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【嫉妬大作戦、再び】
スタッフ一同は、悩んでいた。
「……前回、確かに怒られた。けどさ、あの滉人くんの“スッ……”て怒る顔、もう一回見たいって声が、視聴者からも届いてるわけじゃん?」
「需要があるんだよね。怒り滉人。っていうか、元貴くんが滉人に“怒られ顔”してるの、何あれ、地球守れるくらい可愛かった」
「というわけで、リベンジ作戦だ。今回は、二段構え」
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【作戦その1:わざと水をこぼして拭く作戦】
撮影休憩中、若手スタッフ(20代前半・体育会系・演技はまあまあ)が、わざとらしく近づいた。
「も、元貴さんっ、すみません!! あっ、あああ……っ!」
バシャッ!
ペットボトルの水が、元貴のシャツの胸元にこぼれた。しかも、いい具合に肌に透ける。
「あ、ごめんなさいっ、すぐ拭きます!」
タオルで慌てて拭く、しかし拭く位置が――下すぎる。ギリッギリのライン。
元貴「えっ、あ、ちょっと……そこえ……っ……!!」
(※顔真っ赤)
──そしてその瞬間、現れる滉人。
スッ──……とスタッフの腕を取って、止める。
「……俺がやる」
小さく一言だけ。それ以上何も言わず、じっとそのスタッフを見下ろす滉人。
怖い。
静かに、真顔で怒っているのが、逆に怖い。
スタッフ(2秒で泣きそう)
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【作戦その2:振り向きざま、ほっぺチュー】
その後、元貴が控室から出てきたところを、若手男子ADが背後から走って接近。
「もーとーきさーん♡」
「えっ、なに?――んっ!?!?!?!?」
チュッ!
完全に狙ってやってる軽いキス。でも、元貴の驚きは本物。
「ちょ……なに、え、ちょ、えぇえええ!?!?!?」
その顔のまま、後ろを振り返った瞬間――
滉人が立っていた。
顔、完全にノーリアクション。
目元だけ、めちゃくちゃ怒ってる。
元貴、震える。
「わ、若井、あの、これ、誤解で、いや、ほんとに、えっと、その……!」
「……説明は、夜でいいよ」
冷静な声に、元貴は完全に沈黙。ADは、その場で死んだふりをした。
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【夜のおしおきタイム】
「もとき、今日はどこが一番、触れられて恥ずかしかった?」
「っ……!ち、違うって、あれは事故で……!」
「じゃあ、事故の話、もう一回再現してみようか?……俺が、もっと丁寧に、ね」
滉人は、そう言ってゆっくりと元貴の腰を抱き寄せた。
スッと耳元に口を寄せ、ささやくように。
「“透けてたシャツ”、可愛かったよ。ちゃんと見てた。下まで」
「わかい……それ、ずるい……やめてってば、ほんと……」
「だめ。今日は俺が“全部やり返す番”だから」
ゆっくり、真顔で、でも言葉は甘く――
その夜、元貴は笑われながら何度も「ダメ」「恥ずかしい」と言うことになった。
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【翌朝:復活したスタッフ、再び撃沈】
「おはよー……って……っ」
現場にふらっと現れた元貴。髪はきれいに整っているが、どこか動きがぎこちない。
歩き方が……ゆっくり。腰をかばってる?
「あれ……今日の元貴くん、色気すごない?」
「ていうか……シャツ、ちょっと首元開いてない……?」
「ひろとくんの“罰”の跡じゃ……」
ざわざわするスタッフたち。そこへ滉人が追いかけてやってくる。
「……昨日みたいなマネ、次やったら、さすがに出禁ね」
笑顔で言ったその一言に、全員白旗をあげた。
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【まとめ:スタッフ反省(?)会議】
「もうやめよう……ほんとに命が足りない」
「でも、あの二人がイチャイチャしてるとこ見たいよね……」
「じゃあ……今度は元貴くんの可愛い寝顔をこっそり撮る作戦とかどう?」
「ダメ。絶対また滉人くんが制裁してくる」
「……でもその制裁、また元貴くんがとろとろになるんでしょ?」
「それは……見たいかも……」
スタッフの戦い(という名の萌え探求)はまだ終わらない。
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