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眠狂四郎
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7 町工場(昼)
寺町「警察、裁判所、自衛隊から国会議員まで、たった一言で動かせる、本物のフィクサーは、彼――善界晴馬さまだ」
八道と手下たち、呆然とする。
寺町、再び地面に頭をつけてひれ伏す。
寺町「この度は……本当に、本当に申し訳ございませんでした!」
晴馬「お前のようなチンピラがフィクサーとは笑えるな」
寺町「申し訳ございません!」
晴馬「善界家を侮辱したいのか?」
寺町「滅相もございません! どうかお許しください!」
晴馬、立ったままの八道・酒井・三川に視線を向けつつ、寺町に言う。
晴馬「俺はあいつらに殴りかかられたが……まだ謝罪がないな」
寺町、こわばった表情で八道たちに怒声を浴びせる。
寺町「何突っ立ってんだ! てめえら、早く土下座しろ!」
八道「え、あ……」
寺町、急いで立ち上がって、八道の顔面を思い切り殴る。
八道「フィクサーさま、何をするんですか!」
寺町「だから俺はフィクサーじゃねえっつってんだろ!」
寺町、ふらついた八道の頭をつかみ、地面に押しつける。
八道「ぐえっ!」
寺町「晴馬さまには二度と逆らいません! この通りです。どうかお許しください!」
晴馬「そこのチンピラたちは、頭を下げていないようだが?」
血相を変えた寺町、並んで立っていた酒井・三川を順番に殴っていく。
八道と手下たち全員を土下座させた寺町、自身も先頭で土下座する。
寺町「これで勘弁してください……!」
晴馬、思い出したように言う。
晴馬「そういえば、お前はさっき通話で、相手に許してもらうための謝り方を俺に教えてくれたな」
寺町、目を見開く。
晴馬「全裸になって、地面に顔をこすりつける……」
寺町「あ、あ……ぁあああああああっ!」
寺町、発狂して服を脱ごうとし始める。
晴馬、あきれたように息をつく。
晴馬「……やめろ。お前の汚い裸なんて見たくない。この借りは俺に服従して返せ。俺が呼び出したらすぐに来て、俺がやれと言ったらなんでもやれ。それが許すための条件だ」
寺町「もちろんです! 許していただけるのなら、私は晴馬さまに服従いたします!」
晴馬「なら、その地上げ屋たちを連れて帰れ。そしてもう二度とこの町工場に関わるな」
寺町「はい! 初のご命令、承知いたしました!」
寺町、八道とその手下たちを引き連れ、すぐさま引き上げていく。
晴馬、一連の流れを見ていた橋田のもとにいき、優しい笑顔を浮かべる。
晴馬「社長、地上げ屋たちは追い払いました。あの様子なら、もう迷惑行為はしてこないはずです」
橋田「晴馬さん、あなたは……」
晴馬「それでは」
晴馬、多くは語らず、優しい表情のまま去っていく。
その時、スマホに着信。画面には「優佳」の文字。
晴馬「優佳?」
晴馬、通話に出る。
晴馬「どうした?」
8 優佳の会社・社長室(同時刻)
優佳、スマホで晴馬と通話している。
優佳「ねえ、晴馬……私たち、離婚しましょう」
コメント
1件
うわっ、まさか最後の最後で「離婚しましょう」って……! 第5話で晴馬のフィクサーっぷりがどんどん鮮烈になってきて、寺町を服従させる締め方も痛快だったのに、その直後に優佳からのこの一言。このタイミングの置き方が巧いというか、読んでるこっちの心臓を掴んで離さないなあ。善界家の背景や、晴馬の本当の立ち位置にますます興味が湧いてきた。続き、気になります……!