「俺がこっちを食べるよ」
クロノアさんが選んだのは赤い箱。
媚薬入りのチョコだ。
「え、でも…クロノアさん、大丈夫なんですか?」
「……多分ね。でも、得体の知れない物をトラゾーに食べさせるわけにはいかないし」
ね?と優しく笑うクロノアさんに不覚にもときめきてしまった。
それと同時に自分可愛さで安堵してしまった最低な俺もいた。
「じゃ、食べるね」
「は、はい」
俺は青い箱の方のチョコを口に入れる。
苦味のあるそれはただのビターチョコだった。
一方、媚薬入りのチョコを食べたクロノアさんは顔を顰めていた。
普段、ブラックコーヒーを好む彼にはきっと甘すぎるのだろう。
なんとか飲み込んだクロノアさんは扉に寄りかかるようにして立ち竦んだ。
何かに耐えるように。
「……鍵、開きましたかね…?」
2人して食べ終えて、暫く経ってからクロノアさんの背後の扉に近付く。
「……」
「?、クロノアさん?」
食べ終わってから急に動かず無言になってしまったクロノアさんに不安になって近寄る。
媚薬というのは実は嘘で毒とか悪い物だったのではと罪悪感と焦燥に駆られた。
「だ、大丈夫ですか?クロノアさ…」
俯く彼の顔を覗き込んだ途端、肩を思い切り押されてベッドに倒された。
「え…?」
気付いた時には両手首をベッドに縫い付けられ、身動きが取れない状態になっていた。
驚いて見上げると、クロノアさんは見たことがないくらい顔を赤くして、そして、
「トラゾー…」
余裕のない表情を浮かべていた。
「クロノア、さん…?」
「っ…トラゾー…」
掠れたような声と、男の人に…ましてや友人に対しておかしいかもしれないが色気のあるような表情にびくりと肩が跳ねる。
縫い付けられる両手首はぎゅっと握られて痛いくらいだった。
「大丈夫、ですか…?」
「……大丈夫じゃ、ない、かな」
「あっ、そ、うですよね⁈そ、そうだ!水!もしかしたら水はあるかもしれないですから飲みましょう!ね⁈」
ベッド横のチェストは開けてないが、もしかしたら飲料水くらいはあるかもしれない。
飲めば多少は和らぐかもしれないと安直に考える。
何よりこのよくない状況を変えようと気を逸らすためにも話を変えようとした。
「………」
けど、クロノアさんは俺の上から退けることもせず全く無反応で、そのまま手首を締め上げた。
「ぃっ、!」
流石は元弓道部、すごい握力だ、…なんて感心してる場合じゃない。
どうしようと、焦っていたらクロノアさんが不意に顔を近付けてきた。
「??」
「…大丈夫じゃなくなるのは、……トラゾーだよ?」
「ひゃっ⁈」
耳元で囁かれ、クロノアさんの顔を見た。
「ッッ⁈」
そして、見るんじゃなかったと後悔した。
「怯えてるの?可愛いね、トラゾー」
だって、その顔は、”雄”そのものだった。
捕食者、獣、どう表していいか分からない。
「ぁ、…ぅ…え…」
逃げることも許さないと言わんばかりの視線で射抜かれている。
「…俺のこと、怖い?」
声を潜めてまた囁かれた。
「ッ、…こ、わくなんか…」
精一杯の見栄だった。
ホントは怖い。
こんなクロノアさんを見たことがないから。
すっと首筋に唇を寄せられ、そのまま読んで字の如く噛みつかれた。
「い゛っ?!!」
「っ、ふ」
噛みつかれて痛いくらい吸われる。
「痛ッ、て、ぇ!」
食われる、そう思って目をぎゅっと閉じた。
「は、ッ…」
そこでパッと口を離したクロノアさん。
何もされなくなって、ホッとした俺はおそるおそる目を開けた。
目を開けた先では満足気に笑みを浮かべるクロノアさんがいた。
「俺のモノ」
「!!」
低く掠れて囁かれた声に、全身が警報を鳴らしていた。
「(やばい、逃げなきゃ…本当に、食われる…!)」
本能的に逃げなければともがく。
「ダメだよ?」
膝で急所でもあるソコを押されて、体が大きく跳ねた。
「ひゃ、っあ!」
「俺にこっちを食べさせた責任とってもらわないと」
「な、あなたが、選んだッ、ひン⁈、でしょ…⁈」
「うーん…確かにトラゾーに値の知れない物を食べさせたくなかったのもホントだけど、……顔に出てたよ?俺は食べたくないって」
本音を見破られていた。
びくりと体が強張る。
「まぁ、一つ違いでも俺の方が年上だしね?立場的にも俺が食べるのが筋かもしれないし……まぁ、それに…」
「ぁう⁈」
服の中に手を入れられて横腹を撫でられた。
「好きな子をめちゃくちゃにできる、またとないチャンスだから」
ホントに媚薬入りのチョコを食べたのかと疑うくらい、饒舌に冷静に喋るクロノアさん。
一周回って落ち着いてしまったのだろうか。
「ま、俺が満足するまで、いっぱい犯してやるから♡」
前言撤回。
この人、おかしくなってる。
「犯すって…好きな子って…」
「?、トラゾーのことだけど?あぁ、そっか口だけじゃ分かんないよね」
「へ」
ベッド横のチェストを開けたクロノアさんは何かを取り出した。
カシャン、と金属音がした時には俺は手錠でベッドに拘束されていた。
「ぇ、嘘でしょ…」
手を動かしてもガチャガチャと金属が擦れる音しかしない。
「はぁ…ッ」
「っ!」
クロノアさんの吐く息が熱い。
「トラゾー、」
中途半端に捲られていた服を手錠のとこまでぐちゃぐちゃに脱がされた。
「ひ、っ…」
外気に急に触れて、肌がざわりとする。
「トラゾー…」
触っても何もない俺の胸を触るクロノアさん。
「!、」
「やっぱり、力が入ってないと柔らかいね。…女の子みたい」
「ん、っ、ぁ…ッ」
揉まれても何も感じない筈なのに、何故か小さく声が出てしまった。
「ココ、舐めたりしたらどうなるのかな?」
拘束されてる俺の抵抗はたかが知れていた。
「⁈、ゃ、いゃですっ!だめっ!だ…ひぁあっ⁈」
クロノアさんは面白味もない俺の胸に顔を寄せて、口に含んだ。
媚薬入りを食べたのは俺じゃないのに、どうしてこんなに俺の方が。
「やッ、ぁン…!」
「かわい♡」
歯を立てられてびくっと体が跳ねた。
「感じてる?」
「か、感じてなんか…っ」
「ふぅん?」
仮に一周回って逆に冷静になったとしても、落ち着きすぎてる。
それとも、やはりああいうのは二次創作による情報操作なのだろうか。
「考え事?トラゾーは余裕そうだね?…俺はこんなに余裕ないのに」
「ぇ」
腰を上げられて、後ろに何か硬いものが当てられる。
「?……、!…っっ⁈」
それがナニか分かってしまった瞬間、クロノアさんは比にならないくらい悪い顔をした。
「トラゾーにちょっと触っただけで、俺こんなんだよ?」
「ゃ、だ…っ、クロノアさん、」
「泣くより啼かせたいから、全部脱がすね」
ズボンも下着も抵抗する間も無く脱がされる。
まじまじと見られて恥ずかしくなり、脚を閉じようとしたら強い力で開かされた。
「!!、も、ゃです…」
情けなくも泣いてしまった俺の頭を撫でたクロノアさんは今度は優しい顔をして笑った。
「ダーメ♡」
反応しかけてきた俺のモノをクロノアさんが触る。
「ひゃうっ!!」
「かわいいね、トラゾー」
「ら、め、やめへ…くらはぃ…っ」
同じ男だからどういう触り方をしていいのか、知りたくなかった絶対領域のクロノアさんの触り方がこういうものと知ってしまって頭が混乱しだす。
「俺だって男だよ?それに言っただろ?好きな子めちゃくちゃにできるチャンスだって」
グリッと押されて首が仰け反る。
「ひぁぁっ!」
びくびくと腰が跳ねて、イッてしまった。
「トラゾーココが弱いのか。…覚えとくね」
「おぼえなくてぃい…!」
羞恥やら何やらで死にそうだ。
「そういえば、チェストの中にこういうのもあったけど…試す?」
中から取り出したのは、そういうオモチャと言われるもの。
全力で首を横に振った。
「じゃあ、選んで」
「…ぅえ…?」
「俺のと、コレと、どっちで犯されたい?」
「な、っ、」
オモチャは絶対に嫌だ。
それよりもさっき後ろに充てられた硬かったソレ。
彼が手に持つ無機質なものよりも、大きな硬いソレ。
「…選ばなきゃ両方でするけど」
「!、オモチャはやです…ッ」
咄嗟にそう口を滑らせてしまった。
はっとした時には彼はにっこりと笑っていた。
「ぁ、あ…違っ、今のは…」
「へぇ、…じゃあ、慣らすためにも挿れるけど」
スイッチを入れられ振動するソレが俺の後ろに充てられる。
「ぃ…っ、ひ、ゃだ…こわぃ、それ、こわいからいゃですッ!…くろのあさんのが、ぃぃ…おもちゃ、やぁ…っ!」
体験したことのない感覚に恐怖して涙が溢れる。
「………初めから素直になってたら俺も意地悪しないよ」
ポイっとベッド下にオモチャを投げ、俺の出したモノを手に取ると後ろに手を伸ばした。
「力抜いててね?」
「ン、ぅぅあっ」
ナカに入ってくる異物感。
「んー?この辺、…か?」
ぐっとクロノアさんの指がナカで曲げられた瞬間、ばちりと目の前で火花が散った。
「っっっ⁈んぁぁあ⁈」
「…みつけた♡」
グイグイと押されて、腰が浮く。
「トラゾー、すごいエロい格好になってるよ?」
「しらな、ぁ、ヒッ、ん!」
拘束される手首が痛いのにそれを凌駕するほどの快楽に襲われていた。
「は…ッ、マジでそういう反抗的なとこもかわい」
強く押されてまた腰が跳ねた。
「あれ?トラゾーイッたのに何も出てねぇじゃん。…メスイキした?」
「ッッ!!?」
「ま、だいぶ柔らかくなったし、俺も限界だから挿れるね?」
充てがわれるクロノアさんのソレ。
「!、ひっ、ぉおき、すぎ…」
「それ煽ってん、のっ⁈」
「!!、ぁ゛ぁあ!!」
さっきのトコロを押されながらナカに入られてしまった。
「や゛っ、ゔ、んぁあ…!」
熱い。
ナカから犯されてる。
「ははっ、泣いちゃって可愛いねトラゾー」
伝う涙を舐め取られ、それさえも快楽を拾っていた。
「こんなことになるから、…まぁトラゾーに食べさせなくて今は正解だった、かなっ!」
「ひぁぁ゛ん!!」
奥のダメなトコまで突かれてクロノアさんに足でしがみつく。
それが強請るような格好になってるなんて俺は思ってなかった。
「トラゾー?そんなに奥に欲しいの?」
「ぇ、ぁ゛、違う、ちがぅう!」
手が拘束されて縋れるものがないから、捕まるものも何もなくて足でクロノアさんの腰にしがみついていただけなのに。
「トラゾーってば欲しがりだね?…期待に応えてあげなきゃ男が廃るってもんだ。お望み通り、たーくさん奥突いてあげるね?宣言したしね?啼かせるって」
俺の腰を掴んだクロノアさんは更に奥へと腰を進めた。
ベッドを蹴るようにして抵抗とも言えない抵抗をする俺は首を横に振ることしかできなかった。
「ゃ、ゃ、ちが、っ、⁈、や゛ぁぁん…っ!」
「ほら、まだトラゾーならイケるでしょ?……ねっ?」
してはならない音がした時には俺の頭の中は真っ白で、ふわふわしていた。
「?、はへ?♡、」
ガチャリと手錠が外されたかと思うと対面に座らされる。
「ひゃぁん♡⁈」
「トラゾー、ほら背中に手回して?」
ぎゅっと抱きつくとすごく安心する。
ホッとして笑うと、ナカでクロノアさんのモノが大きくなった。
「やっ、おっきく…♡」
「トラゾーが可愛いことするからだよ?」
よくよく見れば、クロノアさんの顔も真っ赤で息も荒い。
やっぱり媚薬は効いているようだった。
「くろのあさん、まっか♡かわいい♡」
「誰のせいだと思ってんの」
「おれ?」
「トラゾーが俺に媚薬入りチョコを食べさせて、…余裕ないけど、そんなとこ見せるのカッコ悪いから、っ、余裕ぶってたけど…」
耳朶を噛まれる。
「ひゃんっ」
「でももう全く我慢する必要なくなったね♡」
腰を掴まれて、上下に揺らされる。
「はぅ、まっ♡…くろにょあ、しゃ、んぁあ!っ、はやぃ、い!」
「もう我慢しないって言っただろ」
「は、ひ…♡」
「ふっ、これじゃどっちがチョコ食べたか分かんないね?」
嬉しそうに笑う大切な友人且つ配信仲間……、いや、俺は好きな人に犯されてる。
「トラゾー、大好きだよ♡」
「おれも、らいすきれす♡」
クロノアさんが俺の耳元で小さく何かを囁いたけどその意図は多分、一生分からないままだろう。
──どのみち、どっちが食べても結果は変わらないけどね?
コメント
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ッッ…♡ やばい最高すぎてニヤケ止まんないッ♡ もうkrさんのSっぷりとか最高…!これだからkrtrはやめらんないッ♡ (敬語はちょっとどこかへ行ってしまいましたね)