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Jinto side
ガラガラと音をたて扉が開き、そこに立っていたのはいつも遠く見ているあの人だった
「いつも見てるよね」
まっすぐ僕の方を見てたずねてくる
誰に聞いているかは他に誰もいないことから明らかだった
「なんで見てんの」
「…すみません」
「いやべつに悪くないけど」
責められているように感じてつい謝ってしまったが、謝罪を求められていたわけではないらしい
「よしだ、だっけ」
「なんで…」
知って、と言いかけると佐野先輩はそれを察したようで
「クラスのやつに聞いた」
と答えた
サッカー部のやつらだろう
よく僕を知っていたなと思っていると
「名前は?」
と聞いてきた
ああやっぱり名前までは知らないよなと頭をよぎり、佐野先輩の意図がわからないながら…
「…じんと、です」
と答えた
「どんな字書くの」
この人はちょっと変わった人かもしれない
僕の名前を知ろうとするのも相当なのに、漢字まで…?
「…にんべんに…漢数字の二、に、人で…」
「仁、か…。誠実で、あたたかい人…とかいう意味かな」
先輩は少し考え、
「いい名前だね」
僕の顔を見て穏やかに笑った
佐野先輩の瞳に、僕が
映っている