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junp_Sn-Fk.
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fura
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番外編(ちょっと長めです)
mg.side
雨は朝から静かに降り続いていた。
庭の紅葉は濡れて色を深め、軒先から落ちる雫が一定の調子で石畳を叩く。
こんな日は、屋敷の中まで空気が重い。
いつものように書院へ向かう途中だった。
廊下ですれ違う使用人 たちがどこか落ち着きがない。
「どうした」
「…奥様が、お部屋から出てこられなくて…」
その一言に足が止まる。
「熱か」
「いえ、熱はないようなのですが、頭痛が酷いと….。」
そのことを聞いて、少し胸がざわついたような気がした。
だか、何も言わずそのまま離れへ向かった。
障子を静かに開ける。
部屋は薄暗く、雨音だけが聞こえていた。
布団に横たわっていた阿部がゆっくり目を開ける。
ab「あ、旦那様….」
「起きなくていい」
起き上がりそうになった阿部を制止して枕元に腰を下ろす。
「医者は?」
ab「大丈夫です。
昔から雨の日は、こう言うことがあって…」
低気圧になると決まって頭が重くなり、体に力が入らなくなる。
特に、今日は酷かったらしい。
ab「すみません…」
「謝ることじゃない。」
短く返事をしてから、額に手を当てる。
熱はないようだ。
少し安心して、手を離そうとしたその時だった。
ab「あの….。」
阿部が小さく呼ぶ。
「何 」
言葉が続かない。
恥ずかしいのか、視線を布団へ落としたまま指先を握る。
ab「今日は、少しだけ、甘えてもいいですか….」
阿部は耳まで真っ赤にしながら、小さな声で続けた。
ab「手を…握って、ほしいです….」
静かな雨音だけが2人の間を満たした。
一瞬だけ目を伏せる。
そう言う願いを向けられたことに、まだ慣れていない。
だけど。
ぎゅっと阿部の手を握り返す。
「…これでいいのか」
少し冷えた指先。
阿部は恐る恐る握り返した。
その温もりに、張り詰めていた身体から少しずつ力が抜けていくような気がした。
ab「ありがとう、ございます。」
弱々しくいう言葉に同情したのだろうか。
なぜかはわからないが。
この手を離したくないと思ってしまった。
しばらくして。
「少し、楽になったか。」
ab「はい…」
阿部は目を閉じたまま微笑む。
ab「旦那様の手、あったかいです。」
「そうか」
ab「安心します。」
その一言に、どう答えればいいか分からなくて答えを探すように黙り込む。
「…安心できるなら。」
握る手に、ごく僅かだけ力を込めると、阿部は気づいたのかふふっと小さく笑う。
ただ、その温もりを大切にするかのように手を握り返した。
外では相変わらず雨が降り続いていた。
静かな部屋の中で、二人の手だけがそっと触れ合っていた。
ab「…旦那様」
「なんだ」
ab「眠くなってきました…。」
「寝ろ」
ab「….手、このままでもいいですか。」
突然の言葉に少し戸惑う。
どう、返したらいいか分からない。
「…寝返りも打てないだろう。」
ab「少しの間だけ…」
その弱々しいお願いに、小さく肩を落とす。
「…仕方ない。 」
ぶっきらぼうに言ってしまった。
でも、なぜか、手を離そうとは思わなかった。
阿部は安心したように目を閉じた。
「おやすみなさい。」
返事は、しなかった。
けれど、阿部が眠りにつくまで。
その手はずっと離さなかった。
_fin
コメント
7件
ツンデレだけど優しいめめ……

うー🥰 ぶっきらぼうな🖤 照れながら小さなお願い💚 静かにすぎる時間読んでて落ち着きます☺️