テラーノベル
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学パロです。
苦手な方は↩️お願いします。
それでは、
どうぞ!!
文化祭シーズン。
何処の学校にもやってくる時期が、私たちの学校にも勿論やってきた。
正直いってあまりそういうのが好きではない私は、少しだけ面倒な気持ちで席に着く。
『多数決の結果、私たちのクラスは劇をやることに決まりました〜!』
絶望。
楽しそうな委員長の声と黒板の正の数を見て私はひどく落ち込んだ。
いや、なんとなく分かってた。クラスには演劇部の脚本家の子がいることくらい、その子がノリノリで既に原稿を用意していたことも全部知ってる。、その上でなんとか回避したかったんだけど、…
私のような裏方大好き人間にはとてつもなくハードルの高いこと。
演目はクラスの話し合いの結果、青春恋愛モノに決まったみたい。
私は心ここに在らずで話を聞いていたものだから、それも後から聞いて困惑する。
私は衣装担当だから、役者として立つことはない。だから、この役決めの時間も、他人事のような気持ちで外を眺めていた。
『じゃあ、主役の女の子役を決めます!』
学級委員の子が言うと、視線が一斉にある1人に集まる。
その視線の先には。
『桜花がいいんじゃない?』
『私も、そう思う!!!!』
予想通りの流れだった。
桜花は、転校してきたばかりなのに直ぐにクラスに馴染んで、中心にいるような子。仕切りに明るくて、でもどこか掴みどころがなくて、でもみんなを惹きつける魅力がある。おまけに身長だって高くてスタイルもいいし…
私は少しだけ黒い霧がかかった気がした。
主役の女の子がいるってことは、相手の男がいるってことでしょ、?
💜「えー、でも桜花演技とかやったことないよ?」
桜花は笑いながら手を振ったが、誰もが『いや、絶対ハマるって!』と盛り上がる。
やめて、お願い。私は桜花が嘘でも男に告白するなんて、見たくもないのに。
付き合ってもないのに1人で勝手に面倒な彼女面してる自分が、少し嫌になったけど仕方ない。
💜「ねえ、都愛はどう思う?」
💚「え、…?」
不意に名前を呼ばれて、私はビクッと肩を揺らした。
どうしてか桜花は、まっすぐ私を見つめている。
💜「都愛、桜花が主役やるの、どう?」
そんなの、嫌に決まってるじゃん。
いやだよ?
けど、私にそんなことを言う勇気はない。私は小さく頷く。
💚「絶対、…似合うよ。」
それを聞くと桜花はにっこりと笑顔を浮かべた。
💜「じゃあ、する!」
こうして、主役はあっさり決まった。
知らぬ間に、主役の男も決まっていく。
人柄や可愛らしい顔立ちも相まって桜花は男女問わずモテるから、普段なら怠がるだろうみたいな男子もみんなが揃って奪い合っていた。
全てが癪。
『次は〜、…桜花の親友役だね!!』
『ああ、男の子に片想いしてる役だね…、誰がいいかな?』
委員の子が台本をめくりながらそう言うと、またクラス中がざわつく。
『、…やっぱり桜花と並んで映える子がいいよね。』
💜「じゃあ、…都愛がやったら?」
__え?
思わず固まってしまう。
また私なの?桜花はどうしてここまで私に執着するのかが分からなかった。私たちはずーっと一緒にいるわけでもないのに。ただ、片想いしてるだけ。ただ、それだけなのに。
💚「え、あ、いや、私衣装担当だし。」
💜「でも、せっかくだし舞台にも出てみない?」
桜花はニコニコと笑っているが、周りからの視線が痛い…。
💚「、ごめん、私はいいよ。他にやりたい人いないの?」
そう答えると、クラスの誰かが『じゃあ、私が』と手をあげ、あっさりと決まった。
隣をチラリと見てみると、彼女は少しだけ、不満そうな顔をしていた。
どうして、とその意味を考える前に、次の話し合いが始まった。
ーーー
_文化祭の準備期間は、いつもより少しだけ学校が特別に見える。
けれど、私にとっては憂鬱だった。
💜「都愛〜、衣装合わせ放課後でいい?」
桜花が、当たり前のように私の隣に来て話しかけてくる。
本当に距離が近い。正直眩しすぎる存在。
💚「うん。大丈夫だよ。」
💜「よかった、都愛が衣装担当で助かる。」
そんなふうに無防備で笑うの、やめてほしい。
ただでさえ、最近は目で追ってしまうのに。
でも、そんなことは言えるわけでもなく黙々と作業を続けた。
私の心臓とミシンの音が重なってるなんて気付きたくもなかった。
ーーー
すいません、長くなってしまいそうなので次にします。
楽しみにしてくださると嬉しいです。
続
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