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みー
8
Codeレイ
46
†††
「それでは主様、ゆっくりお休みになって下さいね。」
そう言ってベリアンは部屋から出た後、しばらく主の部屋の前に居た。
(主様、今日も素敵な笑顔を私に向けて頂けて私は嬉しいです。)
ベリアンはそんな事を思いつつ、その場から去ろうとした時─
「主様。では早速服を脱いで頂けるっすか?」
「え!?」
(え!?)主の声と同じタイミングでベリアンも心の中で驚いていた。
しかし、マッサージすると言っていたのを思い出しベリアンは自身を納得させた。
もう少しだけここに居ようと、暫くドアの前で聞き耳を立てていた時─
「あ、アモン!?何して…」
「何って、ここもしっかりほぐさないとダメっすからね。そんなに気持ち良いんすか?甘い声がもれてるっすよ?」
ベリアンはマッサージだけではないと悟った。主の今まで聞いた事のない、とても甘く気持ち良さそうな声を聞いてベリアンは何が起きているのか分かるものの、頭が追いつかず何が起きているのかと頭の中はぐちゃぐちゃでまともな思考が出来なくなっていた。
(主様はそんな甘い声でなくんですね…)
「んっ!ハァハァっ…アモン、大好き。」
「俺もっすよ。◯◯さん、大好きっす。」
ベリアンはずっと一部始終を聞いていると、聞きたくなかった言葉を聞いてしまった。
(主様が好きな方はアモン君なんですね…お互い想い合っているなんて羨ましいです。)
ベリアンはもう聞きたくないのに、体が動かず主とアモンの情を交わす音を聞く事しか出来なかった。
それと同時に、ベリアンはどうして自分じゃないのだろうか、私がアモン君より先に好意を伝えていたら変わっていただろうかと考えてしまい、その場に座り込んでしまう。
「…主様とアモン君が、どうして…?
お慕いしております、主様。私は、私のこの気持ちは、どうしたら良いんでしょうか… 」
そう言うと、胸元をぎゅっと握り締め、やるせない気持ちを抱えベリアンは1人涙を流した。
†††
翌日の早朝─
「んっ、あれ、私…」
主がベッドから起き上がろうとしても、なかなか起き上がれないでいるとアモンの声がした。
「おはようございますっす。主様。無理しない方が良いっすよ?あの後、すぐに寝ちゃってまだお疲れでしょうし…♡
お仕事まで時間があるっすから、暫くゆっくりしていて下さいっす。俺は部屋に戻ってボスキさんを起こしたりしてくるっすから。
すぐに戻るんで待っててくださいっす♡」
主はアモンの言葉に頷き、ベッドに座ったままボーッとしていると、ドアをノックする音が部屋に響いた。
「どうぞ、入って。」
「…失礼します。」
そこにはいつものベリアンではなく、泣き腫らした顔のベリアンが居た。
「ベリアン!?どうしたの?」
今まで身だしなみを整えずに主の部屋に来た事などほとんどなかったし、せいぜい直したはずの寝癖がまた跳ねたくらいの事しかなかったベリアンが目の腫れを直さずに部屋に来るなんて、そう思った主はベッドから起き上がろうとすると、昨晩の事もあり転けそうになってしまった。
すかさずベリアンは主を受け止め、そのまま抱きしめた。
「…ベリアン?私はもう大丈夫だよ?それよりどうしたの?何かあったの?」
ベリアンはいつも主の優しさに触れる度に、嬉しくて心が温まるのを感じていたはずなのに、今は切なくて心が締め付けられそうになるのを感じた。
「…主様。お慕いしております。」
「…え?それって…」
主はベリアンに抱きしめられながら、戸惑っているとベリアンに優しく頬を触れられると同時に、ベリアンの唇が自身の唇に触れた。
「んーんっ!んっっふぁっ」
主がどんなにベリアンの胸元を叩いても、ベリアンにはきかなかった。ベリアンの舌は主の舌を優しく絡め取る。主にはそんな気はなくとも、ベリアンに強制的にとろけさせられていく。
主は逃げようにもベリアンに後頭部をしっかりとホールドされて逃げられない。
そんな時、ドアをノックする音が部屋に響いた。
「…あれ?寝ちゃったっすか?開けるっすよ?」
主はベリアンから離れたくても離れられず、アモンには見られたくないと思っていてもそうはいかなかった。
「…何してるんすか?ベリアンさん!」
アモンが何を言おうと構わず、ベリアンは主とひたすらに長く深くキスをし続け、アモンの静止もなかなかきかなかったが、なんとか主とベリアンは離れる事が出来た。
「…アモン君、後でお話があります。私の部屋に来て下さい。」
ベリアンはそう言うと、主の部屋から出て行ってしまった。
アモンは主の息切れが収まるのを待つと、何があったのか主から聞いた。アモンは執事の皆が、主に主従関係以上の感情を持っている事を話す事はなくとも何となく気付いていた。
取り敢えず、今日は主が仕事のある日なのでアモンはその場を取り繕うため、早めに仕事に行く事になった、という事にして主の身支度を済ませ早めに見送った。
†††
主はボーッとしながら何も食べずに、昼休憩を取っていた。朝から何も食べていないが、不思議とお腹が空く事はなかった。
「…◯◯さん?珍しいですね!!この時間いつも何処かに行ってたはずなのに、今日は行かないんですか?」
声を掛けられ後ろを振り向くと、後輩がコンビニのおにぎりやホットスナックを持って隣に座ってきた。
後輩と少しばかり話していると、そろそろ仕事に戻らないといけない時間になっていたので、2人で急いでそれぞれの場所に戻っていった。
†††
アモンはベリアンと話をするため、地下にあるベリアンの部屋へと向かった。
ドアをノックすると、室内からベリアンの“どうぞ”と言う声がしたのでドアを開けると、ベリアンは紅茶を飲みながらアモンを待っていたようだった。
「…ベリアンさん。」
「アモン君。来てくれたんですね。」
ベリアンの部屋は天使の研究に使っていて、天使の羽根だったり、天使が居たり、至る所に天使についての研究資料があった。
「単刀直入に聞きます。主様とはどういうご関係ですか?」
いつものベリアンとは違っていて、笑顔は消えて声も重くなっていた。
「…恋人っす。」
ベリアンは聞きたくない、と思ったが確認したくてたまらなかった。
「…そう、ですか。実は昨晩、聞くつもりはなかったのですが主様とアモン君が体を重ねるところを聞いてしまったのです。
そのせいか、今朝主様の元へ紅茶を届ける際、ベッドから転けそうになった主様を抱き止めたら、私の想いが止まらなくってしまいました。
…私も、ずっと主様をお慕いしております。このまま簡単に引き下がれる程の軽い想いではございません。」
「…主様は俺と付き合ってるっすよ。」
アモンは自分に言い聞かせるように、ベリアンに言い返したが、ベリアンは予想外の事を口にした。
「…確か今日の安眠サポートは、ちょうど私でしたよね?私も想いを伝えたら、主様と体を重ねる事は出来るのでしょうか…?」
アモンはベリアンの胸ぐらを掴む。
「っ、そんなのは俺が阻止しますっすよ。例え相手がベリアンさんでも、それだけは譲れないっすから! …失礼しますっす。」
アモンはベリアンから手を離し、庭に向かって行った。
主が喜ぶ顔が見たい、辛い顔なんて見たくない。泣くなら嬉しい事で泣いて欲しい。そんなふうに主の事を想いながら、主の帰りを今か今かと待ち侘びながら、お花達の世話をし続けた。
コメント
1件
うわあ、ベリアン切ない…!!ずっと主様に想いを寄せてたのに、まさかアモンとの関係を聞いちゃうなんて。涙ながらに「どうしたら良いんでしょうか」ってとこ、胸がぎゅっとなったよ。朝のシーンで我慢できずにキスしちゃうのも、抑えきれない想いが溢れ出しちゃった感じで苦しい…。でもアモンも「譲れない」って言い返してて、この三角関係どうなるんだろう。主様は気づいてないっぽいし、これからが気になる展開すぎるわ🔥