第4話「たまごのお兄さん」
僕が飼い主としーの所にやってきて、1週間が経った。この島にもだいぶ慣れて、しーとは親友になった。ある日の朝、いつも通り目を覚まして自分のスペースから出ると、親友のしーが黄色と白の卵みたいな大きなドラゴンと話している。大きなドラゴン=怖いのイメージが強かったからか、僕はしーとその黄色と白のドラゴンの間に入った。
「しーをいじめないで!」
黄色と白のドラゴンは一瞬きょとんとしたが、すぐに笑った
「君が飼い主の言ってた新入り君だね!よろしく、僕はたまごさ!あと、君は大きな勘違いをしているようだけど…」
「え?」
しーが呆れたような顔で言う。
「こいつは我の先輩?だ。確かに明るいやつは苦手だが、喧嘩してるわけではない…」
「酷いなぁ、新入り君、しーがこんなに話すなんて珍しいんだけど…何かした?」
「え!?ぼ、僕?しーはピクニックで迷子になった僕を助けてくれたんだ!血まみれだったのはちょっと怖かったけど…かっこよかったよ!」
「いくつか余計な言葉が混じっていたが…」
「へぇー、君ほんとにしーか?」
「しーだがどうした」
「君がそんなことするなんてなぁー、感心感心!」
「はぁ…」
しーはため息をついて外に出て行ってしまった。
「君はしーが返り血だらけになってるのを見たんだな?」
たまごのお兄さんが急に真面目な顔をした。
「うん」
「僕も1度みたことがある。あの時のしーは…暴れ回る炎の狼だった。」
たまごのお兄さんはしーの特別な性格について話してくれた。
「しーは、訳ありで暴走しちゃうんだね…」
「酷い時は敵味方関係なく攻撃する可能性がある。飼い主が言っていた。君も念の為気をつけろ。」
「大丈夫だよ!僕としーは親友だから!」
「へぇー!まだ出会って少しなのに、気難しいしーと親友になるなんてな!君には期待できそうだよ」
お兄さんはルンルンで僕を外に連れ出した。
「実はさ、今日はご飯を集めにいかないといけないんだ」
「僕も行っていい!?」
「もちろんさ、大丈夫、何かあったら僕に任せてよ」
たまごのお兄さんにご飯の集め方を習って、籠いっぱいになるまでりんごを集めた。
「そろそろ集まったかい?」
「うん!」
「こんなに沢山、流石!期待の新人君だね!」
「えへへー、しーと飼い主とたまごのお兄さんにあげる金りんごも集めたよ!」
「わぉ、今日は御馳走だな!流石に新人君に貰った金りんごはしーも他の奴にあげたりしないだろう」
「だといいな、帰ろう!」
「ただいまー!」
「おかえり!」
飼い主としーが出迎えてくれた。
「飼い主、しー、見てみろ、新人君が金りんごを全員分持って来たよ」
「わぁー!!はきゅ!ありがとう!」
「…金りんごか。この量は凄いな、」
「やったぁー!褒められたー!」
大はしゃぎするみんなの横で、しーはそっと金りんごを口にした。
「しー、そんなに隅っこで静かに食べなくても…」
「黙れ。我が好きなように食べて何が悪い。」
「あーもう、先輩にそんな口のきき方はないだろう…しかたないなぁ、じゃ、僕は皆と
食べてくるよ」
「…」
しーは楽しそうに食べるはきゅを見つめていた。
コメント
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まだ4話だけど…1個でも♥押してもらえれば頑張れます!(*´▽`*)