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もちろん俺は夢に出てきた女の子に見覚えはなかった。
名前は思い出せないし、どこかで会ったかもわからない。
でもなぜか、涙が止まらなかった。
目が覚めてもう一度日記を読む。
『3月5日 』
昨日は無かった日付に目を見開いた。
「え…なんで?」
とにかく、続きが気になった俺は日記を読み進めることにした。
『同じクラスの男の子、Y君と席替えで隣になった。
「よろしくね」と声をかけたけど、Y君は笑い返すだけで、少し悲しかった。
でも、授業では関わりが増える訳だし、こんなことでめげてる場合じゃない。
今日は勇気を出して、お昼ご飯を一緒に食べようと誘ったけど、Y君はいつもお昼ご飯を食べていないみたい。
どうしても一緒に話したくて、お弁当を作ってくるから明日から一緒に食べようと誘ったら、びっくりしてたけど、「いいよ」と言ってくれた。
接点を作れたことが嬉しい!
明日は何を話そうかな…』
2日目の内容は、1日目と合わせて健気な女の子の日記で。
きっとこの子はY君に恋をしているんだろう。
少し羨ましく感じた。
この子の恋が実るといいな。
日記を勝手に読んでいる俺が言うのもなんだけど、この子には幸せになってほしい。
もうきっと幸せになんてなれない俺の分まで。