注意事項
・一話参照
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コンコン。
「どうぞ。」
書記長室に、knが入ってきた。
knは黙ったままtnの机の前まで歩き、書類を1枚差し出した。
「今日は俺とutとshpで愚問やるわ。あとこれ、rbが昨日捕まれた情報らや。」
「おう、ありがとうな。…ん??まて、shp!?」
「ああ。shpも行く。」
tnは慌てて立ち上がった。
「おい待て、shpは辞めといた方がええんちゃうか。あいつ…、多分辛いやろ。」
「いや、shpの意思や。shpが自分の口でciと話したいらしい。」
「……そうか。そりゃ尊重すべきやな。じゃあ、頼むわ。」
tnは机の引き出しから地下室の鍵を取り出し、knに渡した。
knはそれをポケットに入れて、tnに手を振った。
「行ってくるわ。」
「無理せんといてな。」
「わーっとる。」
まだ、日は登りきっていない。
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地下室階段の前でshpとutが待っていた。
鍵を取りだして、扉を開ける。
「…よし、行こか。」
「はい。」
「…。」
knの後をutとshpが続く。
コツ、コツ。
階段を降りる音以外に何も聞こえない。
それが、3人に不安を押し付けていた。
降り切ると、牢屋の中にciが倒れていた。
椅子に縛られており、その椅子と共に倒れていた。
血の匂いがして、shpは牢屋に走った。
「shp、油断するなよ。コイツはスパイやねんから。」
「…知ってます。」
牢屋に入って、ciを椅子ごと起こす。
「…死んではダメなんやっけ。」
「せやね。情報を全部聞かんとダメ。」
utはknの答えを聞くと、包帯を取りだした。
「shp、ciの酷い怪我にこれ巻いたって。」
「…っす。」
shpはciの肩に包帯を巻き、口に巻かれた布を取った。
「…、っ、?」
ciの肩に触れて、shpは首を傾げた。
「どした。」
「…いや、あの。ci、す、すごい痙攣…。」
「…??」
utがciの頬を手を当てる。
ブルブルブルブルブルブルブルブルブルブル。
ガクガクガクガクガクガクガクガクガクガク。
ブルブルブルブルブルブルブルブルブルブル。
ガクガクガクガクガクガクガクガクガクガク。
ブルブルブルブルブルブルブルブルブルブル。
ガクガクガクガクガクガクガクガクガクガク。
ブルブルブルブルブルブルブルブルブルブル。
ガクガクガクガクガクガクガクガクガクガク。
すごい勢いで、でも小さく。
痙攣がutの手に伝わった。
「…おい、kn。これ普通ちゃうやろ。」
「どれ。」
knが触れると、口を開いたまま閉じなくなった。
「…っ、ぶ、ッ…ごふ"ッ、!!」
「ひぃっ、!」
ciは泡を吹き出した。
utは驚いてknの後ろに隠れた。
「…ci、俺の事聞こえる??」
shpが耳元で声をかける。
「…っ、ふ、ぁ、ぶ"ッ、ぐ、」
「ci、聞こえるなら、こっち見て。」
「ふ、ぅ"ッ…ぐ、ぁ、ッ」
「…ci、!!」
「…っ、く、くる、な、"ッ、ひ、ぁ"、」
ciはshpに頭突きをした。
縛っていた紐が解けて、ciは椅子から落ちた。
「…ッ、ci、」
「ぅ"…ぐ、ぁ、く、そッ、くそが、」
「ci、!」
「shp、やめろ。」
knがshpを後ろに下げる。
「あいつ、何かがおかしい。パニック状態や。それに、俺らに敵対心を持っとるぞ。」
ciはメガネを取り、こちらに投げた。
knが手で弾くとメガネは割れて地面に落ちた。
「ci、俺はお前と話がしたいんや!!」
「ぅ…るさ"いッ!!!!し、ね"ぇッ!!!!!」
懐中時計を引きちぎり、またこちらに投げた。
knが咄嗟に動けず、utに当たった。
utのメガネがciのメガネの傍に落ちて割れた。
「あっ…!!」
「ut!こっちや!!」
knはふらつくutを自身の後ろに下げて、両手を広げる。
ciから守るため。
牢屋を出るように背中を向ければ今度は何をするか分からない。
「きえろ"ッ!!!!!!!こっちにくるな"ァ!!!!!!!」
「ci…、」
「う"るせェ"ッッ!!!!!!!!!!」
ゴフッ、と胃液を吐き出した。
興奮状態で身体も慌てているのだろう。
ciは目をギョロリと動かし周りを見渡した。
焦点が合ってない。
こんなの、ciじゃない。
shpはutの腕をきゅ、と掴みながら震えた。
「一旦牢屋を出よう、今はそっとしておいた方が…。」
ガツンッ!!!!!
「ぐッ、!?」
「kn!!!」
knが少し後ろを見た瞬間、ciが椅子を投げたのだった。
投げた椅子がknの頭に直撃し、knは意識を失ってしまった。
「ci、!!おねがい、ci…もうやめろよッ、おれたち、友達やんかっ、!!」
「ぁ"…ぅ、ぐ、ッ、、し"、ねッ!!」
「shp!早く出ろ!!」
utの声が響く。
ciが今度は牢屋の隅に置いてある机に手をかけた。
それでも、shpは声をかけた。
パシュンッッ。
「がは"ぁッ、ぁ、、…」
突然弓矢が飛び、ciの腹部に刺さった。
ciは倒れて、白目を向いた。
「…っ、は、ぁ、ッ、?」
shpが混乱していると、ぐいっと引っ張られて牢屋の外に出される。
「あんさんら、何してんねん。」
rbが弓矢を持って駆け寄ってくる。
「…rb、」
utがぽかん、と口を開けているとrbが薬を手に取って牢屋の中へ入った。
「まっ、てください、!!それは…。」
「shp。コイツはスパイ。お前の知ってるciちゃう。」
プス、と注射器を刺して薬を入れていく。
それからまた、椅子に縛った。
「睡眠薬や。毒薬ちゃうぞ。まだ、情報を抜き取れてない状態で殺すわけにゃいかん。」
「…rbさんは、ciを拷問できるんすか、」
「できる。ciはzmを殺そうとした。俺らはzmを守るため、この国を守るため、ciを消さなきゃいけない。」
「…でも、ciは!!」
「shp、証拠はあんねん。もう、逃げられない。」
rbは端末を取りだし、ひとつの画面を見せた。
「トーク履歴っちゅーやつや。ciの通信機器からzmに『第三裏倉庫に来て』と連絡が入っとる。そして、それから30分後にzmからciに『第三裏倉庫で待ってる』と、連絡が入る。これが、なによりも証拠やろ。」
「…っ、ぅ、」
「ciはtnに言ったらしいわ。T国の人間やって。俺は、ciが自分の意思で動いたっていうのを聞いた。アイツは自分で考えて動いたんや。この国で1番危険な人物から消そうって。」
「…、」
「あと、zmの容態が悪化した。怪我から発熱したらしいわ。knはutがおぶってくれ。行くぞ。」
rbが弓矢を片付けて階段を登っていく。
残されたutとshpとkn。
「shp、おれやっぱりciのことはもうこれ以上考えんようにするわ。証拠もある、ciは俺らに敵対心を持っとる、攻撃もしてきた…それがなにより、現実を示しとる。」
utはknを背中に抱えて階段を登った。
shpは牢屋に鍵をして、ciを見た。
「…お前にだけは、本気の暴言言われたくなかった、」
静かに階段を駆け上がった。
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「あっ、rb達〜!!…、ut。knどうしたの。」
医務室に入ってきたutとkn、shpをsnの声で皆が見る。
utはknをベットに下ろして言った。
「ciが暴れてもうて、knを椅子で殴ったわ。すまん、俺のせいや。」
「んで??アイツはどうしてんの?」
shoがイラついたように口を膨らませた。
「俺が睡眠薬打ってきたわ。ああ、あと、矢もな。今日の夜くらいに起きると思うで。」
snがknの頭を手当して行く。
それをshpは呆然と見ていた。
「…zmさんは。」
「zmさんはこっちのカーテンの中にいますよ。発熱してて。」
rpがカーテンを指さす。
「…そっか、」
「…shpくんは、ciのこと…。」
emが首を傾げると、shpが俯いた。
「おれ、もうアソコ行きません。アイツと会いたくない。関わりたくないっす。もう、好きにしてください。」
「おれは呼ばれたら行くけど、自分では行きたくないな。アイツといると、自分が醜く思ってまうわ。騙された自分が。」
utはknの手を握ったまま言った。
「…じゃあ、明日どうするめぅ??」
「rp行くか??」
「えっ、rbさん!?!?俺ですか…??」
「じゃあ、俺たちと行こっか。」
htとosがニコッと笑う。
rpはホッとしたように頷いた。
「…そうだ、今みんな居るし、話しておこう。」
snがひとつの書類を出した。
「数日経ってそれでもまだ俺らに口を閉じるのなら、ciの足を切断しようと思う。」
それがT国への宣戦布告だ、とsnは言った。
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夜中、今晩は特に静かだった。
snはciの手当のため地下室へ向かった。
rpも今の状態を見たいらしく着いてきた。
階段を下りている途中、rpが小さな声でsnを呼んだ。
「ほんまに足切っちゃうんすか??」
「…うん。T国だとしても、仲間が拷問されてるって知ったら怒るでしょ。それに、ciは何度も逃亡しようとするし、牢屋に入ってくる人間を襲う。足を切れば、抵抗は思い通りに出来なくなる。」
「…snさんはできるんです??仲間だった人の、足を切るなんて。」
「…やだよそりゃ。自分の手をそんなことで赤く染めたくないし。でも、仕方ないんやで。ciはもう敵。仲間じゃないの。ただそれだけ。」
階段を下りると、牢屋の中でぐったりとしているciが目に入った。
rpは牢屋に近寄り、ciを見た。
輝いていた背中は丸まっていて、赤く滲んでいる。
水色のふわふわ髪も、くすんでボサボサ。
橙色の瞳は瞼で隠されていた。
「…あー、もう。早いなぁこれ使うの。」
「なんです??」
snが困ったようにため息をついた。
ひとつの注射器をrpに見せる。
「精神攻撃剤ってやつ。」
精神状態を極限まで下げて、理性を失わせる、所謂精神攻撃剤。
耳と目の機能を麻痺させ、更には脳を混乱させることによって何が何だか分からず、記憶も曖昧になる薬物であった。
「仲間だった人を拷問するの耐えられない子が多いから、精神攻撃をして情報を吐かせる方法っていうのはすごく良い方法でね。」
「…じゃあ、昼間ciさんが暴れてたのって。」
「これだね。でもまさかknに椅子を投げるほどパニックになるなんて。怖がりになることや、病んじゃうことが多いけど、こんなにも敵対心を持つ場合は珍しいよ。」
snは注射器を置いて、牢屋に入った。
ciが起きる前に鎖で手を足を拘束する。
「この薬、キツかったら使ってって言ったのに。shoかem…どっちか絶対無駄遣いしたよ。これ珍しくて高価なのにー。」
「あはは、確かにあの2人やったら使いそう。」
snはciの腹部に包帯を巻く。
それから肩にも巻いてやった。
巻いている途中、ゲボ、とむせて吐きそうになっていた。
これは恐らくその薬の副作用だ。
「もー!!ただでさえ、薬使って寝かせてるのに…さらに薬入れちゃci壊れるじゃん。まだ情報抜き取ってないのにね。」
「まあ、ciさんは隠し通しそうですし。逆に良かったのでは??」
「そだね。ci聞こえてるか分からないけど、君はもうすぐこれ失うよ。」
つん、と右足を突く。
んん、と唸り寝返りを打った。
「…戻ろっか。早くzmの所に行きたい。」
「はい。zmさんいつ起きるんでしょうね??」
「血液検査から取った結果的に結構強烈な睡眠薬やったし…、貧血等もあるし、早くて2週間後、もしかしたら1ヶ月後とか、余裕であるよ。」
2人は牢屋を出て、鍵を閉めた。
「結構やな…。それまでciさん生きてるといいっすね。」
「え??なんでよ。」
「やられた本人からやられ返されたら屈辱的じゃないっすかね。」
「…ぶふッ。rp、君えげつないねぇ。」
「へへっ、rbさんとshoさんに似てるんで!!」
「あーあ。可愛い後輩かと思ってたのに。あの二人の性格に似てちゃ困るなぁ。」
「んはっ、結構可愛いと思いますけどね〜??」
「はははッ!!そういう子、嫌いじゃない。」
楽しそうな笑い声を、ciは静かに聞いていた。
触られた右足に、両手を添えて。
※次回から残虐的な(リョナ)が沢山含まれていきます。少しでも苦手だなと感じた方はここから先自己責任でお願いします。
※これからもっと狂気的になっていきます。
はい!!ということで3話おわりです!!
いや、今回も5000文字しかなくてすみません😭
途中で「うわっ、なにこれ」ってなりましたかね。狂った文章を入れていきたいなって思いまして。
彼らにもう優しさはありませんよ。
ここから先、どうなるでしょうね?
コメント
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ぴーくんんんん !!! 😭😭 ut先生 ー !! 😭😭 足切断はやだよおおお … !! いやこういう感じのは好きなんですけど (( zmさん起きてくれぇ … !! わかってるなら弁解してくれええ … !! ciくんやばい … もう限界来ちゃいそう … ?? んやあ好きです 続き待ってます … !!