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み ん と
Episode 6「撃つ時は撃つ」
B級下位ランク戦、第三戦。
工場地帯マップ。
中盤。
試合は膠着していた。
「硬ぇな……」
三上が息を吐く。
『正面だと崩れませんね』
奈央が言う。
その時。
水瀬が小さく呟いた。
「……一人見えた」
空気が変わる。
「撃てるか?」
少し沈黙。
スコープ越し。
敵スナイパー。
移動。 停止。 確認。 また移動。
水瀬はまだ撃たない。
「いや今撃て――」
「まだです」
黒瀬が静かに言った。
『結さん待ってます』
「分かるのか?」
『撃つ時は撃つので』
数秒後。
敵が別方向を見る。
完全に意識が外れた。
水瀬。
「……今なら撃ちます」
イーグレット。
発射。
乾いた銃声。
遠距離。
敵頭部へ命中。
ベイルアウト。
『決まったーーー!!』
実況席が沸く。
「うおぉ……」
三上が素で声を漏らした。
『位置割れました?』
「まだです」
「よし」
水瀬が安心した声を出す。
「そこなんだよなお前……」
だが。
その一発で流れが変わった。
空いた射線。
黒瀬が入り込む。
ハンドガン連射。
ベイルアウト。
試合終了。
結果。
黒瀬隊、一位。
待機室。
「……今日のMVP結だろ」
「そうですか?」
「そうだよ!」
奈央が小さく笑う。
「でも、“撃つ時は撃つ”分かってきましたね」
黒瀬も静かに頷いた。
「かなり怖いです」
「味方なんだけどな?」
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