これは、ある夏の日の悲しい出来事…
明日出す為の動画を編集していた時のこと
そばに置いていたスマホが鳴った。
キーボードを打つ手を止め、画面を見ると、そこには俺たちのリーダーの名前…と
『緊急会議。俺の家に集合』の文字
あまりに急だなと思いつつ編集ソフトを閉じてパソコンをシャットダウンさせ
家を出る支度を済ませた
…今思えば、この時点で違和感に気付いていればよかったんだ
数分後、なーくんの家に辿り着いた
インターホンを鳴らして数秒、目の前のドアが開いた
そのドアの奥には険しい顔をしたなーくん。
『上がって。もうみんな来てるよ』
表情だけでなく口調もどこか厳しい
「おじゃまします…」
なーくんの後ろを着いてリビングへ入ると、
メンバー4人がさっきのなーくんのような険しい顔をしてこちらを見つめていた。
つまり、俺のことを睨んでいた
「….ッ?」
状況が掴めず困惑しているところに、なーくんが口を開いた
『ねぇ、さとみくん』
「ん…ッ?」
『これ、どういうこと?』
そう言って突き出されたスマホには俺のTwitterアカウント
そして
メンバー1人1人、丁寧に書かれた悪口だった
「え…ッ?」
『ねぇ、これ、本当にさとみくんがやったの?』
そう問いかけてくるが、このピリピリとした空気、なーくんの口調、メンバーの視線。
みんな、俺がやったと思っているんだろう。
でも、絶対に俺じゃない。
画面に表示されているこのツイートが投稿された時刻は昨日の夕方
俺は昨日の夕方から夜までぶっ続けで実況を撮っていたんだ
Twitterどころかスマホを開いてすらない
それに何より、俺はこのグループが、
メンバーが、ころんが、莉犬が、るぅとが、なーくんが、ジェルが大好きで、
出会ってこの方、喧嘩はあっても嫌ったことなんか一度もない
これは、俺はどう答えるのが正解なんだ?
正直に否定するか?
誰も味方がいないこの部屋の中で…?
『ねぇさとみくん、どうなの…?』
なーくんの震えた声を聞くと、俺の体は咄嗟に
「俺が…やったよ…」
嘘を付いていた
あの後の記憶はほぼないに等しい
気付いたら自分の家のベッドで一人静かに泣いていた
『俺がやった』
そう嘘を付いた俺はすとぷりを脱退することになった
何も…
何も未練はないはずなのに、すとぷりとして、「さとみ」として活動していた日々を思い出しては
涙を流して、自分の腕にカッターを押し付け続けた
あの日、メンバーに裏切られ、メンバーを裏切ったあの日から約1ヶ月
俺の腕と足は赤黒いもので埋まり、睡眠薬も手放せない物となった
気が付いたらマイクからカッターに、カッターからナイフに持ち替えていた
ある日の夜、自然な眠りにつけなかった俺はいつも通り、睡眠薬の蓋を開けた
そうしたらふと、ある考えが頭に浮かんだ
「これ…」
「全部飲めば…」
「楽に、なる…?」
なぜ今まで気付かなかったんだろう?
こんなに身近に楽になる方法があったというのに。
俺は何ら抵抗もせず
そのまま…
意識を手放した
続き-青視点- ♡1000〜
コメント
54件
ブグマ失礼します。 続き待ってます!!