
「これは流石に! ねぇ!?」
『6keyにしては非常に珍しい光景だな。多分sevenとoctopus8あたりに送ったら、本気で大喜びしそうだ』
もうね、逃げました。
それはもう全力で、いつもの逃走云々どころではなく、ただただ速度を求めて足を動かした。
だって、次から次へと爆風が後ろから襲って来るんだもの。
通路を全力で駆け抜けている状態なのに、仕掛けられた爆弾がどんどん遠隔操作で炸裂していく。
というか、こんなに色んな所を爆破していたら……建物自体だって、そろそろ保たないんじゃ。
そんな予想をした瞬間に、周囲全体がビシリビシリと嫌な音を立て始める。
この時、私は思い出した。
4cardから、octopus8の話を聞いた時の事を。
『建物の中で8と出会った場合は、絶対にそこで戦うな。例え本人をキル出来たとしても、間違いなく“生き残る”事は出来ない』
なるほど、こういう事ですか。
しかも確か、賞金首イベント初戦だと……あの人、敵アジトの周辺の建物を崩して全部呑み込んだって聞いた気がするんですけど。
つまり。
「ココに入った時点で負けじゃん! 私の戦闘距離まで近づくなんて絶対出来ないよ!?」
『だぁな、octopus8とお前じゃ……ちょっと相性が悪すぎるわ』
と言う事で、倒壊に巻き込まれました。
うん、無理!
彼女と戦うのなら遠距離、または中距離射撃が物凄く上手い人じゃないと勝てない!
そんな結果を叩き出し、疲れた溜息を零しつつも最後の一人。
“timelimit:10”。
私にとっては完全に未知数の賞金首。
その人のコピーNPCに、勝負を挑んでみると。
「…………え?」
『相手が集団だったり、遠距離攻撃が得意な敵だった場合は普通に戦うが……近距離戦が得意な相手に関しては、いつもこうなんだそうだ。演出としては美味しいが、“悪い癖”でもあるって言われてたな』
格好自体は、戦闘員って言うより“狩人”って言葉の方が合う様な装備。
なのに腰のベルトに固定してある刀が、異様な雰囲気を醸し出している相手。
これまでに出会った事の無い、ガンサバの中では非常に異質とも言える賞金首。
その人のコピーが……暗い通路のど真ん中で、隠れる事すらせずに此方を待っているではないか。
しかも……ニッと微笑んでから刀を鞘から抜き放ち、ちょいちょいっと手招きしてくる。
「……誘われてる」
『あぁ、その通り。挑発ではあるが、頭に血が上った瞬間に狩られるぞ? 相手がどんな戦闘スタイルだろうと、“お前の戦い方”を貫き通せ。それが出来ないと、戦闘範囲を被せた時点で負ける。それが賞金首の10番目、“timelimit:10”だ』
それこそ彼の間合いに飛び込んだら、名前の通り十秒で狩り取られそうな気迫を感じる。
だというのに……これでも、賞金首本人の“コピー”なのだ。
つまり元となる賞金首は、もっと強い。
なんて事を考えれば、無意識にゴクッと生唾を呑み込んでしまった。
凄い、やっぱり賞金首は皆凄い。
相手を前にして、ここまでゾッとした事は無かった。
もう見ただけでも、気配だけでもヤバイって感じる。
こういう感覚って、映画や小説の詩的表現なんだと思っていたけど。
この人……“本物”だ。
プロがどうとかじゃなくて、仕事がどうとかじゃなくて。
言葉通り、本物。
現実でもハンターをしているなんて聞いたけど、じゃぁあの刀は何って話だし。
どんな人生経験を積んで、どんな技術を習得したらこれほどまでの気配を放てるんだろうか。
3daysに続いて、二人目。
私の戦闘距離が、相手にとっても絶対有利になる条件としている相手。
そして私は……その距離に飛び込まないと、戦えない。
つまり。
「誘いに乗る、しかないね」
『だな。ゲームらしく、時代遅れの一騎打ちを演出してみろ。相手も強いが、お前も強い。全力で“楽しんで来い”!』
「了解!」
兄に声を貰ってから、ハンドガンを正面に構えて突っ込んだ。
こちらが誘いに乗った事を喜んでいるのか、相手はニィッと更に口元を歪めてからスッと物陰に入っていく。
相手は刃物、こっちは拳銃。
だからこそ、当然の判断。
しかしながら、無暗に飛び込むと相手の方が有利になりかねない。
なので普段以上に周辺を警戒しつつ、足は止めない。
「逃がすかっ!」
数発の威嚇射撃を繰り返しながらも、暗闇に消える賞金首10番目のコピーを追いかけるのであった。
くろぬか
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柘榴とAI

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柘榴とAI

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「囧」
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コメント
1件
読み終えました!今回は「コピー」との戦闘回、めちゃくちゃ熱かったですね。エイトの爆弾戦術であっさり負けてしまう流れは「ああ、相性って本当に大事なんだな…」としみじみ。でも一番ゾクッときたのはラストの10番目、“timelimit:10”。ただ待って手招きするだけで放つ“本物の気配”に、私も一緒に息を呑みました。刀×拳銃の一騎打ち、どうなるのか続きが気になりすぎます…!