皆さんこんにちは!
それでは続きです。どうぞっ!
月島side
山口が気持ちよさそうに寝てから少し経っておばさんが戻って来た。
『蛍君、今日はもう遅いから家に帰った方が良いわ。』
時計を見れば夜10時を過ぎていた。
『でも、僕は山口のそばに居たいんです。』
『そう、分かったわ。でも全身びしょ濡れなんだから1回家に帰ってまた病院に来てちょうだい。』
『はい。分かりました。』
僕は兄ちゃんを呼んで急いで家に帰ることにした。
車の中
明光:『山口はどうなんだ?』
『意識は戻ったんだけど声が出ないって。』
明光:『そうか…….』
兄ちゃんはそれ以上話すことは無かった。
家の中
月島母:『蛍!!忠くんは!!』
『意識は戻ったよ。』
月島母:『そう、良かったわ。』
でも、山口が心配だから今日は病院に泊まりたい。と言うと、
『分かったわ。ご飯温め直しとくからその間にお風呂に入ってきなさい。』
と言い、母さんはご飯を温め直してくれた。
お風呂に入ってご飯を食べた後、明日の学校の準備と部活の準備をして兄ちゃんに病院に送って貰った。
明光:『じゃあ、何か忘れ物でもあったら俺に電話してくれ。すぐに来る。』と言って兄ちゃんは家に帰った。
山口の病室に行くとおばさんの姿が見当たらなかった。机の上に
『忠の荷物を取りに家に帰ります。忠の事よろしくね。 おばさんより』
と置き手紙があった。
僕は荷物を病室の端に置いて、ベットのそばにあったイスに座り山口の手を握るととても熱かった。山口を見れば顔は真っ赤で ハァ、ハァ と息苦しそうだ。僕はナースコールを押し、看護師を呼んだ。
すぐに看護師が来てくれて山口を見ると『熱、高そうね。』と言い体温計を取り出して山口の体温を測った。ピピピと電子音が鳴り表示を見ると『38.9℃』と表示されていた。
『とても高いわね。』と言って点滴や冷やすものなどを取りに病室を出ていった。
次看護師が戻って来た時にはお医者さんも一緒に来ており、山口を見て『長時間雨に打たれていた事もあるし外傷が酷くて高熱になったんだろう。』と言い、点滴の解熱剤を手際よく用意して頭、脇、足の付け根辺りを冷やしている。『とりあえずこれで熱が下がるはずだから、その間に君にも山口君の容態を伝えたい。』と言い、僕とお医者さんは病室の外の入口付近に移動した。
『まず、声が出ない原因について話そうか。山口君は強いストレスによる『心因性失声症』です。この症状はいつ治るかが分からない。でも強いストレスが無くして心のケアがちゃんと出来たら治る症状だ。』
『そして次に体の外傷のことについて。主に腹部と両肩の部分が酷いね。腹部は内臓の損傷があった。もちろんそこは手術で治ってはいるんだけど…….肩の部分は骨折に近いぐらい打撲していてね…….君たち烏野高校のバレー部なんでしょ?大会まで残り少ないけどそれまでに間に合うかがまだ分からない。熱も出ているから長引くかもしれない。大会までに治る確率は30%ぐらいになるかな。』
と言われた。お医者さんはじゃあ私は戻るけど、山口君に何か異変があればすぐに呼んでね。と言って病室を後にした。
僕は病室に戻り山口の隣に座った。山口を見て白鳥沢戦を思い出していた。山口は4セット終盤、そして自分が居なかった時活躍していた。
試合が終わり表彰式の前、トイレで僕に対して喝を入れてくれた。その他にも夏の合宿でなど、沢山の所で僕は支えられたし山口の武器でチームも支えられてきた。チームのみんなだって春高には山口が居ないとダメだと思っているだろう。烏野はチームが1人でも欠けたらダメなのだ。チームが全員居て初めて烏野なんだろうと思った。だから、『サーブしか無い』など言って欲しく無い。僕は、今は解熱剤が効いてきてスヤスヤと眠る山口の髪をそっと撫でた。いつの間にか11時半を過ぎて自分もウトウトしていた頃。おばさんが戻ってきた。おばさんは僕を見て『無理しないで寝ても良いのよ?』と言われて 『ふふっ(´˘`*)』と笑われる。ちょっと恥ずかしくなったので顔を隠すようにベットに顔を埋めた。そしていつの間にか僕は寝ていた。
『ん”…….ハァハァ…….う”っ、フゥ』
病室も廊下も真っ暗になった頃うめき声の様な声が聞こえ目を覚ました。いつの間にか眼鏡が落ちて周辺がよく見えない。しばらく辺りをキョロキョロしていると『う”っ、』と聞こえた。間違いない。この声は山口だ。すぐに落ちていた眼鏡を掛けて山口の方を見る。するとそこには吐き気に耐えている姿があった。僕はすぐにそばに置いてあった嘔吐しそうになった時のための容器を取って山口に渡す。その間におばさんも起きて『忠!忠っ!』とずっと名前を呼んでいる。山口は抱え込む様に容器を持ちずっと『う”ぇ…….』と声は聞こえるものの空嘔吐をしている。僕は山口の背中をさすって『山口、大丈夫だからね。』と言ってあげる事しか出来ない。一番辛いのは山口で大丈夫な訳無いのに…….と自分の無力さに情けないと思いながらただ、山口の背中をさすっていた。
続き♡2000
コメント
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もう辞めちゃったかな、、続き楽しみに待ってる!
続き気になります!
最高最高