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きょもじゅり
樹「」 きょも『』
樹side
おれ、田中樹はメンバーの京本大我と付き合ってる。
きょものことがずっと好きで好きでたまらなくて、一か八かで告白したら付き合えた。付き合えたってことは、きょもも俺のことが好き…のはずなんだけど…
付き合ってから1度も、きょもから”好き”を言われたことがない気がする。
「きょもぉ、好きだよ」
『ありがとう。俺もだよ』
”おれも” 。いつもこの言葉。”好き”は言ってもらえない。大丈夫、分かってるよ、ちゃんと。きょもも俺のことが好き。でもさ、やっぱり1回でも口にしてもらわないと、不安になってしまうんだよ。おれ、嫉妬とかしないタイプだけど、それとこれとはまた別じゃん?
でも、お互いに性欲は溜まるわけだから、付き合ってるだけあってやることはやってる。俺が下。
「あっ、きょもっ、好き、好きぃ、!ひ”ぅっ〜〜〜っっ!!」
『はっ、おれも、!っっ』
ほら、また言ってくれない。
なんで?俺のこと、もう好きじゃなくなった?まぁそうか、男だもんな。ずっと一緒にはいられない。そんなの分かってる。
…あれ、そういえば、”付き合おう”なんて、言ったっけ、俺。
「きょもっ、ごめん、好きだよっ、好き。ごめん、好きになってごめんなさいっ、」
『どうしたの、樹、泣かないで。俺もだよ、俺も樹と同じ気持ちだから、泣かないで、』
「あぇ、?ぅそ、ほんと、?」
『うん、ほんと。だから泣き止んで。』
「ぐす、ありがとぉきょもぉ」
『ふはっ、泣きすぎ笑』
思い出した。あのとき、俺どうしても気持ちが抑えきれなくなって、泣きながら好きって言ったんだ、OKされると思わなかったから、付き合おうなんて言ってないし、言われてない。泣いた俺をなだめようとして、きょもから好きすら言われてない。
「あれ、なんだ、俺、もしかしてセフレ、?」
もしかしたらきょもは俺を泣き止ませようと、これからの仕事が気まずくならないように”俺も同じ気持ち”なんて言ってくれたのかもしれない。セフレ。自分でその言葉を口にした途端、なぜか心にストンと落ちてきた。
なんだ。そういうことか。セフレだから、好きって言ってくれない。なんだか妙に納得した。けど、それと同時に涙も溢れてきて。
「ぐす、好き、なのになぁ、俺だけかぁ、」
溢れた涙は自分で拭うこともせず、床にポタポタと落ちていくだけ。
…迷惑だっただろうな。好きでもないやつから泣きながら好きって言われて。しかもそれが男で。メンバーで。気持ち悪いよな、普通。
「…終わらせないと、」
ふと、そう思った。きょもは俺がきょものことを大好きってこと知ってる。でも優しいから、なかなか終わりを切り出せない。自分でちゃんと終わらせないと、多分一生この関係をグダグダ続けることになる。
よくよく思い出してみると、きょもが泊まりに来る時はいつもヤッてる。仕事の都合とかもあるかもだけど、基本うちに来るのは夜。昼から一緒にいることはそうそうない。ヤッた次の日、朝目が覚めると隣に温もりがないなんてこともしょっちゅう。
…なんだ、まじのセフレじゃんか、俺。なのに”付き合ってる”とか、”きょもはちゃんと俺のこと好き”とか。何を根拠にそう思っていたのだろう。向こうからしたらただただ迷惑極まりない。ホントにやばいやつじゃん。
けど直接別れを切り出す勇気は、俺にはない。だからメッセージで、端的に。
“「もう、仕事のとき以外で会うのやめよう。」”
泣きながらそれだけを打ち込み、送信して、ベッドに身を放り出し、眠りにつく。大丈夫。目が覚めたら、告白する前の関係にもどってるはず、だから、…
きょもside
俺は樹と付き合ってる。
あの日、泣きながら俺に思いを伝えてくれたとき、すっごい嬉しかった。だって、ずっと好きだったから。でも変なところで素直になれない俺は、”俺も同じ気持ち”だなんて、言葉を濁して、好きを言えなかった。行為中のときだって、樹はありのままをさらけ出しながら好きって言ってくれる。普段過ごしてるときも。でも俺はいつだって”俺もだよ”なんて言葉しか返せない。樹はその度に嬉しそうな、でも少しどこか寂しそうな顔をする。でも樹は多分、俺の気持ちを分かってる。俺の好きは多分樹に届いてる。
だから多分、油断してたんだと思う。樹が俺から離れるわけないって、勝手に思い込んでた。まさか樹から”会わない”なんて、言われると思ってなかったから。
“「もう、仕事のとき以外で会うのやめよう。」”
『…え、?』
なんで?俺の気持ち、樹に伝わってなかった、?いつも俺に好きって言ってくれるじゃん、あれは全部嘘だったの、?何がいけなかった?どうすればいい?どうすれば樹は許してくれる?どうすれば、
…いや、うだうだ考えるのはやめよう。とりあえず樹のところに行って、樹の気持ちちゃんと聞いて、それで、…
…行って、どうする?聞いてどうする?もしかしたら樹は、もう俺のことなんか好きじゃなくなってたら、…いやだ、そんなの絶対。…もしかして、不安にさせてた、?…そうじゃん。気づいていたのに。俺から好きって言ってもらえないこと、気づいて、傷ついていたはずなのに。全部全部、俺が悪い。
…ていうかそもそも、
『”会うのやめよう”って、何?』
”別れよう”とかならまだ分かるけど、いや分かりたくないけど、どういう意味?なんで遠回しに言ってるの、?…分からない。そんなことを言われたショックやらなんやらで、いろんな感情が絡み合ってる。考えても考えても答えは見つからなくて。本人に聞くしかない。…もし会って”別れよう”なんて言われたりしたら、おれ、樹をどうにかしちゃうかもしれない。
…だからさ樹、
『会わないなんて、言わないで…』
行って話し合おう。樹の思い、全部受け止めるから。だからおれの話も聞いてね。
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Part2に続きます!それではさよーならー