テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「ねぇ、これ……」
廊下に立ち尽くすカナデが、声を震わせる。
「ととちゃん……どこ行ったの?」
返事は、なかった。
ざらり……と金属を引きずるような音が、遠くで響いた。
トオルは嫌な汗をかきながら、走る。
「やめろやめろやめろやめろ……っ!!」
心臓の音がうるさい。
まるで“先に死んだ白”が、何かを止めようとしているような気すらした。
そして彼は、その部屋にたどり着く。
——そこにいたのは、漆黒の刀が、床に突き刺さり、天井まで裂けた空間。
そして、
「……」
その中心で、倒れていたのは——ととだった。
「とと……ちゃん……?」
近づく。
血が、濃い。
その体は動かない。息をしていない。
「……嘘だろ……おい……」
その瞬間、黒刀がピクリと震えた。
「っ……!」
トオルは慌てて後ずさる。
——刀が、立ち上がった。
いや、“持ち手”も“剣士”もいない。
ただ刀が、重力を無視して立ち、ゆっくりと浮いた。
「刀が……動いてる……っ!?」
蕾が駆けつける。
「なにが起きたの……!? ととは……」
トオルが叫ぶ。
「わかんない!! でも……こいつだ!! 刀が、暴走してる!!」
そのとき。
天井のスピーカーから、システム音声が響いた。
——「とと」、脱落を確認。
——死因:異常武装反応による斬殺。
——原因:黒刀、共鳴対象との“拒絶”
——記録:闇灯に選ばれし刀、適合者不在。
「……選ばれなかった……?」
蕾が呟く。
トオルの顔が歪む。
「ふざけるなよ……! あいつ、白くんの後継になるって、覚悟決めてたんだぞ!! それを!!」
黒刀が天井を裂いたあと、音もなく床へ落ちた。
まるで、役目を終えたかのように。
そして、どこからか再び音声が響く。
——現在、生存者:3名
次章において、人格評価フェーズを継続します。
カナデが、部屋の端で震えていた。
「……3人……」
——白くんがいなくなって——ととちゃんがいなくなって、
残されたのは、自分と、2人。
そしてカナデは、初めて気づいてしまった。
「自分も、“物語的に映えてない”」
「次は、自分かもしれない」
その恐怖が、彼の胸をひたすらに締め付ける。
【作者コメント】
えー、ととちゃん、脱落です。
え、白の後継枠だったのに!?
めちゃくちゃ明るくて希望になりそうだったのに!??
でも刀が「ちがう」って言ったんだからしょうがない。
選ばれなかったことが死因です。
みなさん、「刀」持つときは自己責任で。
あと、残り3人しかいません。ほんとにもう、誰が死んでもおかしくないです。
——ていうか、生き残るやつ、ちゃんと“人気”取って。頼む。
コメント
1件
今回も神ってましたぁぁぁぁあ!!!!!! うちはみんな大好きよ!!うん!!!まじで!!!ね!!!??(((説得力無 カナデちゃぁぁぁぁぁぁぁ生きろぉぉぉぉ!!!!!!(?) 皆マジで死んで欲しくないよ.........🥺🥺うわぁぁぁぁぁぁあ!!!!!! (今日のこいつテンションおかしい) 次回もめっっっっさ楽しみ!!!!!!