岩ちゃん達に手を振ってバイバイして

いつも通り教室に入った。

挨拶しながら軽く会話して、何時もと同じ。

いつもよりずっと息がしやすい

うん、今日の俺は大丈夫そう

時間割確認したらわぁ大変

移動教室が重なりに重なってるよ！

岩ちゃん達ん所行こうと思ってたのに

そんな時間無いや

まぁ昼休みにでも行けばいっか

人に共有すると軽くなるって

本当だったんだね

初めて知ったよ

午前ラスト体育終了！

やっと岩ちゃん達に会える

なんて考えちゃってたからかな

頭が一気に冷えた

岩ちゃんにウザってぇって言われる

前髪から俺の足元に水が伝う

可笑しい可笑しい可笑しい可笑しい

可笑しい可笑しい可笑しい可笑しい

可笑しい可笑しい可笑しい可笑しい

可笑しいおかしいおかしいおかしい

おかしいおかしいおかしいおかしい

おかしいおかしいおかしい！！！！！

だって普通の水だもん

サラサラしてるはずでしょ、？

どうして体が動かないの

体が震えるの、？

冬に水をかぶったから？違う

そんなんじゃない。

どうやっても拭えない

ベタベタしてまとわりついてくる

首が締め付けられてる

＿＿＿＿あ、そっか＿＿＿＿

      水じゃない水なんかじゃない

                                         目だ

      みんなのめだ

だめだあたまぐるぐるこわい

どうしよいわちゃんいないくるし

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担任に呼び出された

何で廊下？何の話？なんかやったっけ？

及川辛いことがあるのか、だって

へ？色々言いたいけど

ここで話す内容？それ

ここ廊下だよ？筒抜け所じゃないよ？

えちょっとまって いみわかんない

頭混乱して話せない まとまらない

その間にも担任は頼れだとか話せだとか

色々話しかけてくる

ほんとにやめて、？おねがい

また動けない 中も外もどろどろする

透明な縄が首にかかって死ねない程度に

首を絞めていく

途中体育教師も参加してきて

頑張れ こんな事で折れるな男だろ

弱いやつだな こんな事でとかを捲し立てる

                       こわい

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初めて授業をさぼった

はじめちゃんにおこられちゃうかな？

でもね、おれトイレににげてきづいたの

うっすらあとがみえてたの

じぶんでやったのにね   ばかみたい

いきがねできないの

はじめちゃんがいてくれないとおれ

いきももとどおりにすえないの

いつの間に降り始めたのか雨の匂いは

ずっと何時間も続いた

もう終わりなどないんだと

諦めてしまいそうになる程に

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気づいたらスマホの時間はもう放課後で。

部活どうしよう

岩ちゃん怒ってるかな

「岩ちゃん…」

1度も開かなかった

トイレのドアが音を立てて開いた

というか今まで誰も来なかった事自体が

不思議だ

いわちゃんだ

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及川、？個室に引きずり込まれたと

思ったらそこには泣きそうな、

いやもう泣いたのであろう顔で俺を

見つめていた

あぁ、またこの顔だ

俺の知る範囲どの感情にも当てはまらない

ような顔

怯えていてでもどこか明るくて

それなのに闇深くて俺じゃなくても

言い表せねぇようなそんな表情

狭ぇ個室で向かい合ってゆっくりどうした

と問いかける

及川は  はじめちゃんおれおかしい

やだおかしいこわい などまとまらない頭で

思いついた事を言葉にする幼児のような

話し方で答える

だんだん慣れてきた手つきで

背中を摩って2人で何度も深呼吸を

繰り返す

それをしても尚かつて輝いていた眼から

溢れ出してしまった涙は止まらなかった

きっと何かが不安で堪らなかったのに

何時間も1人でいた反動だろう

及川の手はよく笑って大事なものの

ひとつに入っていたとは思えないほど

以前の暖かさはなくただ冷たかった。