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──場所は外。昼過ぎの静かな公園裏。ネグは久々に、すかーと夢魔の前に姿を現していた。
すかーは腕を組み、目を細めたままネグを見下ろしていた。
その視線には、昨日のことも一昨日のこともすべて許さないという強い怒りが込められている。
夢魔は横でため息をつきつつ、目を逸らしながら呟いた。
「あの後……うん、ヤバかったよ……。」
その言葉に、ネグは少しだけ気まずそうに視線を落とした。
──そして、いつものようにまた逃げるタイミングを伺い始めた、その時。
ネグはふと自分の靴紐がほどけていることに気づいた。
(あ……結ばなきゃ。)
しゃがみ込んで靴紐を結び、立ち上がったその瞬間――
目の前にはすかーがいた。
「……!」
ネグは咄嗟に言葉が出た。
「きもい! やだ!」
そう言って、反射的にすかーの下半身に手を伸ばし――
ギュッ――。
「ッッッッッ!!!!!!」
その場に、またあの鈍い呻き声が響いた。
すかーの顔が真っ赤になり、歯を食いしばって膝から崩れ落ちた。
「……っ……お前……っ……なんで……ここばっか……!」
すかーは地面に手をつきながら、どうにか耐えようと必死だった。
だがその顔は汗で濡れ、額には血の気が引いている。
夢魔は慌てたように叫んだ。
「やめてやれ!! 離せ!!」
ネグは一瞬状況がわからず固まっていたが、夢魔の声でようやく手を離した。
すかーはそのまま地面に横たわり、唇を震わせながら、
「なん、で……ココだよ……ッ……」
声にならない声を漏らしていた。
夢魔は眉をひそめ、深くため息をつきつつ、ネグを睨む。
「……マジで、加減しろって……。」
ネグは「ごめん……」と小さく謝りながらも、靴紐を結び直し、逃げる準備をしようとした。
だが。
結び終わった瞬間、バランスを崩し、足元がふらりと揺れた。
「……わ、やば……!」
そのまま倒れそうになったネグは、近くにいた夢魔を咄嗟に掴んだ――つもりだった。
だが掴んだのは、夢魔のズボンの腰部分。
そのまま――ズルッ、と。
夢魔のズボンが一気に下までずれてしまった。
「……ッッ!? おいッ!」
夢魔が顔を赤くしながら声を荒らげた瞬間、ネグはそのまま前のめりに転んだ。
「いたぁ……!」
ネグは手をつこうとしたが、そこでさらに――
何か、硬いものを握ってしまった。
「……?」
だがそれは、ただの石ではなかった。
「……ッッッッ……!!!」
今度は夢魔が苦しみ出した。
ズボンがずれていたそのままの状態で、ネグが偶然にもまた――よりにもよって――
夢魔の最も繊細な部分を握ってしまっていたのだ。
「ッッ、はああああああ……!! やめろ!!」
夢魔は顔を真っ赤にしながら、腰を折り曲げるようにして地面に崩れた。
ネグはようやくその事態に気づき、慌てて手を離した。
「ごめんっ……! ほんとに、ごめん……!」
ネグはそのまま転がるように後退し、その場から走り去った。
──その後。
再びレイの家。
ネグは顔を伏せたまま、レイにすべてを話していた。
話を聞いたレイは、唖然とした表情のまま、頭をガシガシと掻いた。
「流石にここまで間違えるか……?? 普通……」
その言葉に、ネグは何も言えず、ただ膝を抱えたまま、黙っていた。
──そして公園裏では。
すかーはまだ地面に座り込み、顔をしかめたまま息を荒くしていた。
「……ッ、もう……あいつ……ほんとに、勘弁してくれ……」
夢魔は横でズボンを直しながら、顔を真っ赤にしたままため息を吐いた。
「……なんで、毎回そこなんだよ……」
二人の声だけが、夕方の公園裏に静かに響いていた――。