カツン、、、此奴が立てる独特な足音は俺の精神を逆撫でしているのではないかという程嫌な音だ。其れに、聞き飽きたのかも知れない。太宰が俺の部屋に来る時は大体文句や失敗談だけ聞きたくも無い事を何10分も聞かせれられるのだから骨が折れる。でも、話した後はさっさと帰って行く。元より太宰が好きな電子盤等が無い俺の部屋は居心地が悪いのだろう何時もなら来るな、とか思って鍵を閉めるのだがピッキングが得意な太宰には鍵を解除する事等造作も無いらしい、直ぐにズケズケと入ってくるのだから意味がない。不本意だが部屋を開けて置くしかないのだ。ガチャリと今日も昨日と同じようにドアを開けてくる。
太宰は、今日も善く話す。蟹を食べに行ったら店が閉まってたとか池に包帯を落としたとかしょうも無い事をスラスラと話して行く。如何してこんなにも話題が続くのだろうか、そして最後に何時もと変わらなく見える声音で「マフィアを辞めようと思う。」と、云って来た。戸惑いを隠して、、、否隠し切れてはいないだろうが「そうか」とだけ云い放った。そして最後なら聞いても善い気がして自分を落ち着かせる為にも何か云いたくて「太宰は俺に失敗談だけ話すよな何で何だ?」と聞いてみた。聞いても如何しようも無いが返事は直ぐに来た。「私ってそんなに失敗談って有る?」と恍けた後「なんでだろうね、何か中也は話し易いんだよね私の狗だからかな?其れに____ううん矢っ張り何でも無い」其れだけ云って太宰は帰って行った。何処へ行くのかは俺には判らない。言葉の続きは教えて呉れないのか、、、何故だろうな、何か少し本当に少しだけ____悲しい。
太宰が帰った後扉が閉じるのを確認すると何故か込み上げてくる物があって胸が熱くなって来た。頬を伝う水で自分が泣いている事を自覚するとより歯車に勢いを付けるかの様に涙が出て来た。そして気づいてしまった。俺は太宰に何処にも行って欲しく無いのだと、この日常を守りたかったのだと、太宰が好き何だと気づいた。でももう遅い。時既に遅しとはこの事か、何か笑えてくる。この気持ちに気づいたのなら今直ぐに太宰を追いかけたい。一緒にずっと居たい。でも其れを求めるのは俺だけ決めるのは太宰だ。俺は其れに左右されるだけの“人間“嗚呼今なら判る。太宰が俺に失敗談ばかり云っていた理由。太宰がマフィアを抜ける理由。そんな事判ってももう遅いもう遅いんだ。太宰の人生なのだから俺は関係ない。そう俺は関係無い。
中也に話した。此関係ももう終わり。織田作を私は優先したのだから。ケジメを付けなければ、、、さようなら、中也2度と会わない事を願うよ。もう2度と君の事を愛さない事を願うよ。その白い肌も、蒼い眼も全部全部忘れる事にするよ。さようなら何て云って又会う何て許されないから中也の人生だものしょうがないよ私は大丈夫。大丈夫だよ。でも、、、又会えたら、なんてね
「こりゃ最高の眺めだ100億の名画にも勝るぜ」髪の毛伸ばしたのだね。其れも似合ってるなぁ本当見た目だけは善いんだから。4年ぶりにやっと君の声が聞けるんだ。少しはマシな事云ってよね私の計画に、嫌がらせに、狂いは無いんだね。まぁ私だから失敗何てしないよ‼︎其れにまんまと引っかかっちゃう何てふふふ相変わらずだなぁ中也は。でもそんな所も、、、駄目だな私。又、中也を愛してしまうなんて。でも、君といる時間が1番楽しいんだよ?1番私が本当の私で居られる時間何だよ?そんな時間を無くさなくても善いでしょう。想う分には善いでしょう?
誰にも需要無し全話まとめです。取り敢えずあげとく