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「木の精霊よ!」
ルードが木の精霊を呼ぶが、狼は伸びてくる枝を避ける。
「足止めしないと駄目だ!」
「ですね」
二人が、スライムと狼に向かっていく。
そうだ、私は木の精霊さんに名前を聞かなきゃ!
ぐるりと見渡すが、それらしき影が見当たらない。サラも姿を消しているけれど……。
「おーい」
家の方から、木の精霊さんの声がした。
「いややーーー、絶対にいややーあーあーあー!」
もう一人、微妙に関西弁っぽい喋り方の女の子を抱えて、彼女はやって来た。
「火の精霊と一緒になんて無理無理しぬぅぅぅ」
えっと、どなた? 頭に小さな花を咲かせた薄い緑色の髪。茶色の目に涙をためたその子はぷるぷると首を振り続けている。
「あんた、どうせひっきーなんだから、ちょっと外散歩してきなさい!」
「あーーーー」
いったい何が起こってるんでしょうか……。
「うち、家がいいんやー。外はいややー! あの家がいいんやぁぁぁ。堪忍して、ままんー!」
「誰がママだ! あんた、私とそう変わらないでしょ! まったく」
「いややぁ」
ついに二人はここまでくる。でも、なんだか関西弁ちゃんにとても嫌な顔をされてるんですけれど。
「この子と契約してね」
にっこりと、双葉の彼女が笑う。
「ちょうど、おいだそ――、コホンコホン、修行の旅に出そうと思ってたのよー」
「嘘やぁぁぁ、うちは――」
口を押さえられ、モゴモゴする関西弁ちゃん。双葉の彼女は関西弁ちゃんにそっと耳打ちすると関西弁ちゃんの顔色が変わり絶望の顔になった。
「はい、じゃあ、そうね。一緒にはさすがに可愛そうだから、あっちの黒い子、ルードだっけ? 彼が相性いいから、呼んでね」
え、待って下さい。え?
「要らないの?」
いや、要りますけれど――。
「ルードさん、ここまで下がってこれますか?」
「? はい!」
アリスの戦いを確認しながら、ルードがこちらに下がってきてくれる。でも、でもまさか――。
「じゃあ、彼に契約することを承諾してもらって」
ですよねー! と、いうことはルードと手を繋いで浄化魔法をしないといけないってことに。
「リサ様?」
「あの、ルードさん――」
私が説明すると、彼は顔を赤くしながら戸惑っていた。
「あの……」
ドォンとスライムも動き出した。
ルードは、木の魔法でアシストしてから、こちらに手を出した。
「お願いします」
「はーい、ほら早くしなさい」
しぶしぶと、関西弁ちゃんがルードに指輪を嵌める。
ルードは突然自分の右手の中指に現れた指輪をじっと見てからその手を握りしめていた。
「私達の名前はね、エント、真名はドリアードよ」
「わかりました!」
「リサ!」
ウォータの声がする。
「アリストに伝えろ。指輪がそろそろ馴染んだはずだ。足止めしてやるからウォータと呼べと」
え? え? 意味がわからないけど、そのまま伝えたらいいのかな?
「アリスちゃん! 足止めしてやるからウォータって呼べって!」
耳を片方後ろに向けていたアリスが少し後ろに飛んでから、呼んだ。
「ウォータ!!」
ザン!ザン!
と、水が湧きだし狼とスライムを飲み込んだ。まるで水の牢獄だ。トンッと着地したアリスは驚いた顔をしている。
「ルードさん!」
「はい」
ルードは指輪のある手を出してきた。私は、少しだけ遠慮しながら彼の手をとる。そして、木の精霊に命令した。
魔物達を浄化して!
「ドリアード!」
コメント
1件
おお、関西弁の木の精霊ちゃんめっちゃ可愛いな!w 「無理無理しぬぅ」とか草。双葉の子との掛け合いも面白くて、契約の流れにちょっと照れるルードとリサの距離感も良き。ウォータ呼びであの水技炸裂は痺れた🔥 精霊ごとの性格差がしっかり出てて世界観に引き込まれるわ。続きが気になる!
月城 蓮桜音
2,902
シュメール
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