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#願いを叶える
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『妖様へ願事』〜人を呪わば穴二つ〜
第一章 『哀れな少女の願い事』
第二話 シンジタクナイ
『…イ、……ヨイ。』
『ん…?』
『ヤヨイ!』
『!お母…さん?』
目を開けるとそこにはお母さんがいた。
『良かった、目が覚めたのね。』
『お母さん…?どうして…』
『どうしてって、こうして2人で出掛けてた時に急に倒れるから…。大丈夫?具合でも悪い?』
(なんで、ここにお母さんが…?私さっき…
あれ、何してたんだっけ……?)
『ほら、これから一緒に美味しいご飯食べに行こう?』
お母さんは私の手を取る。
『……!』
『美味しいね、ヤヨイ。ふふ、口元についてるよ。』
『あ、ありがとう。』
『綺麗ね、ヤヨイ。写真撮ろっか。はい、チーズ。』
『わわっ。』
『ふふ、可愛い。今日はヤヨイの好きな所に沢山行こうね。欲しいものも沢山買ってあげるわよ。』
『いいの?』
『もちろん!』
お母さんと出掛けるなんて、いつぶりだろう。
夢でもいい。こんな都合のいい夢なら覚めなくてもいいや。
『あ、そうだ、お母さん。クレハにも会いに行こう?』
『……?クレハ?誰?』
『え……?』
『お友達の名前かしら?』
『違うよ、私の妹のクレハだよ…。』
『何言ってるの?貴方は一人っ子でしょ?』
『え……?』
(どういうこと…?)
その時、お母さんに買ってもらったものが全て消える。
『!?』
気付けばお母さんも消えていた。
『っ…!お母さん!?』
『これは、妹がもし居なかったらあった未来。』
『この声は……っ。』
紅い狐火が現れ、お狐様が姿を表す。
『束の間の宵闇は楽しかったかしら。』
『どういうことですか…?妹がいないって…』
『貴方が望むのは本当に母親を殺すことなのかしら。』
ドクンっ。
『何を、言って…』
『貴方が本当に要らないのは。妹の方じゃないの?』
『違う、私、は…』
『貴方が欲しいのは優しいお母さん。でも、妹の容態が悪化してからお母さんは変わってしまった。それなら、全ての元凶は妹じゃないのかしら。貴方を不幸にした妹が悪なんじゃないのかしら。』
『違う、違う…っ!!私は不幸なんかじゃない!妹のこと、クレハのことは大切に思って……っ!』
『それなら何故――』
クイッとヤヨイの顎を持ち上げる。
『私に妹のことを治して欲しいと願わなかったの?』
核心を突かれたようで、胸が痛くなる。
『私ならそれくらい容易いのに何故?』
『あ、ああ…っ。』
『…貴方の願いが答えよ。貴方が本当に要らなかったのは……妹の方よ。』
お狐様が私に冷たい声で告げた。
『違う…私は…っ。』
『……どこまでも醜いわ。人間って。所詮は自分のことしか考えてない。…約束は覚えてるわね?失敗したその時は貴方の命を頂く。
私達妖の好物は人間の魂。もちろん、母親を殺せば貴方の命は奪わない。だけど貴方がそれに失敗したら、貴方の命を頂く。それが私との契約だもの。胸の刻印があなたを飲み込むわ。』
『……っ。』
『…あと1日、待ってあげる。その薬は貴方のもの。どう使おうが構わないわ。』
お狐様が狐火を灯し、消えていく。暗闇から解放されまた再び眠気に襲われる。
『ん…っ。私の家…?』
(私は、クレハが要らないと思ってるの…?
クレハのせいで、お母さんが離れたと思ってるの……?)
『違う……!!私は、クレハのことを誰よりも愛してる。大好きな妹だから…。』
でも、妹が居なければお母さんとのあの未来が……。
『……。』
私は黙って立ち上がり、何かに導かれるように歩き出す。
次回
第三話 チマヨウホンネ
コメント
1件
みぅです🤍🥀 「シンジタクナイ」…めちゃくちゃ刺さりました。お母さんとの幸せな夢が一瞬で壊れて、“もし妹がいなかったら”って未来を見せられるの、胸が苦しくなった。お狐様の「なぜ治してほしいと願わなかったの?」って問いかけ、ヤヨイの本心をえぐるようでゾッとした…。次回、どうなるんだろう。続きが気になるよ🌙