私には欲が無い。
そう言い切ってしまうより、欲を出さないと言った方が正しいのかもしれない。
否。正確には、出せないのかもしれない。
幼い頃から親を主体として生きてきたものだから、何をするにも親の許しを得ないと気が済まない。よしんば得ていたとしても、何度も何度も確認してしまう。
それは自己の決定を妨げている。
何気無いことであれば良いのだ。ゲームをするだとか、絵を描くだとか。それは自分の判断で勝手に行うことができる。
けれど、外出や交友関係にもなってくるとそうは行かない。
友人と何処かへ行くにしても、親に予定と行先を伝えなければならない。きっと至極当然の事だろうが、私にとってはそれは恥ずかしくて堪らなかった。
パートナーを作ろうと思っても、それが妨げてくる。
私は許しを得ないと、一時の快楽すら得られないのだと思う。
異性と話している時だって、家族の冷やかしが鬱陶しくて堪らない。
心底鬱陶しい。何度でも言ってやる。鬱陶しい。
私だって異性と何気無い、他愛の無い話がしたい。
同性と話すばかりでも疲れてたまらないから、ほんの時々でいい。
溜まってしまったガスを、抜きたいのだ。
棲みつき始めた退屈も、きっとそれが原因で肥えていったのだろう。なんと愚かな事か。
最近では自分から欲を出して、行動してみてはいるから、時期にそう言ったものも居なくなるかもしれないが。
早く、退屈も許しも、綺麗さっぱり居なくならないものか。
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