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図書館にも、病院にも行かなくなって今日で一週間が経つ。
居場所がなかったが、図書館に行きたいとは思わなかった。
一日をぼーっと過ごすことが増えてしまった。
授業中に、当てられても、ぼーっとしていて、先生に怒られることも度々。
授業が終わったあとに先生に呼び出されたくらいだ。
俺が答えられない問題はあまりないが、先生の今日の「何かあったのか?」という質問には答えられなかった。
俺、何かあったのかな。実際、美央は赤の他人。
全く知らなかった人なのに、その人と話さなくなっただけで、こんなにも大きい穴が俺の心には開いてしまうのか。
次の日、俺は久しぶりに図書館に行った。
なぜか無性に行きたくなった。
すると、いつも通り、美央が椅子に座って、本を読んでいるのが見えた。
だけど、びっくりするぐらい外を眺めていた。
そんな美央に俺は話しかけられなかった。
俺に嘘を付くなと言ったあの日のことが頭から離れない。
じゃあ俺は、美央に嘘をついたことはなかったのだろうか。
そもそも、俺が美央に言った言葉は、すべて俺の本当の気持ちだったのだろうか。
俺は美央を見ていられなくなった。
やっぱり、まだ俺は俺自身と向き合う必要がある。そう思った。
走ってはいけないと怒られたが、お構い無しに俺は走って図書館を出た。
そして俺は次の日、学校を休んだ。
先生に心配されたくもなかったから。
図書館にも、病院にも行かなかった。
ただ、自分の部屋でずっと空を眺めていた。
そうすれば、誰かが俺に気づいてくれる気がした。
でも、俺が思っているほど世界は、世の中は、家族は優しくない。
次の日も俺は学校を休んだ。
その日は、隣町の図書館に一人で出かけた。
もちろん、知っている人はいなかった。
久しぶりに、安心して本を読むことが出来た。
これから、俺と美央の関係は崩れていく一方なのでしょうか?