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くらげねこ。
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ぷちしらま🐧🪿
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その日舜太と晩ご飯に行く約束をしていたが、予約していた店が急遽臨時休業となってしまった。どうしようかと考える間もなく、舜太は俺の家に来たいと言い出した。今冷蔵庫にあるものでなんとか二人分は作れそうだったので了承し、舜太はついでとばかりに泊まりたいと言ってきた。頭の上には耳、背後には尻尾、キラキラした瞳。断られる可能性を微塵も考えていない末っ子の様子に苦笑しながら俺は頷いた。 それが全ての過ちだったと気付くのは……もう少し後の話。
俺が作ったパスタとスープ、舜太が盛り付けてくれたサラダ、全て綺麗になくなった皿を見て静かに一人安堵する。早々に風呂も済ませて、あとは駄弁るか映画でも観るかと、そんなことを考えていた矢先。
「……あ゛っ」
リビングで携帯の画面を見つめながら、舜太が大きな声を上げた。
「なに……?」
「え、いや……今勇ちゃんに仁ちゃんの家でお泊まりするねん!って自慢してたら」
「自慢するほどのことか?」
「勇ちゃん……今から来るって」
ハヤチャン、イマカラクルッテ……???
「あ、既読付かんくなった。もうタクシー乗ったんかな」
「待って。えっ、何で?」
「何って……だから、タクシーで」
「違う舜太。どうやってじゃなくて、どうして?って意味。今何時だと思ってんの?あいつ明日早いんじゃないの?は?急に何?ほんとに意味分かんないんだけど」
ソファから立ち上がって頭を抱えながら辺りをウロウロする俺を見て、舜太はふっと溜め息をついた。いや、何でお前だけそんな落ち着いてるんだよ。
「俺に言わんといてや。仁ちゃんからも連絡……って、あかんわ。もう繋がらんし、勇ちゃんこうなったら何も聞いてくれんもん。もう諦めるしかないな」
ソファで舜太が自分の座っている隣を叩いた。
「仁ちゃん、なんかごめんな?」
さながら主人の顔色を伺う子犬のような表情で言うもんだから、許すしか選択肢がなくなってしまう。
これが悪魔の仕業だったなんて。その時は思いもしなかった。
熱気がこもる寝室。
左右に陣取られた男二人によって裸にひん剥かれた俺は、ベッドの上で大きく足を開かされ、前と後ろ両方の快楽に溺れかけている。
緩く輪っかをつくった舜太の指の間で、先走りで濡れた己自身がふるふると揺れている。その奥で、ぐずぐずに蕩けた俺のナカを、勇斗の指がゆっくり何度も出入りする。
「あ、ぅあ、ぁ……っ」
もういっそ、強く激しい快楽で押し潰してほしかった。気が遠くなりそうなほど長い時間、ぬるま湯に浸かるような細々とした快楽を継続して与えられて、俺はおかしくなりそうだった。
生まれたままの姿の俺と違って、まだ二人は上しか脱いでいない。涼しい顔をして、俺が善がって悶えているのを、楽しそうに見ているだけ。
「う……っひ、ん、ぅうぅ……っ」
もういやだ、泣きたい、俺を解放してほしい。そうやって首を振る俺に、舜太は困ったような顔をして頬にキスをする。
「つらいな、仁ちゃん。もうイったらええんやで」
「ちっがぁ……ぁ、これ、イけなぁ……!」
もっと強い快楽を得たいのに、舜太は手を動かさずただ俺のモノを軽く支えているだけ。俺が耐えきれずかくんと腰を振って、その指の間に括れが通った時、僅かな快感を拾っているだけ。
なんて浅ましい、己の姿。
そんな自分の姿が見ていられなくて反対側を見ると、今度はむすっとした顔の勇斗と目が合った。
「仁人、イったらだめでしょ。舜太に見られて恥ずかしくないの?」
「ひっ、ゃ……ぁ、あっ!」
勇斗の指先が、俺のイイところを容赦なくぐりぐり押してくる。ばちんばちんって火花が散ったみたいに視界が揺れる。その視界の中で、勇斗が満足そうに口角を上げたのが見えた。
「意地悪やなぁ、勇ちゃん。ほら、もうイきそうやん」
「まだだめ。仁人、我慢できるでしょ?」
本気でイかす気なら、もっと早く強く、ぐちゃぐちゃに扱いてほしいのに。
我慢させたいのなら、もう感じるところばっか触れないで。
ちぐはぐな現実の中で、ほら、ほら、って。左右で反対のことを言われる。
「イこ、仁ちゃん」
「仁人……イくなよ」
「見して?」
「俺だけでしょ?」
甘く熱を孕んだ二つの雄の声に、俺は。
「ぁ……っん、ぁあぁ……っああ!」
甲高い己の声。深い快楽でじーんと痺れる下半身。浮いた背中。震える指はそれぞれの手と絡み合って、強く強く握った。
だめ、このイき方は……重くて、こわい。
まだナカに居座る勇斗の指をぎゅうぎゅう締めつけて、それがピンポイントで同じところを掠めてしまうから、ずっと深い快楽から降りてこられずにいる。暴力的なまでの絶頂感が苦しい。呼吸だってうまくできなくて、子どもみたいにぼろぼろ泣いてしまって、それでもまだ二人に助けてほしいなんて思ってしまって。
俺を苦しめているのは、紛れもなくこいつらなのに。
「っ……ぅ、あ……っ♡」
俺のナカから抜けていく勇斗の指。それにもまた感じてしまう。
惜しげもなく晒される俺の表情も、両方の手を握ってしまっているせいで隠しようがない。
「仁ちゃん、後ろだけでイったらこんな顔になるんや。ぐちゃぐちゃで可愛いなぁ」
ひっひっとへたくそな呼吸を繰り返す俺を見て、舜太は笑みを浮かべる。その様子を見ていた勇斗が俺の頬に手を寄せて、不機嫌そうな顔で覗き込んできた。
「ねえ、なんで仁人イっちゃったの。俺、だめって言ったのに」
「ぁ……ごぇ、なさぁ……」
「舜太に見られて気持ち良かったんでしょ。いつもよりナカきゅんきゅんしてた。仁人はいつからそんないやらしい子になっちゃったの?」
「ちが、っはやと、おれ、やっ」
「違くないよ。仁ちゃん、嘘つかんでええやん。仁ちゃんの可愛い顔見れて俺嬉しかったで。まだ足りひんのやろ?」
「しゅん、たぁ……っ」
先ほどまで俺の前を触っていた手。俺の先走りで濡れた手で、今度は俺の胸の頂点をきゅうっと引っ張る。
「ぁ、あっ……だめぇ……っ♡」
直接的な鋭い快感。全身を電流が走ったみたいに駆け抜けて、頭がぼうっとしてしまう。
「仁人。ね、俺を見て」
やけに落ち着いた優しい声色なのに、瞳の中はドス黒い独占欲に塗れている。
ぞくぞくって、そんな勇斗に興奮してる自分がいる。
ゆっくりと近付いてくる勇斗の顔。キスするんだって期待して目を閉じた。
「仁人、違う。ちゃんと目開けて」
「え……?」
「俺の目見てて」
強すぎる目の圧に圧倒されながらも、言い付け通り俺は目を開けたまま、勇斗からのキスを受け入れる。
「口開けて、舌出して」
閉じてしまいそうな瞼を必死に開けて、情欲に塗れた勇斗の大きな瞳を見つめる。視界も頭も勇斗でいっぱいで、ただ言うことを聞いて、おずおずと舌を差し出す。そしたらすぐに勇斗が俺の舌を甘噛みして、そのまま深いキスへと変わる。
だんだんと、気持ちいいことしか考えられなくなってくる。もっともっとって欲張りな自分がいて、誘うように身体をくねらせてしまう。
「仁ちゃん、もっとほしいんやろ?」
俺の乳首を弄って観察していた男が、今度はそこを舐めて遊ぶ。
「はっあ、ぅ……ん」
勇斗とのキスの音。舜太が胸を舐める音。同じような水音が左右の鼓膜を揺らして、それにもまた興奮して。
二人の大きな手が俺の肌を這う。内腿や鼠蹊部を指先でなぞられたら、またこの先の快楽を期待して勝手に腰が浮く。
与えられる愛撫、すべてを敏感に拾う。腹の奥が早く早くと疼いてもどかしい。そんな俺の様子を見て、舜太が俺の胸から顔を上げる。
「勇ちゃん勇ちゃん。もう仁ちゃん我慢できひんーって言っとるよ。ここ、めっちゃびくびくさして……」
「ぅあっ……ん、っはぁ」
「あは、こうやって外側からされるだけでも気持ちいなぁ?」
臍の下を舜太の指がぐりぐり押してきて、たったそれだけなのに、どんどん奥が切なくなる。思わず目を瞑って快感に集中してしまい、再び目を開けたら勇斗は伏し目がちに、俺の失態を責めるように鋭く見つめていた。
「ぁ……はや、と……」
勇斗が責めたいのは俺が目を瞑ってしまったことじゃない。俺が、舜太からの愛撫で勇斗から意識が逸れてしまったことだ。
「勇ちゃん顔怖いで」
「……舜太、ちょっと退いてて」
「はーい」
「なにっ、はや……っうわ!」
すぐ側にあった舜太の体温が離れたと思ったら、ぐるりと視界が回って、目の前には真っ白なシーツ。身体をひっくり返されたんだと理解する前に、勇斗の強い力で俺のお尻を無理やり上げる。
四つん這いで、お尻だけ高く上がっている。欲望のまま媚びるような体勢にカッと顔が熱くなる。
こんなの恥ずかしくて嫌だと言いたくて口を開けると、目の前で胡座をかいた舜太がすっと俺の唇に触れる。
「仁ちゃん、欲しくて欲しくてたまらんかったもんなぁ」
笑顔を向けられているのに、その瞳は笑っていない。
見たことのない舜太の表情にゾッとしていたら、背後でカチャカチャと金属音がした。勇斗がベルトを外し、服を脱いでいく音。
ほんの僅かなこのタイミングで、俺は逃げ出すべきだったんだ。
勇斗の熱い大きな手が腰に触れる。期待で震える窄まりに、勇斗のが、当たって、そのまま。
「っあぁああぁ……っ!!」
丁寧に慣らされたおかげで泥濘んだそこは、勇斗の太く大きなものを難なくすべて受け入れた。戸惑う俺の心は置き去りにして。
それでも呼吸を整える時間なんて与えられず、ずるりと入り口付近まで抜かれて、また最奥の壁まで入れられて。シーツに頬を擦り付け、どうにか快感を逃がそうとする俺を、もう一人の男は俺の頭を撫でながら見つめていた。
「きもちいな、仁ちゃん」
さっきとは違う。まるで愛おしいものを見つめるようなその瞳に、俺は縋ってしまう。震える指先で、必死に舜太の腕を掴んだ。
後ろからそんな俺の姿を見ていた勇斗が、腰を回してごちゅんって奥をぐりぐりさせながら、俺の背中に覆い被さる。
「っあ、あ、ゃあ、それ、ぁあ……!」
「ほら、仁人。きもちい、って言って? な、仁人をきもちよくさしてあげてるのは、俺でしょ?」
「あはは。仁ちゃん、ごめんな。俺は助けてあげられへんから、勇ちゃんに言うしかないなぁ。……もっとしてほしいって」
ワントーン落とした温度感の無い舜太の声に、ぞくりとした。
「さっき前でイかれへんかったから、勇ちゃんしてあげて」
ひゅって喉の奥が締まる。
もうこれ以上は、俺が、おかしくなる。
それでもまた、俺は二択を間違えた。舜太の腕を持って、どうにかしてくれと訴えかけてしまった。
「仁人、俺はそっちじゃないよ」
冷え切った勇斗の声。やってしまったと気付いたのはその瞬間だった。
振り返る間もなく、勇斗の手が、震える俺の前を握る。耐えていたそこが、理性ごと、崩れ落ちていく。
数回擦られただけで、すぐに頭の中が真っ白に弾けた。
「ぁ……ぁあああぁあ……っ♡」
シーツに向かって己の欲をぶち撒けながら、緩く奥を突かれて。前と後ろ両方から断続的に与えられる快楽に、射精の波はおさまってくれなくて。ずっと両方でイってて、きもちいってそればかりになって。
終わらない絶頂に、頭が、ふわふわする。
「はっ……すげえ締まって、きもちい」
掠れた勇斗の声。長い前髪をかき上げたのか、背中に一粒汗が落ちてきた。
過ぎた快感にぼうっとしていた視界の隅に、もう一人の男が居る。頬に手を添えられ視線を上げると、またあの愛おしそうに俺を見つめる瞳がある。
「ええなぁ……俺も仁ちゃん欲しいのに」
唇をなぞった指先が、俺の手を取って、そこへ導く。寝巻きとして着ていたスウェットの前を押し上げる、火傷しそうなほどの熱。
はあっと、無意識に俺は息を吐いた。
「仁ちゃんの口、貸して?」
酷いことを言われているのに、俺は拒否することができなくて、スウェットと下着のゴムのところに触れる。舜太が褒めるみたいに頭を撫でてくれる。俺は、そこを下にぐいっとずらした。
「っあ……」
狭い所に閉じ込められていたそれが、ぶるんと弾けるみたいに姿を現した。
大きい、なんてものじゃない。その圧倒的な長さに、思わずこくりと口に溜まっていた唾液を飲み込んだ。
こんなの、入れられでもしたら……俺はどうなってしまうんだろう。勇斗のでも苦しいのに、それ以上は果たして耐えられるんだろうか。
はっはっと俺の短く荒い呼吸の音がうるさい。
口元に向けられるそれを、俺は……口を開けて迎え入れた。
「はぅ、ん、んっ……」
「うわー、やっばいなぁこれ」
「なに勝手にやってんの。俺そんなこと許してないんだけど」
「でも仁ちゃん嬉しそうやで? うん、じょーず、じょーず。仁ちゃんええ子やなぁ」
全て入りきるわけもないので先端をちろちろ舐めるように愛撫すると、舜太がまた頭を撫でて褒めてくれた。
すると、俺のナカにいた勇斗が動き出した。さっきまで執拗に奥を小突いていたのに、今度は前立腺だけを狙う腰付きに変わる。苦しいとまではいかないけど、それでも少しだけ心に余裕ができたからか、目の前の舜太のそれに夢中になった。
頭を撫でてくれていた手が、俺の顎下をこしょこしょと擽る。綺麗に口角を上げた舜太と目が合った。
「舐めてくれるのも嬉しいけど……仁ちゃんのここ、もうちょっと入れさしてほしいな」
俺の口は大きくないし、舌だって短い。こんなに必死で、精一杯やってるのに。なんて言いたいことは山のようにあるのに、末っ子気質な舜太からの“おねがい”に俺は弱い。
戸惑いながらも俺は小さく頷いた。すると顎下を擽っていた手が俺の後頭部に回る。あぁ、来るんだって覚悟した。
「ふ、っぐ、ぅ……!」
興奮で膨張したそれが静かに口内でぐっと押されて、その異物感に声を上げてしまう。口に入っているのはほんの僅かだと思う。でも、たった数ミリ入っただけでも、俺は苦しくて。
「仁人、フェラ苦手そうだから、あんまさせてなかったんだけどな」
そう。俺は慣れてないから、分からないし、こわい。涙で膜が張って揺れる視界で、ずっとひとり混乱しているだけ。
「えっ、そうなん?」
「舜太くんは俺をどういう奴だと認識してんの? 仁人相手に嫌がるようなことしねえわ」
「そっかぁ、仁ちゃん愛されてるね」
「当たり前」
頭上で会話する声は聞こえるのに内容はあまり分からず、ただ俺は黙って舜太のそれを必死に愛撫していた。
口内に含みきれないところに舜太が自ら手を添える。どういうつもりかと眺めていると、その手が前後に動き始める。
「なら、早めに終わらした方がええな」
どういう経緯があってこの結論に至ったのかは分からないが、いきなり目と鼻の先で自慰行為が始まって、俺は思わず口を離してしまった。
なんで、って混乱したところに、大人しくしていたはずの勇斗も動き始めた。長いストロークでナカ全体を刺激され、ゆっくりと昂められていく感覚に翻弄される。
「はっ、ふぁ、あ、ぁあ……っ」
「じーんちゃん。な、またぺろぺろして?」
「うぅぅ……ん、ふっ、ぁ」
言われるがまま、舌を伸ばした俺にその先端をくっつける。滴り落ちる透明な粘液が苦く、きゅっと眉根が寄った。舜太はそれにも昂ってしまったらしく、扱く手の動きが速くなった。
後ろでパンパンって肌がぶつかる音が、その感覚が短くなっていく。同時にまた、前も弄られる。
あの感覚がまた来てしまう。また、ふわふわして何も考えられなくなる。戻ってこられるのかなって、心配して、あぁでも、それもどうでもいいかなって。
視界の端から白が迫る。終わりは近いんだと悟る。
「仁人っ、もうイく……っ!」
「受け止めてなっ、仁ちゃん」
どくんって、多分それは全部同時だった。
「あぅ、う、ぅうううあぁ……!!」
俺が情けなく声を上げてイったのも。
舜太のそれが弾けて俺の顔面に降り注いできたのも。
ゴムさえしなかった勇斗が俺のナカを白く汚していったのも。
全てが夢心地で、それは軽い現実逃避だった。
快楽で塗り潰された思考は白しかなくて、ぱたりと横に力無く倒れた身体もまだ細かく震えていて。自分が自分じゃなくなってしまうような、でも不思議とそこに恐怖心は無い。
なんだろう。感覚がどんどん曖昧になる。
「仁ちゃん、ごめんなぁ。もうちょっと付き合ってくれん?」
えって返事する暇もない。無理やり抱き起こされた身体。背中には舜太の体温。目の前には、勇斗?
抱え上げられ、左右に大きく開いた己の脚を見た。なんで、って思う間もなく、俺はまた……。
「はぁああっ、ああ……う、ぁあ!」
舜太の長いそれが、俺を貫いた。
「若いね、お前。もう復活したの」
「全然足りひんよ。んー、でもやっぱり全部は入らんな」
「ふっ、ぁ、やぁ……っあ」
勇斗のと違って、細身だけどその分長さがある。背面座位で重力に従って落ちた俺の身体は、なんとかその最奥の壁は守ったが、ずっとそこが刺激され苦しいまでの快楽にぼろぼろと涙が溢れた。
「苦しいな、仁人……」
揺れる視界の中で、縋ることのできる何かを探す。優しくて安心させてくれる声が俺を呼んでる。手を伸ばすと、確かにそこに体温があった。
「はぁ、と……は、っやとぉ……っ!」
「うん、俺はここにいる。仁人、いっぱいちゅうしよ?そしたら安心できる?」
何を言われたのか分からない、けど安心したい。
その体温がもっと近くにほしくて、手繰り寄せて、唇に感じる熱にもっと安心して。あぁ勇斗の温度だって、俺が求めてたものはこれだって、嬉しくなった。
舜太が腰を揺らすと、その度にびくりと大袈裟に震える。そしたら勇斗が、大丈夫ってまたキスしてくれる。
この空間に酔ってしまう。甘やかされてるって、これが幸せなんだって、思ってしまう。
「ひっ、ぁう……、ちい」
「ん?仁ちゃん、なに?」
「ぁあ……きも、ち……」
熱に浮かされた頭は、もう何も考えてはくれない。
「……うん。きもちいな、仁ちゃん」
舜太の声も優しくて、俺は安心に包まれる。
強張っていた力が抜けていく。ぐちゅん、って叩く最奥の壁が……僅かに綻んだ。
あ、だめ。そこは、俺が俺じゃなくなる、から。
「痛かったらごめんな」
最後通告。馬鹿になった俺の頭じゃ、その言葉すら理解できない。
下から押し上げてくる熱。重力に逆らえない俺の身体。一瞬感じた恐怖心を包み込むように、勇斗が優しいキスをくれる。
それに安心してしまって、その門が……こじ開けられた。
「ぅんんん〜〜〜……っ!?♡♡♡」
キスによって全て飲み込まれた俺の嬌声。
ごぷん、って身体から聞いたことない音がした。痛いとか苦しいとか、そういうの全部を上回る、快感。がくんがくんと勝手に揺れる身体は舜太のそれを締め付けて、舜太は背後で静かに息を詰めた。
勇斗が離れていく。行かないでって泣いても、勇斗は微笑むだけ。
「かわいい、仁人……」
もっと俺の頭が動いていれば、これが歪んだ愛の証明だと気付けたはずなのに。
「あ゛っ!?は、ひんっ♡やぁ゛あ゛♡」
「っ、仁ちゃん、ちょっと締めすぎ……!」
「もう何も聞こえてないよ。な、仁人。もっときもちよくなろうな?」
「う゛ぅん??♡」
勇斗の熱い手のひらが、少しだけぽっこりした俺の下腹部を撫でた。それすらきもちよくて、頭がびりびりした。
さらに下がる手。伸びた先、もう全てを出し終えてぐったりした俺の半身を掴んだ。
「まだイけるよな?」
なんで。だって俺、もう何回も。
「ぁあ゛っ……!♡」
また白くトぶ。握られて、ちょっと手の中で弄られただけ。それなのに、なんでこんなきもちいいんだろう。
しばらくするとそこはまた芯を持ち始めた。強制的に起こされた快楽が苦しくて、また目の前の体温に縋る。汗で滲んだ勇斗の首元から男らしい色っぽい匂いがして、頭がくらくらした。
キスを強請る俺にふっと笑みをこぼした勇斗が、ぐっと身体を寄せる。俺の半身を握ったその手に、もう一つの熱。
「っあ??」
「俺も一緒に、な?」
勇斗が身体ごと揺さぶる。所謂兜合わせというやつだ。勇斗の手の中にあるそれ、裏側が擦れて、また新しい快感が生まれる。
なんだか妙に口寂しくなって目の前の勇斗の唇を舐めると、勇斗が嬉しそうに笑って最初から激しいキスをくれる。
ぐちゅぐちゅっていやらしい水音が、上からも下からもしていて。与えられる快感すべてに酔って、翻弄されて。
俺はこうやって壊されていくんだ……って他人事みたいに思った。
「あ゛ぅ♡っは、ぁ♡ん゛んぅ♡」
「はぁっ……仁、ちゃん、きもちい、な?」
「ぅ♡き、もちい♡ぁあ゛、ぁ♡」
もう自分が何を言ってるのかも曖昧で、それでも前と後ろの男二人が優しい笑みを向けてくれる、ぎゅって抱きしめてくれるから、これでいいんだってホッとする。
なのに、モヤがかかっていた頭が一瞬クリアになった。
ちがう。なにかが、からだが、おかしい。
「っは、やと……やぁ、こわい……っ」
最後のストッパー、その薄い壁が突破されようとしている。自分でもわけが分からず、目の前の勇斗に助けを求めた。
ちゅうっと啄むような口付けをして、ほろほろと涙が止まらない目尻にも、そして可愛らしく鼻先にも。上目にもう一度勇斗を見つめる。
「うん。俺と一緒にイこ」
「ぇ……」
俺の声が、届かなかった……?
「はぁ、あっ、あ゛ーっ!だめ、だめえっ!」
信じられないほど奥まで突き刺さった舜太のそれが括れた門を行き来して、もう何も出ないはずのそこがまた熱を持ち始めてしまって。
叫んでも、泣いても、縋っても。誰も俺を助けてはくれない。
視界の端っこでチカチカと何かが光る。がくんと上を向く。無防備に晒された俺の首元に吸い寄せられるように、所有の証が二つ赤く色付いた。
もう、ここが天上だ。
「「イって?」」
耳元で甘く俺を蕩かせる、声。
正気に戻っていたはずの思考が、焼き切れた。
「っぁあぁああ……っ!!」
親指で抉られた先端から噴き出す、色のない液体。同時に絶頂を迎えた勇斗の精液と混ざり合わず、ただ悪戯に俺と勇斗の肌を汚していく。
少し遅れて舜太が達して、最奥を何度も揺すってマーキングしているみたいで。その度にまた俺は何度もぷしゃりと噴き出して、全身で終わりのない絶頂を甘受する。
「ぁあ、ぁ、あっ……っんぁ」
頭まで白く塗り潰されるこの瞬間が、きもちいい。がくがく震える身体も、きゅうきゅう締めつけるナカも、もうそこに己の意思は無い。
ようやく満足したであろう舜太が、腰を引いた。ずるりと抜け出たそれに、支柱を失った俺を、今度は目の前の勇斗が両手で受け止めた。胡座をかいた勇斗の脚の間で横抱きにされ、顔に張り付いた髪を勇斗が丁寧に払ってくれた。
二人よりも体力がないためまだ呼吸は整わず、肩で息をする俺を勇斗はふっと笑う。
「落ち着いたら俺と風呂行こ。全部俺がするから」
また、勇斗が甘やかしてる。でもこんなぼろぼろの状態で、俺が何かできるわけもない。無駄な抵抗はせず素直に頷いた。
すると舜太が大きい声を上げた。
「あーっ!そうやってまた仁ちゃんと色んなことするんや!ずるいずるい!俺も混ぜてや!」
「うるせーなほんと。あのね、お前と違って俺たちはもう限界なの」
「嘘やん……勇ちゃんの言うことは信じられへんよ。なあ仁ちゃん、悪いことは言わんから俺とお風呂行こ?俺が全身ピッカピカに洗ったるで!」
「仁人は車かよ」
いつもの小競り合いにも笑う気力すらなくて、ただぼうっと二人を見上げていた。
「仁人」
「仁ちゃん」
呼ばれてる。意識がふっと遠く離れていきそうなところを、二人が呼び戻してくれた。
俺はわがままだから。もうちょっと、この安心する声を聞いていたいなんて……贅沢なことを思ったりしてしまう。
静かに震える指先が、勇斗の頬にちょんっと触れる。勇斗はすぐに頬を擦り寄せながら、俺の額に軽くキスをした。
「もう。勇ちゃんばっかりずるい」
「俺の仁人だからずるくないでーす」
「仁ちゃんも勇ちゃんばっかり見てるやん」
ぱちんぱちん、って大きく瞬きして、首を傾げた。
「そう、か……?」
「えっ?」
「はあっ!?」
舜太だけでなく勇斗も大きい声を出すから、俺が驚いてしまった。
今度は勇斗と舜太が見つめ合う。舜太はにんまり笑って、勇斗は手で顔を覆って溜め息を吐いた。なんなんだこの差は。
「仁ちゃん、じゃあそれは無意識なんやな!」
「……むいしき」
「仁ちゃんがしんどいなー苦しいなー甘えたいなーって時、無意識に勇ちゃんを求めてしまうんやろな。でもそれって、今まで勇ちゃんがどんな時もありのままの仁ちゃんを受け入れてきたからってことやん」
「う……それは……」
「仁ちゃんが大事に大事にされてきた証拠やな。なあ、勇ちゃん!」
顔を背けた勇斗の耳が、真っ赤っかだ。
それを見て、なんだか急に自分も舜太の言葉を飲み込んで、理解してしまって。否定しようとして、言い訳を探そうとして、でもできなかった。
どんどん顔が熱くなっていくのが分かった。
小っ恥ずかしいなんてものじゃない。今すぐここから逃げ出したい。
「じゃ、俺は先にシャワー浴びてこよ!お先〜!」
すっかり回復した舜太が元気よく部屋を出て行ってしまい、ぽつんと残された俺たちは、互いに顔を見合わせて……少し笑った。
勇斗がゆっくりと俺をベッドに寝かせ、後を追うようにぎゅーって強く抱きしめた。
「仁人、顔赤い」
「勇斗のが赤いって。あーもう……見るなよ」
「やだ。俺のことがだーいすきな仁人の顔見たい」
なんだよそれ、自惚れるな。って、普段の俺なら言ってるところなのに。
「……ん、はやとがすき」
だってもう、俺が意識してない俺の行動も、俺の思考も、全部バレてしまってるから取り繕う理由が無い。
俺のこんな一言で、この男は世界一幸せだーって嬉しそうな顔するから。愛おしいなって、触れるだけのキスを送った。
そうやって俺のことだけ考えて、俺の言動で狼狽えたらいい。この先もずっと、勇斗の全部、俺が見たい。
「……だいすき」
それは、どちらが言った言葉だっただろう。
勇斗の体温に包まれた身体は、深く深く沈み込んでいく。三人の色んな体液に塗れた状態で、あー風呂行かなきゃいけないのに、って勇斗の重たい身体を受け止めながら、思って。
でも最後に残ったのは、好きだなって気持ちだけ。
開けっぱなしにされた寝室の扉の奥から、シャワーの音が子守り唄みたいに聞こえた。
舜太がとびきり明るい声で帰ってくるまで……あと、数分。
おわり。
コメント
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あー…読んだ読んだ。めっちゃアツい話だったわ🔥 読切って言うからさらっと読めるかと思ったら、めちゃくちゃ濃密でびっくりした。 仁ちゃんが舜太と勇斗に翻弄されながら、でも最後は「好き」ってちゃんと認めちゃうとこ、グッときたな…。 特に無意識に勇斗を求めてたってバレてからの照れ合い、最高だった。素直になれない仁ちゃんと、それを引き出した舜太、ずるいよなあ。 エロくて甘くて、最後はじんわり温かくなる、そんな1話だったわ。続きとか別のパターンも読んでみたいな〜