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空間が静まり返る中、ミカエルとルシファーが対峙する。
タクトは二人の間に立つと、わずかに距離を取った。
「なんだよ、タクト。応援してくれないのか?」
ミカエルが冗談めかしてタクトを見た。
「お前たちの戦いに巻き込まれるつもりはない。俺の目的は、あくまでルシファーを倒すことだ。」
タクトは冷静に答える。
「なら、少し黙って見てろ。俺が相手してやる。」
ミカエルはそう言うと、空間に力をみなぎらせた。
「貴様が私に挑むとは、身の程をわきまえない愚か者だ。」
ルシファーは腕を広げ、暗黒の光を放つ。
「だが、その愚こそがお前の唯一の美徳かもしれない。」
ミカエルは軽く鼻を鳴らす。
「いいじゃないか、たまには昔話でも交えながらやろうぜ。」
そう言うと、光の剣を手にし、ルシファーへと突進した。
二人の剣が交差するたび、空間が震え、激しい閃光が四方八方に広がる。
「どうした、ミカエル。その程度か?」
ルシファーは余裕の笑みを浮かべながら、一歩一歩とミカエルを追い詰めていく。
「うるせえな、ちょっとウォーミングアップだよ!」
ミカエルは翼を広げ、再び空中へと舞い上がった。
「逃げるか?」
ルシファーが冷笑する。
「いや、準備だ。」
ミカエルが指を鳴らすと、周囲に黄金の光が満ち、無数の小さな剣が現れた。
「連撃だ。どんなに強いやつでも、数には勝てない。」
黄金の剣がルシファーに向かって一斉に放たれる。
だが、ルシファーは微動だにせず、腕を軽く振るだけで全ての剣を弾き返した。
「無駄だ。」
ルシファーが静かに告げる。
「マジかよ……!」
ミカエルの表情がわずかに歪む。
「だが、今のでわかった。」
ルシファーの表情が少しだけ険しくなる。
「お前の力、少し成長しているようだな。」
「それ、褒めてんのか? それとも挑発か?」
ミカエルが苦笑しながら剣を握り直す。
戦いの合間、二人の視線が一瞬交錯する。
「昔は、同じ理想を語っていたな。」
ルシファーが低い声で言った。
「ああ、だけど俺たちは道を違えた。それだけの話だ。」
ミカエルが答える。
「お前の選んだ道は、愚かだ。私のようにはなれない。」
ルシファーの目が鋭く光る。
「それでも俺は、あの時の俺を信じてる。だから、お前を止める。」
ミカエルが一歩踏み出す。
再び剣が交差するが、ミカエルは次第に押され始める。
ルシファーの一撃がミカエルの剣を弾き飛ばし、彼は地面に叩きつけられた。
「これが力の差だ。」
ルシファーが冷たく言い放つ。
「くそっ、まだ終わっちゃいねえ!」
ミカエルは立ち上がろうとするが、足元がふらつく。
「無駄な足掻きだ。」
ルシファーが剣を振り上げたその瞬間――。