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「実はさ、樹が結婚しようって言ってくれた時ね。ホントにすごく嬉しかったんだけど、でもこのままじゃダメだなぁって思ってたんだよね」

「どうして?オレとの結婚迷ってたってこと・・?」

「そうじゃなくて。樹の中で何か抱えてる気がして、その心配というかその不安を取り除きたかった」

「オレの・・?」

「そう。樹の中で、どうしてもお父さんとの問題がずっと引っ掛かってたように思えて」

「あぁ・・うん・・。それはあったかも・・」

「結婚する前にちゃんとしておきたかったの。ちゃんと幸せになる為に。だけど・・・もし私のこと受け入れられなかったとしても、その問題はなんとかしたかった」

「それって、反対されたらまたオレと離れてたってこと?」

「きっと樹の中では、そこを解決しなきゃホントの幸せは感じられないって思ったから」


もし反対されたまま、樹と結婚しても、きっとお互いどこかでその壁にぶつかってしまう気がして。

勢いでその気持ちを例え貫いたとしても、本当に幸せにはなれないような気がして。

樹の環境は普通じゃないから。

特別な環境だからこそ、それはちゃんとしておかなきゃいけないと思った。


「オレは透子がいれば幸せだって言ってるのに」

「私も樹がいれば幸せだよ?でも、どんな結果にしろ、ちゃんとホントに樹が自分で納得出来て現実を受け入れてほしかった」


きっと、どんな結果になっても、樹へのこの気持ちは変わらない。

だけど樹が自分でどこかでその気持ちを消化出来ていない以上、また樹はどこかで無理をする。

自分がなんとかしようと、きっと樹はどこまでも無理してしまいそうな気がしたから。

だから樹が自分で納得出来れば、樹は無理しようともせずに、その現実とまた向き合える。

これからの私たち二人の為に、今の現実と向き合ってほしかった。


「うん。ようやく納得出来て前向くこと出来た」


樹は、すがすがしい表情で嬉しそうに笑ってそう言った。


「よかった。樹がちゃんとそう思えるようになって」


これでやっと前に一緒に進めるね、樹。


「だから。もう二度と考えないで」

「え?」


すると、急に真剣な顔をして今度はそんなことを言い出す。


「もう絶対どんなことがあっても、オレから離れようとしないで」


私が結婚を決めてもその気持ちを持ってしまったことを、樹はやっぱり鋭く勘付く。


「うん・・」


正直、もし反対されれば、家族の絆が壊れてしまうことになってしまうとしたら、樹から離れる選択も考えていたのも事実だから。

私が離れることで樹の幸せを守れるのなら、それでもいいと思っていたから。


「大丈夫。もう何も問題なくなったから。もう離れる必要どこにもないから」


そう私に言い聞かせるように伝える言葉。

そして、しっかり私の目を見つめて、私の手に樹も手を重ね、ギュッと握り締める。


「うん。もう樹から絶対離れない」


樹が握って来るこの手の強さやぬくもりで、樹がここにいるのだと感じられる。

今の樹のそのすべてで、もう大丈夫なのだと伝えてくれる。


「オレには透子が絶対必要なんだよ。透子がいなきゃ幸せになれないんだよ。オレも透子も、お互いが気付いていないところでも、もう何年も前からオレたちは同じ場所で同じ時間刻んできたんだよ。それは全部今に繋がってて、どうやったってオレたちはきっと離れられない運命なんだよ。だからもう無理だから、絶対。オレと幸せになるしかないから」

「うん・・・。私もそう思う」


こんなにも繋がっている運命は、きっとどうやっても離れられなくて。

ようやくお互いが気付けたその運命。

樹以外の運命はいらない。

私が幸せになれるのは樹だけだから。


「やっと透子と本当に幸せになれる」

「うん。やっと」


ようやく手に出来たこの幸せを噛みしめて、お互い微笑み合う。

もう二人に迷いはない。

二人で幸せになる未来が、またここから新たに始まる。





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