「どうしたものか…」
俺は先程聞いた、トリスタがゴスフェに襲われたことを未だに信じられなかった。
「どっちが正しいんだ…」
今ゴスフェは儀式中、そしてエンティティもサバイバーの魂が自分の元に来るのを待ちわびているため、
今は話しかけても返事すら帰ってこない。
「はぁ…」
「あら、どうしたの?エヴァン」
後ろから声がした。
「嗚呼、サリー(ナース)か。いや実はな…」
俺は彼女に、トリスタとゴスフェのどちらの言っていることを信じればいいのか話した。
「うーん…やっぱりエンティティに聞いてみた方がいいと思うわよ?儀式もそろそろ終わることだし…」
「だよな…」
「力になれなくてごめんなさいね?」
「いや、平気だ」
軽く近況報告を交わした後、サリーは自室に戻っていった。
「さて…」
俺はエンティティのいる場所まで向かう。
彼女の言う通り、俺が着いた頃にはエンティティは戻っていた。
「エンティティ」
《おお、トラッパー。珍しいな、貴様の方から私のところまで来るとは》
こいつと話すだけでも虫酸が走るが、今は真実を聞くのが先だ。
感情を押し殺し、俺は聞いた。
「ゴーストフェイスは、トリスタに何をした?」
《何をした…か。》
「さっさと教えろ。」
《ふむ…丁度一人のサバイバーの魂も私の元へ来た。今は気分がいい。答えてやろう。》
相変わらず上から目線な態度にイラつき、拳に力が入る。
「一応二人からの話は聞いた。どっちが真実かだけを教えてくれ」
イラつく気持ちを抑え、平然を装ってそう聞く。
《ちなみに何を言っていたんだ?》
「ゴスフェはお前の望み通りに計画を実行しようとしたが邪魔が入って失敗に終わった。トリスタはゴスフェに襲われたと。」
《なるほど…まぁ二人とも言っていることは合っている。どちらも真実だ。まぁ、言ったところでこの会話が意味のないものになるのも後少しだがな。》
「何を言ってるんだ?いいから全部教えろ!!」
思っていたことを言った。
するとエンティティは少し間を置いて話し出した。
《今すぐトリックスターの部屋へ行け。》
「何でだ」
《狂い、笑いながら彼が殺される光景を、お前は見たくないだろう?》
エンティティは笑いながらそう言った。
確かに後輩が死ぬ…いや、血まみれになるのは見たくない。
しかし何で一番怪しいゴスフェを差し置いてトリスタの元へ行かなきゃ駄目なんだ?
「……まさか!」
《ふふっようやく気づいたか。だから私はお前を気に入っているのだ。さぁほら、速く行け。》
俺は走ってトリスタの部屋まで向かった。
急がねぇと…!
先程エンティティが言っていたことを理解した。
これは推測になるが、もしかすると断言できる。
つまりゴスフェは今、トリスタの部屋にいるということだ。
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