テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
8,421
1,253
第5話 不覚にも。
行為が、終わった。
だらんとベッドに横たわった俺をまっすぐに見つめるオレンジがかった瞳が、どうしてか、
愛おしく見えた。
うり)大丈夫?身体、キツくない?
ヒロ)あー…うん…だいしょーぶ…
うり)にしても、さ、可愛いねやっぱり♡
ヒロ)…そ、そんなこと…ないし…//
初めてを奪われたが、想像よりも痛みはなく、
ただ快楽があるだけだった。
”愛”があったのかもしれないが、俺には愛が分からない。もらったことが無かったから。
うり)ヒロくんさー、どれくらいの歳になったら仕事やめようと思ってる?
ヒロ)…?
考えたことが無かった。
少なくとも30までは働けるのだから、と将来なんて考えていなかった。
うり)もしさ、そのときが来たらーー…
うり)身請け、してもいいかな?
ヒロ)は……ぇ?
この街で、身請けを申し込む。
それはプロポーズと同じ意味を持つ。
自分でも驚く程に、顔に熱が集まるのが分かった。
うり)ふは、真っ赤じゃん?かぁい、♡
ヒロ)…ッ!!
うり)これね、俺の連絡先。いつでもどーぞ。
ヒロ)…//
仕方ないので受け取る。綺麗な字で、電話番号とLI〇EのIDが書かれていた。
うりさんはそのまま、店まで送ってくれた。
俺はほとんど放心状態だった。
俺を押し倒した時の、嬉しそうな顔。
俺が乱れていくのを見る目は、とても愉快そうで、Sっ気に溢れていた。
その全てに、触れたいと思った。
綺麗な茶髪、長い脚、ばちばちと開いたピアスも。
白黒の世界に一瞬だけ、色がついた気がした。
ヒロ)…身請け、かあ。
なおきり)ヒロくん!おかえりなさい!
ヒロ)あは…ただいま。
どぬく)どうだったの?
ヒロ)ぁー…ぅん…良かった…かも…?
どぬく)!
なおきり)良かったじゃないですか!
どぬく)なんか放心状態じゃない?大丈夫…?
ヒロ)ぁ、うん…だいしょーぶ…だから…
うりさんは、確かにまた来ると言っていた。
そう思うと、身体に染み付いたカクテルの匂いも、好きでもない姫とのキスも、少しましな気がした。
いつもならすぐに捨てる連絡先も取っておいた。
⬇️
第5話 不覚にも。 終
急展開ですね( *¯ ꒳¯*)
ではまた、次回お会いしましょう!
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!