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なぜかもやもやする。僕は朝食に行く途中で考える。もう一人の僕がささやく。「兄が、ミラルが帰ってきたから。違うか?」「違う!」心のなかで僕が叫ぶ。違う違う違う!絶対違う!「本当に?」もう一人の僕が言う。今度ははっきりと。本当はわかってる。図星だって。当たってるって。でも認めたくない、認められない。あぁ本当に..嫌だ。
「兄さま、マラリ兄さま?」
「ベルン…」
「はいっ!」
可愛らしい薄茶色の白といっても過言ではない目、クリーム色の白っぽい髪、日焼けをしない白い肌。幻かと疑ってしまうほど白いその人もいずれは皆、僕ではなくミラルのところに行ってしまうのだ。ならば、仲を作る必要もない。そんなことない!僕は叫ぶ。危ない、取り込まれるところだった。
「お兄さま?」
不安そうな瞳が僕を見つめる。はっとした。僕がマラリの人生を変えればいいんじゃないか。名案だ。どうして今まで気づかなかったのか不思議なくらいだ。さーてこうと決まれば実行だ。
「どうしたのベルン?」
「!んん」
「?」
「あのね!そのね!…」
恥ずかしがって言わないベルンに僕は言ったら。
「何でもいいよ!付き合ってあげる」
ちょっと上から目線だったかな?何で僕は気にするけどベルンが気にしていないみたいだったからオッケー!
「ほんと!」
「ほんとほんと」
「じゃあセックスして!」
「ん、………?」
セックスという言葉とキラキラと輝く星のような笑顔が噛み合わず一瞬フリーズした。
「え…….?」
今なんてセックス?気のせいか「セックスして!」……..。
現実は無情だということを無邪気でゆえにぶつけてくる弟を僕は見た。その上で言う。
「どうしても?」
「うん!ぼく、マラリお兄ちゃん大好きだもん!」
このマラリお兄ちゃんがマラリのこもを指しているのか僕のことを指しているのかによって結構変わってくる。とりあえず今日は、例のアレですまそう。
「うーん、ベルンは今何歳?」
「9才!」
「なら、あと7年、だから16才になったらセックスしてあげる♡」
「分かった、絶対おとして見せるから♡」
その時のベルンの目が獲物を狙う獣だったことを僕は見ないフリをする。
「これは二人だけの秘密、だよ」
「二人だけの…秘密…」
「うん」
「うん!」
この事をまわりに言われては困る。でもこれでベルンとの仲は大丈夫そうだ。安心、安心、だよ…ね?