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咲希「えっと、じゃあ…“あんたいとる”って読むんだ!ん?Untitled…?ええええええええ?!?!?!」

司の声「どうした、咲希!!何があったあああ!!」

リビングからお兄ちゃんの声が聞こえた。

咲希「あっ、な、なんでもないよ!お兄ちゃん!」

司の声「そうか!それなら良かった!!」

うぅ…近所迷惑になっちゃうよ〜!

咲希「う〜ん。でも、Untitledか…ってことはセカイっていうことだよね。新しいセカイか〜…どんなセカイなんだろ!行ってみようかな?」

『来ちゃダメだよ』

スマホから聞き覚えのない声が聞こえた。

咲希「?」

星界『はじめまして。星界(せかい)だよ』

裏命『裏命(りめ)だよ。よろしく。咲希ちゃん』

えっ、バーチャルシンガーって5人じゃなかったの?!

咲希「え〜っと、りめちゃんとせかいちゃん…?」

星界『うん、そうだよ。……咲希ちゃん、こっちのセカイには来ちゃダメだからね』

どうしてだろう?セカイは、本当の想いを見つけるために出来たんじゃないのかな?

咲希「どうして?」

裏命『それは…咲希がまだ必要としてないセカイだから』

アタシがまだ必要としていない…?どういう想いなのか分からなかった。

星界『ねぇ、咲希ちゃん。咲希ちゃんの夢って何?』

咲希「夢?ん〜とね〜…沢山の人にアタシたちの演奏を聞いてその人達の心に響かせたい…かな!」

アタシの夢を言うと、りめちゃんとせかいちゃんは一瞬悲しそうに笑った。

裏命『…それなら、尚更ダメだね』

咲希「えっ…どうして?」

星界『…まぁ、そろそろ寝たら?もう寝る時間じゃない?』

確かにそうだけど…。

咲希「それで、いいの?だ、だってさ、セカイって本当の想いを見つけるために出来たんじゃないの?」

裏命『…いや、そうでもないよ。想いを壊すために出来るセカイだってある』

壊、す…?

咲希「えっ、え?本当の想いを、壊すセカイがあるの…?」

星界『うん』

また今度行けばいいか。という考えを頭に残す。

咲希「う〜ん…まぁ、バイバイ!アタシ、もう寝なきゃ怒られちゃうから寝ないと」

裏命&星界『うん。またね』

するとスマホから2人の姿が消えた。

咲希「…多分、アタシのセカイだよね。なら、行ったほうが良いよね。また今度行こう」

っていうか…なんで夢を聞かれたんだろ…?

星が消えたあの子の想い

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