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連れて行かれたのはとあるマンションの一室。
部屋の表札が【岡部】になっている事から、ここは正人の住んでいる部屋のようだけど、中に入ってみるも凜の姿はどこにも見当たらない。
「……正人、凜はどこなの?」
「さあな?」
「とぼけないでよ! ここに凜が居ないなら、私は帰るわ!」
騙された事が分かり、苛立ちを露わにしながら再び玄関へ向かおうとすると、
「お前馬鹿かよ? 確認もせずにのこのこついて来たくせに、偉そうな事言ってんじゃねぇよ」
「きゃっ! ちょっと、離してよ!」
「うるせぇな! こっちに来いよ」
「嫌っ!」
正人に腕を掴まれた私はそのまますぐ側にあった部屋へ連れ込まれてしまう。
「離してってば!」
「うるせぇって! いちいち騒ぐなよ!」
そこは寝室らしくベッドが置いてあって、私はそのままベッドに押し倒された。
「何なのよ!? どうしてこんな事するの!?」
「あ? だから、俺は言ってるだろ? お前とやり直したいって」
そして、理由を問い掛ける私の上に跨った正人は、ニヤニヤと下卑た笑みを浮かべながら私の髪に触れてくる。
「嫌っ! 触らないでよ! 私はそんな気無いって言ってるでしょ!? こんな事しても無駄よ!」
「お前の意見なんか聞いてねぇんだよ。お前は今日からここに住むんだ。婚姻届も書いてもらう。そんで子供迎え行くついでに役所に寄って出しに行くぞ」
「何言ってるのよ? 本気なの?」
「ああ。やっぱりお前が一番だって気付いたんだよ。俺が出世するには、可愛いだけで我がままな女より従順で家庭的な女が良いってな」
「そんな事言われて喜ぶ人がいると思うの? 馬鹿にしないで!」
「ごちゃごちゃうるせぇっつってんだよ! 黙れ!」
「ッ!!」
正人のあまりに自分勝手な言い分に言い返した私は殴られた事で再び恐怖を植え付けられた。
(どうしよう、正人は本気だ……。これ以上逆らったら、どうなるか分からない……)
こんな状況だけど、私が一番心配しているのは凜の事。
どうにかしてこの状況を切り抜けて逃げ出せないか考えていると、
「なぁ亜子、俺らやり直すし、もう一人くらい子供作ってもいいよな? 二人は欲しいって言ってたろ?」
先程殴って来た頬に優しく触れながら、とんでもない言葉を口にする正人。
「……何、言ってるの? 私はやり直す気はないし、貴方と子供を作る気もない……おかしな事言わないで」
「お前こそ、いつまでも怒ってんなよ。機嫌直してくれって。な? 俺、変わるからさぁ」
「……変わる変わるって、口ばかりじゃない。手を上げるところも威圧的な態度も、何も変わってない!」
「それは! お前が反抗的な態度ばっかり取るからだろ? それさえ無けりゃ俺だって変わるんだよ」
もう、この人には何を言っても無駄だ。
だけど、押し倒されたこの状況ではどうする事も出来ない。
こうしている間にも刻一刻と時間は経つばかり。
凜の迎えが無ければ、緊急連絡先として教えている竜之介くんに連絡がいってしまうから私が居ない事は遅かれ早かれ明るみに出るけど、のこのこ正人について来た私には助けてもらう資格なんて無い。
とにかく自分でどうにかしようと正人を睨みつけたものの、
「何なんだよ、その反抗的な目は? あーあ、優しくしてやろうと思ったけど、止めた。お前が悪いんだからな?」
「っ!」
低くドスの効いた声と突き刺すように鋭い瞳を向けた正人に思わず背筋が凍りつく。
そして、
「やっ、止めて!」
着ていたシャツのボタンに手を掛けた正人が力任せに引っ張ると、ボタンが取れて床に飛び散る音が響く。
「黙れ!」
「嫌ぁっ!」
そして、中に着ていたキャミソールとブラジャーを捲り上げられて露わになった胸に彼の手が触れ、強引に揉みしだかれる。
「痛いっ! 止めてって!」
「うるせぇって言ってんだろ!? 黙ってろ!」
「ッ!!」
必死に抵抗を試みたものの再び殴られた私は恐怖で気力を失い、まるで感情を失くした人形のように無抵抗となって、怒りと欲望溢れた正人に無理矢理犯された。