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タイトルは迷ったら簡単な英単語か英熟語にしておけばいいと思っている節があります←
連載です。
学パロ/赤不登校/暗い
この中学校随一に滑りのいい引き戸を開けると清潔をそのまま移したような消毒液の匂い。ぱっと顔を上げる保健室のないちゃんせんせい。眼鏡をかけているから何かしらの事務作業をしていたのだろう。
水:「りうちゃん、迎えに来たんですけど…」
桃:「おー、ありがとね。入っていーよ」
手招きされるがままに出入口とは別の扉を通るとそこは許可制保健室。文字の通り出入りに許可がいる保健室なのだがその理由は、
水:「りうちゃん、行けそう?」
赤:「…うん、頑張ってみる」
不登校生徒専用だからである。
ーーー
水:「りうちゃん昨日めっちゃ夜遅くまでゲームしてたでしょ、ずっと通知来てたw」
赤:「んー、寝れなくてさ。結局3時間睡眠」
水:「倒れないでよー?」
授業が始まって静かな渡り廊下。ゆっくりと足を進めるりうちゃんに合わせて歩幅を小さく時折立ち止まりながら雑談をする。
もう少しで2階、僕らの教室がある3年の階に差し掛かる踊り場でぴたりと足が止まった。大丈夫?と問いながら顔を覗き込む。
赤:「っふ”、う、ぅ”…」
水:「行けなそう?」
口元を押さえてうずくまってしまったりうちゃん。背中をさすりながら問いかければこくり、と首を縦に振った。
水:「戻ろっか、頑張ったよ」
頭を撫でてそっと抱き寄せると肩に目元が押し付けられる。じんわりと冷たく濡れ始めた。
赤:「ご、め”っ…きょ、うは、……頑張ろうと、思った、のに”…」
水:「大丈夫、まだいっぱい機会はあるから、ね?行こうって思えてるんだから大丈夫」
階段に反響するくぐもった泣き声。弱くて脆くて息を飲むほど綺麗な彼のことがたまらなく好きで、好きで
_嫌いだった。
Inferiority complex:劣等感
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