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若き覇王に、甘くときめく恋を

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若き覇王に、甘くときめく恋を

116 - 第四章 永遠の愛を、二人で EP.3「贈られた指輪の意味とは…」㉑

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2025年03月26日

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彼と別れて部屋へ戻ると、朝食も済ませてきたので特にすることもなくて、ぽっかりと時間が空いてしまった。


どうしよう……惰眠をむさぼるのもいいけど、昨日はたっぷりと安眠できたし、彼の腕の中で……。


きゃー、思い出しただけでも、ドキドキしてくるかも……。


火照った頬を両手で押さえ、のぼせそうになる頭をせめて他へ逸らさなきゃと、(何かすることはあったっけ?)と、考えを巡らせる。


──あっ、そうだ! 貴仁さんもお店まわりをするって話してたし、私もお店の方を見に行ってみようかな?


新発売した猫の香水の売れ行きも、やっぱり気になるし……。


そうと決まればと、身じたくを整えて、さっそくKATZEのショップへ向かった──。


今頃、彼も視察をしていてと思うと、なんだか離れていてもおんなじ時間を共有しているみたいで、ちょっぴり胸がわくわくしてくる。


こんなことでも彼と結び付けちゃうとか、私の恋の病もそうとう重症かも……。


未だに熱っぽく感じる頬を、一人ふふっと緩ませて、最寄り駅にある近場のショップを訪れた。


店内へ入ると、すぐに見知ったスタッフさんが、「いらっしゃいませ、こんにちは」と、笑顔で迎えてくれた。


「こんにちは」と応えて、ぐるりと中を見回す。


「”陽だまりの猫”のコロンだけど、調子はどうかなと思って」


店頭に貼られた広告ポスターに目をやりつつ尋ねると、「もちろん、好調です!」と、力強く返された。


「そう、よかったー」ホッとひと安心をする。


「もう大好評で、品切れにもなりそうなので、増産をお願いしたいくらいです」


「そんなになの?」


「ええ!」と、勢い込んで頷くスタッフさんに、こっちまで元気がみなぎるように感じる。


何と言っても、自分の出したブランドが、世間に受け入れられていることが、とても嬉しくもあって、


「それじゃあ、私も一つ買って行こうかしら」


と、商品を手に取った。


「あっ、だったらそのままお持ちになってください。お代は後で私が落としておきますので」


「ううん」と、彼女の申し出を断って、「この香りをつけて会いたい人もいるから、自分で買うね」ふっと浮かんだ彼の顔に、ついついのろけたようなことを口走った。


「わぁー、それって、とっても素敵です!」


「いや、あの、今のは忘れて……」


言ったそばから、何を言ってるんだろうと感じる。私ってば、本当に重症にも程があるような……。


「もう~ヘンなこと言ってごめんね」


恐縮しきりでいると、


「全然ヘンなんかじゃないですって! 香りをつけて会いたい方がいるなんて、すごくいいなって思います。私もそういう人と早く出会いたいです」


スタッフの女の子が、そうにっこりと笑って話した。


「あ、ありがとう……。じゃあこれ買って行くから」


気恥ずかしさに見舞われつつ、購入した商品を抱えてお店を出ると、このコロンを纏って彼に会いたいなという想いがとめどなくあふれて、幸せいっぱいな気分に包まれた……。

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