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#監禁パロ
雪だるまひとひと💙
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💛side
瞼が、ゆっくりと開く。
黒い瞳が、小さく揺れた。
焦点が合わないまま天井を見つめていた視線が、少しずつ横へ動く。
そして。
俺で止まった。
💛「辰哉……!」
喉の奥から声がこぼれる。
握っていた手に力が入る。
温かい。
ちゃんと、生きてる。
その事実だけで、胸がいっぱいになった。
辰哉は酸素マスク越しに何か言おうとしていた。
声にならない。
苦しそうに息を吸う。
俺は慌ててナースコールを押した。
廊下から慌ただしい足音が近づく。
医師と看護師が病室へ駆け込んできた。
「目を覚ましました!」
「先生を!」
何人もの人が辰哉を囲む。
俺は部屋の隅へ下がるしかなかった。
それでも。
辰哉は一度だけ俺を見た。
確かに目が合った。
その瞬間。
心の底から思った。
よかった。
本当に、よかった。
三日後。
辰哉は一般病棟へ移った。
まだ自由には動けない。
でも意識ははっきりしている。
俺は毎日病室へ通った。
朝。
昼。
夕方。
面会時間ぎりぎりまで。
それが当たり前になっていた。
ドアをノックする。
💛「入るぞ」
カーテンの向こうで、小さな声が返る。
💜「どうぞ」
その声を聞くだけで安心する。
今日も生きてる。
今日も会える。
それだけでよかった。
窓の外では、小さな雪が降っていた。
静かな病室。
テレビは消えたまま。
聞こえるのは機械の音だけ。
ピッ…
ピッ…
ピッ…
💛「退屈?」
💜「少し」
💛「ゲーム持ってこようか」
💜「先生に怒られる」
💛「じゃあ漫画」
💜「それなら読む」
少し笑う。
夢の中と同じ笑い方。
それが嬉しくて、俺も笑った。
でも。
どこか違う。
何かがおかしい。
会話の途中で気づいた。
💜「照」
💛「ん?」
💜「高校って、どこ受かった?」
心臓が止まりそうになった。
💛「……え?」
💜「俺さ」
困ったように笑う。
💜「事故の日までは覚えてるんだけど」
💜「そのあとが全然なくて」
息が詰まる。
💜「三週間寝てたんだよな」
💜「その間、何かあった?」
何かあった?
違う。
あったなんてもんじゃない。
一年あった。
一緒に入学して。
隣の席になって。
夏祭りへ行って。
文化祭で笑って。
観覧車に乗って。
告白して。
恋人になって。
好きだと何度も伝え合って。
全部。
全部あった。
でも。
辰哉の瞳には、その記憶がひとつも映っていなかった。
💛「……何も」
その一言を絞り出す。
💛「寝てただけだよ」
初めて。
辰哉に嘘をついた。
辰哉は安心したように笑う。
💜「そっか」
その笑顔が、どうしようもなく遠かった。
💛side
帰り道。
病院の自動ドアが開く。
冷たい風が頬を撫でた。
夕焼けだった。
夢で何度も見た色。
涙が勝手に落ちる。
なんで。
なんで俺だけなんだ。
辰哉は生きてる。
それだけで十分なはずなのに。
欲張ってる。
分かってる。
それでも。
あの一年を。
俺だけが覚えているなんて。
あまりにも残酷だった。
翌日。
病室へ入る。
辰哉は窓の外を見ていた。
💜「照」
💛「ん?」
💜「最近さ」
ゆっくり振り返る。
💜「夢を見るんだ」
胸が強く脈を打つ。
💛「……どんな」
💜「誰かと笑ってる夢」
💜「すごく幸せなのに」
💜「起きると全部消える」
呼吸が止まる。
💜「顔だけ思い出せないんだ」
思わず目を閉じた。
あと少し。
本当にあと少しだった。
夢の世界では。
隣で笑っていたのに。
恋人だったのに。
手を繋いでいたのに。
今は。
目の前にいる辰哉は。
何も知らない。
💜「変な夢だよな」
そう言って笑う。
俺は笑えなかった。
病室を出る直前。
辰哉が俺を呼び止めた。
💜「照」
💛「ん?」
💜「また明日来る?」
その一言だけで。
涙が込み上げる。
💛「……行く」
💜「約束?」
夢の中と同じ言葉。
夢の中と同じ笑顔。
でも。
その意味だけが、もう違う。
💛「約束」
そう答えた俺だけが知っている。
この約束を。
俺たちは一度。
恋人として交わしていたことを。
辰哉だけが。
何も覚えていなかった。
コメント
6件

つらーい 夢の中で育まれていった気持ちは本物ですよね? ふっかさんも何か引っかかってるし きっと大事なこと思い出しますよね😭
えこれ💛と💜が恋人っていうことを、💜さん覚えてない…?
へぇぇ😭 たっちゃーん😭😭