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2019年11月21日
咲希「大学には行かないって言ってるでしょ。」
母「将来のためにも」
咲希「ほっといてよ」
私は思わずそう言い放ち部屋を出た。
特に行先もなく、家から少し離れたバス停のようなサイズの小屋に座った。
その日は雨が降っており、傘もささず出たので濡れていた。
「はぁ、余計なお世話だよ。お金もかかるし、勉強も好きじゃないし、行く意味ないって言うのに」
聞こえるのは雨の音と風邪で揺れる木の音。その音に私は気づけば寝ていた。
『こんにちは。2019年11月22日のニュースをお知らせします。本日の天気は西日本を中心に豪雨となる見込みです。外出は控えましょう。』
外を見ると、今までに感じたことの無い大雨が降っていた。
すると、スマホが鳴った。
「大雨・洪水警報が発令されました。直ちに避難を開始してください。」
私は慌てて傘を出して、避難に向かった。
外を見ると、小屋にポツリと座っている男の人が居た。
私「何してるんですか?早く逃げないと。」
男性「足をくじいてしまって、上手く歩けなくて、、」
私「肩貸すので一緒に避難所まで逃げましょう。」
そのまま私たちは避難所に着いた、はずだったが、目の前に土砂が……
そこで私は目から覚めた
「はぁ、なんだ、夢か、、リアルな夢だな。」
時間を見ると14:00。30分しかたっていなかった。私は謝ろうと家に帰った。
母「どこ行ってたの!心配したのよ!」
私「ごめん。少し頭冷やしに」
母「今日の夜から大雨になるみたいだから、もう外でないのよ。うちの地区はすぐ土砂災害が起きるんだから。」
私「大雨?まさか。ね笑」
『こんばんは。11月21日、天気のお知らせです。本日夜から明日にかけて警報級の大雨となる見込みです。』
私「警報級。夢もそうだった。そういえばあの男の人の名前聞いてなかった。まあ現実になるわけないよね笑」
21:00になり、スマホをいじっていると外が急に騒がしくなった
私「急に降り始めた。それにしてもよく降るなー。」
雨雲レーダーを確認すると、降水量が60mの赤色がずっと続いていた
私「まじかぁ」
深夜3時 スマホが鳴った
スマホ「大雨警報が発令されました。レベル3相当です。高齢者の方は避難をして下さい。」
私「レベル3か、学校休みだ。」
深夜4時、スマホが鳴った
スマホ「洪水警報が発令されました。レベル4相当です。直ちに避難を開始してください。」
私「レベル4?初めて見た。でも今避難したら逆に危ないし、大人しく寝て朝を待とう。」
私はそのまま寝てしまった。
朝起きて外をみると、水が少しばかし貯まっていた。
朝9:00 速報が入った
「大雨特別警報が発令されました。直ちに逃げること、大雨特別警報が発令されました。直ちに逃げること。命に関わります。直ちに、避難をしてください。警戒レベル5です。逃げて下さい。テレビを消して、消さなくてもいいです。直ちに逃げること。」
私は慌てて傘をさして外に出た。
山が少しづつ崩れている。
いつも通る小屋に、男性がいた。
私「うそ。夢の時と一緒。なんなら夢より酷い。」
私「逃げましょう。そこは危険です。」
男性「足を怪我して、動けません。ほって逃げてください。」
私「肩貸すので一緒に逃げましょう。避難所はあと少しです。」
私たちは何とか土砂を避けながら避難所に着いた。
男性「ありがとうございます。なんとお礼をいえば。俺の名前は颯馬といいます。」
私「颯馬さん。私は咲希です。助かって良かったです。」
さっきの小屋は今土砂に巻き込まれ、潰れ、流されていった。雨は止む気配がなく、ネットの情報によると線状降水帯が発生し、雨柱が立っているよう。
避難所には数え切れないほどの高齢者や子供、親などが居た。私の親が見当たらない。
そういえば朝もいなかった。
私「母を探してきます。颯馬さんはここで休んでてください。」
颯馬「危険です。後にしましょう。」
私「母を助けたいです」
そう言い、私は傘もささず、土砂に巻き込まれないように母を探して
私「お母さん〜!」
私は家に着いたが、信じれなかった。
私「嘘、これが、家、、?」
目に映ったのは、土砂に潰された私の家。まさか、母もここに?でも朝は家にいなかったはず。
私は嫌な予感がして、隣の家の高齢者夫婦のところに当たった。よく母はここで世話をしていた。
隣の家もほぼ半壊状態。
土が被さり、あまり見えない。これ以上は危険だと思い、私は急いで避難所に戻った。
颯馬「咲希さん。無事で良かった。母は見つかりましたか? 」
私「ううん。ダメだった。でも、きっとどこかに居る。」
颯馬「そう願うばかりですね。このジャケット貸します。さっきのお礼です。」
私は颯馬さんと二人で避難所生活を始めた。
1時間後、避難所の入口から私を呼ぶ声が聞こえた。
母「咲希居るー?」
私「お母さん?!ここ!」
母「あーいたいた!」
颯馬「咲希さんのお義母さん。ですか。俺は咲希さんに助けて貰ったものです。」
母「そう。たすかってよかったです」
私「どこ行ってたのよ!」
母「ごめんね。近隣の人に呼びかけてた。」
無事私たちは母と合流し、雨も少しづつ去ってった。
母「それにしても、やられたわ。家も土地も。」
私「これからどうしよう。。」
颯馬「良ければ、俺のもうひとつの家使いますか?多分ですけど、壊れてないと思います。」
私「え、?家ふたつあるの?」
颯馬「まぁ、2つと言っても、実家と、俺の借りた家ですけど。俺は用事があって実家の方にしばらく戻るので、俺の方あげます。」
私「ありがとうございます。良ければですけど、連絡先って交換して貰えないですか?何かの縁ですし。」
颯馬「そうですね。追加しときます。雨も止んだみたいなので、俺はここから新幹線とかで帰ります。あの節はお世話になりました。」
私「気を付けてください!」
母「いい子ね。その家にお邪魔しちゃいましょう。そして、新しく家を見つけましょ。」
私「うん。そうだね。」
私たちは颯馬さんの借りた家に、大家さんに理由を説明し、無事入れた。
私「ふううう。つかれたぁ。避難生活大変すぎぃ。それにしてもこの街も結構やられたなー。」