??「みんなを返してよ。」
??「…俺を置いていかないで。」
凛花です。
今回は水色様をメインとしたストーリーとなっております。
あてんしょん
・実際に存在する方のお名前をお借りしています。
・ご本人様には全く関係ございません。
・誤字、脱字が含まれるかもしれません。
・死や、流血が含まれる表現がございます。
・このストーリーは軍パロとなっております。
・決して腐ではありません。
・Nakamu様→なかむ Broooock様→ぶるーく と、させていただきます。
以上のことが把握できる方のみお進み下さい。
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main light blue
sub red green blue purple yellow
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Nakamu視点
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遠くで声がする。
とても心地の良い、低音でなめらかな発音。
sm「なかむ?」
Na「ん…。」
ぼんやりとする視界に、怪しげに揺らめく紫の瞳。
sm「こんな所で寝ていると風邪ひくぞ。」
Na「あれ…。俺寝てたっけ…。」
sm「ああ。」
sm「でも魘されているようだったから、起こしたんだが…。」
Na「そうなんだ。ありがと、スマイル。」
sm「ん。」
魘されていた…か。
全く記憶に無いんだけど…。
sm「あ、書類できたかは執務机に置いておいた。」
sm「確認頼む。」
Na「おけ。」
sm「俺、監視室に戻るから。」
Na「はーい、ありがとね。」
パタンと扉が閉まる。
Na「ふぅ…。」
座っていた椅子をくるりと、回転させる。
窓から外を眺める。
広々とする白尾国の城下町。
すぐ近くにある訓練場には、緑、赤、黄の3人。
笑顔を見せながら走り回る姿に少し笑みが零れる。
kn「どうかしたの?」
後ろからかかる声に少し驚く。
kn「驚かせた?ごめんね。」
Na「ううん。…ねぇ、きんとき。」
kn「なぁに、なかむ。」
Na「俺たちって、ずっと一緒だよね。」
Na「これからも。…死ぬときも。」
さっきから、胸の中で渦く不安を漏らす。
kn「俺も、ずっと一緒にいたいな。」
kn「でもね…。」
Na「…?」
kn「それは、無理みたいなんだ。」
Na「え…!?」
哀しそうに笑ったきんときが、ボロボロと崩れ落ちる。
同時に、まわりが変わり果てる。
吹き荒れる熱風。
どこからか聞こえる悲鳴と銃声。
むせかえる程の血なまぐさい匂い。
Na『なんだよ…!これ…!』
すると、目の前には見知った姿が。
Na『きりやん…!?』
いつもふわふわと靡く金色の髪が、血を吸い赤黒く変色している。
kr「ッ!!」
ぶんとふりまわした薙刀で、どこかの兵士が倒れる。
kr「ぐ…ッ!」
わらわらと出てくる兵士のナイフが、きりやんの脇腹を抉る。
ぐらりと傾くきりやんの体。
そこに降り注ぐ攻撃の雨。
Na『あ…、ああ…ッ!』
ぴくりとも動かなくなった彼に興味を失ったのか、どこかへと行く兵士たち。
Na『きりやん…ッ!きりやん!!』
動かない足に鞭打ち、彼もとへと走る。
Na『きりやん!』
彼に触れようとした手が、するりとすり抜ける。
Na『!?』
触れられない。
…助けられない。
Na『そんな…!やだッ!…きりやんッ起きろ!!』
ぼろぼろとこぼれ落ちる涙をそのままにして呼ぶ。
kr「…た……なぁ…。」
Na『え…?』
今も尚、血がとくとくと零れおちていく。
バキバキに割れたメガネの奥でシトリンの瞳から光が抜け落ちる。
kr「もっと…。一緒に…居たかった..なぁ。」
kr「…みんなは、逃げて。」
ポツポツと呟くきりやんの言葉。
急に。
彼は、見えるはずのない俺の方に視線を向ける。
kr「今まで…ありがとう。」
その瞳がゆっくりと閉じられる。
Na『ああ…あ、!やだ!起きろよ…ッ!!』
ギュッと抱きしめる。
そうしようとした時。
きりやんの体は光る粒となり、散っていく。
Na『きりやん…!』
また景色が変わる。
次に目を開けると。
銃声や打ち鳴らす金属音は聞こえない。
その代わりに聞こえるのは、微かな駆動音と静かに響く声。
Na『この声は…。』
嫌だ。
見たくない。
信じたくない。
sm「…来ると思っていた。」
sm「C国のスパイさん。」
コンピューターの近くで佇む紫の彼。
C「今更分かったところで、何がある。」
C「そんなことはどうでもいい。」
C「お前にはここで死んでもらう。」
sm「そうか。…俺はお前には適わないだろうな。」
C「当たり前だろう。…じゃ、さっさと死んでくれ。」
その言葉を言い切ったスパイは、一瞬でスマイルに飛びかかる。
sm「く…ッ!」
必死に己の首へと振るわれるナイフを押さえる。
それでも、じりじりと確実に彼の細くて白い首へとナイフは近づいていく。
sm「俺はここで死ぬが…!」
sm「…お前も道連れだ。」
C「は?」
C国のスパイがナイフをふりきるのと同時に。
ナイフを押さえていた彼の反対の手が素早く動き、小型銃を取り出す。
そのまま躊躇なく、スパイの眉間に風穴を開ける。
C「嘘だろ…ッ!?」
ぷつんと糸が切れたように、こときれるスパイ。
sm「が…はっ…。」
Na『スマイル…ッ!』
どくどくと血が流れ続ける首元を強く押さえながら。
sm「これで…終わりだ。」
震える細い指でエンターキーを押すと、城から爆発音が聞こえる。
Na『スマイル…!死んじゃだめだよ…ッ!』
もう、見たくない。
夢ならばはやく、はやく覚めてくれ。
sm「なかむ…?…いるのか、?」
Na『えっ…!』
sm「…いるわけ…ないが。」
sm「ここに…入れて、…よかった。」
sm「感謝…している。」
そうつぶやく彼は、その名前に相応しいほど輝かしい笑顔を浮かべ、瞳が閉じられる。
Na『やだよ…ッ!』
Na『もう、奪わないでよ…ッ!』
黄色い彼と同じように光の粒となって四散する。
また、景色が変わる。
Na『ここは…。』
普段は見ない。
最も危険な場所。
Na『最前線…!』
分かってしまう。
最前線には…。
Na『しゃけに…。ぶるーく。』
ほら、見つけてしまった。
小柄な体躯を最大限活かして、素早く獲物を狩っていくシャークん。
緑の彼とは正反対の長身で、華麗な弓さばきのBroooock。
Na『もう…。戦わないで。』
Na『…生きてよッ!』
そんな願いも愚か。
sh「ぶるーく逃げろ!」
sh「俺だけで…片付けるから!」
Br「やだ!!この量をシャークん1人に任せられない!!」
Br「それに…。」
Br「2人で“暴力”でしょ?」
sh「…後悔はするなよ。」
Br「もちろん!」
コンマ数秒
2人の周りから紅い華が咲き乱れる。
瞳を黒く反転させるシャークん
冷たく鋭利な殺気を纏うBroooock
返り血を気にせず、正確に命を奪っていく。
Na『…やめてよ。2人を…、傷つけないで…!』
“攻撃”へと、全力を注ぐ彼らに“回避”の考えは無い。
2人の体にはどんどんと、無数の傷が生まれていく。
それでも
━━━━━━━━━━━━2人は笑っていた。
まるで戦闘を好むように。
大切で、唯一無二のパートナーを信じた笑み。
sh「ぶるーく…!ラスト!」
Br「終わらせようっ!…シャークんッ!」
シャークんの愛用するナイフが
Broooockの愛用する弓の矢が
最後の一人を捉える。
━━━━━━━━━━━━━周りには、赤と緑の彼等しか立っていなかった。
もしかして。
と、一筋の希望を抱くが
すぐに絶望へと変わった。
崩れ落ちる2人の姿。
Na『…しゃけ!ぶるーく…ッ!』
諦めたくない。
━━━━━━━━━━━━でも、運命は残酷だ。
ぱっくりと口をあける傷跡。
Na『…うぁ…ッ!』
ペタリと座り込む。
sh「ね…。ぶるーく。」
Br「…なぁに…?」
sh「俺と…。パートナーを組んで…くれて、」
sh「ありがと…う。」
Br「こちらこそ…だよ。」
sh「なんか…。近くに、…なかむの気配…がする。」
Br「ふふ、…同感。」
Br「なかむ、…何もなかった、僕を…見つけてくれて。」
Br「ありがとね。」
sh「俺だって…。化け物…だった俺を、人間に…戻してくれて…サンキュー…な。」
Na『なんで…ッ!?』
Na『もっと…一緒に居たいよッ!!』
Na『逝かないでよ…ッ!』
そう叫んでも、2人の綺麗な瞳をもう一度見ることは無かった。
再び、四散する。
景色が。変わる。
Na『ここは…。本拠地。』
最後のひとりになってしまう。
kn「全兵士、一斉退却を命じる…ッ!」
Na『きんとき…。』
kn「もう、勝てない。」
目元を真っ赤に腫れさせる青色の彼。
kn「なかむ…。みんな、俺は一体どうしたらいいの。」
くるりと、踵を返すきんとき。
その後ろには。
Na『俺…。』
虚ろな瞳で虚空を覗く俺━━━━━━━━Nakamu。
kn「苦しいよね。」
kn「誰よりもみんなが大好きだったんだから。」
kn「…安心して。俺がなかむを守るから。」
Na『だめだ…ッ!きんときが逃げて…ッ!』
俺の声は彼には届かない。
Na『何してんだよ…ッ!』
Na『早く動けよ…ッ!…早く!』
きんときを…!!
kn「ごめん、少しここに居て。」
そうつぶやくきんときは、
未だ虚空を見つめる『俺』に、外套を被せる。
kn「隠れててね…。」
kn「大好きだよ。…今までありがとう。」
Na『行かないで…ッ!きんとき…ッッ!!』
総統の印である王冠を持ち、きんときは戦場の方へと単独で駆けていく。
その数秒後。
乱射される銃声が響き渡る。
Na『もう…終わりだ。』
Na『俺を…置いていかないで。』
ボロボロと周りが崩れ落ち
意識は暗闇に包まれた。
後編へと続く。
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹
コメント
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僕と違い、語彙力のある神作品… あぁ…神様ありがとう。悔いなく○ねるぜ… †┏┛ ᐛ ┗┓†