道場に座り込んでいると、誰かがやってきた。お姉さんだった。
そのお姉さんは崖っぷちに立っては髪を解き、靴を脱ぎ、何やら手紙みたいなのを読み上げている。
(…まさか、この崖を飛び降りる気なのかな?死んじゃうよ!)
私は、勇気を振り絞って、お姉さんに話しかけてみた
よし、髪も解いた。靴も脱いだ。あとは遺書を読んでから飛び降りるだけ。
「────」
私が遺書を読み上げていると、誰かの声がした。
「あ、あの…」
話しかけてきたのはやせ細った少女だった
「何?どうしたの?」
少女 「あ、えっとー、、まさかここから飛び降りようとしてるんですか?死んじゃいますよ!」
「そうなの。もう人生に耐えられなくて、、死にたくて、、、」
少女 「自分から死ににいくなんておかしいですよ。飛び降りたら痛いし…」
「……」
少女はいきなり私の自殺に首を突っ込んできて、正直うざったかった。だが少女をよく見ると、体中にアザや傷があった。もしかしたら虐待かもしれない。これはまずい
「そうね飛び降りたら痛いでしょうね。それと、どうしてあなたはこんな所にいるの?」
私は、少女の事情が気になって、こう聞いてみた
少女 「多分、お父さんに置いて行かれた…」
少女は悲しそうな目でそう言った。
「それ、虐待じゃない。」
少女 「いや、虐待じゃないってお母さんが言ってた。しつけ、なんだって。」
親に洗脳されているのが一瞬で分かった。
「じゃ、じゃあさ、普段どんなことされてるの?ご飯は?殴られたりするの?」
無性に少女のことが気になり、デリカシーのない質問をしてしまった。
少女 「え、えっと、、ご飯はくれなくて、夜こっそり残り物とか探して食べてます。親の許可なしに部屋から出れないので夜こっそりです。それがバレたり、けんかのストレス発散で殴られたりします。」
少女は丁寧に答えてくれたが、私の想像以上に酷い仕打ちだ。私はこの子について真剣に考えなくてはと思い始めた。
「あ、そういえば名前聞いてなかったね。名前は何?」
怜 「風葉怜です。お姉さんは…?」
「あぁ、私は海枝初架。あなた、どこの子なの?」
怜 「香良、です」
「香良!?」
香良は、ここから軽く100kmは離れていて、1県跨がないと行けないくらい遠いところだ。なぜこんな遠くまでこんな子供を捨てに行くのだろうか。私は、怜ちゃんのことがどうしても気に障り、自殺なんてこと忘れていた。
「…あ、もうこんなに暗い。じゃあさ、一旦私の家に来て、色々お話しない?ご飯も作ってあげるよ」
怜 「…え!?わ、、分かりました」
怜ちゃんはとても驚いていたが、頼みに応えてくれた。この子をどうするか、考えなくちゃ
コメント
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今日この作品初めて見たけどなんかすっごく雰囲気いい… 時間あるとき一気見してみる!!
なにこれえええ…すぐに世界観に惹き込まれたんですけどーちょっと一気見してきますね