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⚠️ATTENTION⚠️

・軽いですが暴力的な表現が含まれます

***

奴は狂ったように笑っていた。

赤く鮮血のような瞳が、こちらを見てくる。その手が、愛おしげに私の頬を撫でた。

🇯🇵「…、っ言いましたよね。職場では出てくるなと」

奴は私の隣を通り過ぎ、演劇じみた動作で長椅子に腰掛ける。

☀︎「お前がなんと言おうと知らんな」

🇯🇵「っ、」

その狂気じみた笑顔を崩さず、長い足を組み替える。

私は明らかに彼の発する威圧感に当てられていた。奴は大日本帝国。

彼のことを私はよく知らないが、奴の姿は自分とよく似ていた。

そして異常な程私に執着しているのだ。

☀︎「どう足掻いてもお前は私から逃れられない。頭のいいお前ならとっくにわかっていると思うが」

奴は私に、様々な方法で接触してくる。

幻影、幻聴、夢の中まで。最近は実際に出てくることが多くなった。

🇯🇵「意識を乗っ取ってくるのは辞めてください。困ります」

いつか完全に奴に取り込まれてしまう日が来るのではないかと怯えながら過ごすしかない。

奴はそれをわかっているんだろう。

☀︎「……日本」

明らかに不機嫌さを孕んだ声で名前を呼ばれ、思わず肩が跳ねる。

☀︎「随分言うようになったな」

その言葉が聞こえると同時に、自分の体に大きな衝撃が走った。

🇯🇵「う゛ッ…」

壁に背中が叩きつけられ、肺の中の空気が残らず押し出される。

歪む視界の中、胸倉を掴まれるのが確認できた。

そしてそのまま、奴は拳を振り下ろす。

🇯🇵「〜〜ッい゛」

骨に浸透するような鋭い衝撃。

どうやっても、私は単純な力量では奴には負けてしまうのだ。

🇯🇵「貴方にそんな、…こと…言われる筋合いはない、でしょう…っ…」

なんとか視線だけを奴に向け、そう言い放つ。

☀︎「はっ、」

───ダンッ

私の後ろの壁を、奴は力任せに蹴り飛ばした。

その足力に耐えきれなかった壁材が、砕けてパラリと破片を散らす。

☀︎「最近は米国にべったりな様子じゃないか?飼い犬みたいに」

赤い瞳が鈍く光る。

どうやら私はまた彼を怒らせてしまったようだ。

☀︎「気に入らない」

🇯🇵「っ、」

☀︎「…教育してやらんとな」

奴は私の顔の前に手を翳すようにした。

視界が薄暗く、そして歪んでいくのは物理的なものではなかった。

奴の言う通り、私は目の前の人物からは逃げられない。

🇯🇵「ッぁ、ま、って…やだ、やだぁ…っ…」

意識が自分から乖離していく。

自分ではない何かに思考を乗っ取られるのはとても気持ちのいいものでは無い。重要な思考や意識というものを強制的に手放せられるのに得体の知れない恐怖を覚える。

嫌な汗が首筋を伝って落ちた。

🇯🇵「やめ、…っやめて…ぇ゛ッ!やめて、くださ…いやだ、やだ…ぁああ!!」

思考が、意識が落ちていく。

いつか奴に完全に取り込まれるまで。

奴の絡みつくような赤い視線に飲まれるまで。

私は───

***

☀︎「かわいいなぁ…?お前はそうやって私に怯えていればいい」

───他の奴らの事を考えるな。私だけを見ていればいい。私意外見るな。

渦巻く感情が、恐ろしく少しずつ、いつかは全てを歪めていく。

いつか完全に彼が壊れてくれる日を心待ちにしながら。

彼は瞳を閉じぐったりとした状態で床に横たわる日本の体を抱き寄せ、低く唸るような声で言った。

☀︎「…米国になぞ渡してやるものか」

もう一度、優しささえ感じる程うっとりとした動作で愛し子の頬を撫でる。

その細められた赤の輝く瞳には、確かな執着が浮かんでいた。

***

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