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俺はある日、図書カードをずっと図書館に忘れていることに気づいた。
個人情報とか書いてあるし、今日取りに行こっかな。
そんな事を思っていた。
すると、家のインターホンが急になった。ピーンポーン
「はーい」
扉を開けると、目の前には、いつもと違う真面目な顔をした、美央が立っていた。
「これ。渡しに来た。」
そう言って差し出してきたのは、俺が今日取りに行こうとしていた個人情報がたくさん書いてある、図書カードだった。
「あ。ありがとう。」
「ちょっと今日時間ある?」
「うん。あるけど。」
「砂浜公園に10時に来てほしい。話さなきゃいけないことがある。」
俺はなぜか、この回答を待っていた気がした。
「分かった。着替えてすぐ行く。」
「先に行ってて。」
「分かった。」
そう言って、一旦美央とは分かれた。
数分後、俺は砂浜公園に向かった。
ついたら、美央はベンチに座って、空を見上げていた。
俺は図書館に一人座っていた美央を思い出した。
でも、今回は呼ばれているから、話しかけないと、、、
そう思い、俺は美央に話しかけた。
「おまたせ。遅くなった。」
「大丈夫だよ?」
「で?話したいことって何?」
美央は俺の目をしっかり見ながら話し始めた。
「私、小児がんって言う、15歳未満の子供がなる、がんなの。ずっと、言わなきゃって思ってたけど、
言うタイミング失っちゃって、、、」
俺は少し強い口調で言った。
「二階堂さんは、最初俺が悠だと思っていなかった。だから、俺に今日は病院の日だと思うって言った。」
「二階堂さんに言われなければ俺はずっと隠されたままだった。」
「二階堂さんにはありがとう。だけど、美央の事を俺はまだ許せない。」
そう言うと、美央は唇を少し噛んだ。
そして、静かに話し始めた。
「そうだよね。分かってた。別に悠の事を信用していないわけでも、嫌いなわけでもない。だけど、私が悪いから。」
この空気に、俺はすでに耐えられなくなっていた。
俺はその後、何も言わずに公園を出た。
次、いつ美央に会えるのかはわからない。
もう、図書館に来てくれないかもしれない。
でも、俺は美央の事を許せなかった。
本音で話していると思っていたのは、俺だけだったみたい。
これから、美央と俺は、関係が崩れていく一方なのでしょうか。