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#永遠亭
因幡ぽかり@投稿サボり魔
201
ゆず
51
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#推しがたくさんいる人が嘆きます
妹紅は、膝をついたまま動かない。
炎が、ゆっくりと揺れている。
「…..見えた」
小さく呟く。
こいしが、すぐそばに座る。
「思い出した?」
妹紅は目を閉じる。
断片が繋がる。
白いリボン。
炎の中で笑う少女。
人里の外れ。
燃えかけた小屋
あの日。
「….. あいつは」
喉が震える。
紫が静かに見守る。
永琳も口を挟まない。
霊夢が低く言う。
「無理しなくていい」
妹紅は首を振る。
「違う」
炎が、強く燃える。
「思い出さなきゃいけない」
景色が変わる。
–過去。
まだ幻想郷が今ほど安定していなかった頃。
境界は曖昧で、消える妖怪も多かった。
妹紅は、ある少女を拾った。
存在が薄く、誰からも認識されない子。
「…..名前は?」
少女は困ったように笑った。
「わかんない」
だから、妹紅は言った。
「じゃあ、私が呼ぶ」
その瞬間、炎が優しく灯った。
“アカネ”
口に出しかけて、止まる。
妹紅の目が見開く。
「違う….. それは仮の名だ」
永琳が小さく頷く。
「“仮名”は固定にならない。本当の名が必要」
こいしが微笑む。
「本当の名前、聞いたよ?」
妹紅の胸が締めつけられる。
あの日。
少女は言った。
「わたしは、“余白”なんだって」
幻想郷が成立する前。
境界が整理されるとき。
「曖昧すぎる存在」は削除対象になった。
その一つが、彼女。
だが完全には消えなかった。
“誰かが覚えていたから”。
妹紅の炎が爆ぜる。
「…..そうだ」
目から涙が落ちる。
「お前は、空白じゃない」
白い少女が、ゆっくりと妹紅を見る。
半透明だった体が、少し濃くなる。
「思い出してくれた?」
妹紅が立ち上がる。
「まだ全部ゃない」
だが、もう確信している。
「お前は、“幻想郷が完成する前に捨てられた存 在”だ」
紫が静かに言う。
「正確には、“余剰概念”」
霊夢が眉をひそめる。
「難しい言い方やめて」
永琳が説明する。
「世界が安定する際に、整合性を取るため消され た存在。だが、完全削除には失敗した」
魔理沙が呟く。
「バグみたいなもんか」
こいしが首を傾げる。
「でも、生きてるよ?」
妹紅が少女に近づく。
炎が優しく揺れる。
「約束した」
少女が震える声で言う。
「忘れないって」
妹紅は、はっきりと言う。
「忘れない」
その瞬間。
記録庫の奥から、低い振動。
ドン、と地面が揺れる
紫の顔が除くなる。
「本体が動き出した」
永琳が目を細める。
「“整合化装置”が再起動したわね」
妹紅が振り向く。
「何だそれ」
「世界を安定させるため、余分を消す機構」
つまり。
少女は“誤差”。
そして再び、削除が始まる。
少女の体が、また薄くなる。
だが今度は違う。
妹紅の炎が、少女の体を包む。
「私の記憶は消えない」
炎が安定する。
削除波が、弾かれる。
紫が驚く。
「…..蓬莱の記憶固定」
永琳が静かに言う。
「不死は、世界の整合より優先される」 魔理沙が笑う。
「やっと突破口だな」
こいしが、にこっと笑う
「だから言ったでしょ。消えないって」
「だから言ったでしょ。消えないって」
少女が、はっきりと姿を持つ。
まだ完全ではない。
だが、顔が見える。
優しく、儚い。
妹紅が、ついに言う。
「お前の本当の名前は–」
空間が震える。
地下のさらに奥から、巨大な存在の気配。
“根源記録域”が開き始める。
紫が低く言う。
「次で決めないと、幻想郷そのものが揺らぐ」
妹紅の目に迷いは無い
「終わらせる」
炎が、白く燃え上がる。
少女の名前は、あと一歩。
物語は、決戦前夜へ。
–続く。
コメント
3件
第3話、読み終えました。「余剰概念」という設定がとても面白いですね。世界を安定させるために消された存在が、誰かの記憶によって生き残る——この構造に心を掴まれました。妹紅の炎が削除波を弾くシーンは特に熱かったです。不死が世界の整合より優先されるという世界観の整合性も見事です。名前が明かされる次回が待ち遠しいです。