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言われなきゃ忘れてました
あるみかんです
・ゾンビパロ(?)
・メイン▶︎フミト、リト
それではお願いします
「…ねぇなんで生きてんの?」
思わず口に出てしまった。
ここだけ聞いたらだいぶ不謹慎だろう。
「え?」
「いや、え?じゃなくて…
え、お前いま噛まれてたよね??思いっきりガブッていかれてたよね??」
そう、何を隠そうこいつ…じゃなくて莉灯はついさっきゾンビに噛まれていたのであった。
遡ること数分前…いやもっと前カモ…――
―――某月某日。
世界で突然のゾンビ化現象が進んでからはや一ヶ月。
流行が広まるのは恐ろしく早く、ゾンビ化現象もその一例にあった。
身近なところで流行り始め、ゾンビになったと聞いた友人も多い。
外を出歩くのさえ命懸けになってきたここ最近は、なるべく家族の誰かと行動するように心がけている。
そして今日は、そろそろ食材が足りないので買い出しへ出向いたのは俺、文翔と一応姉の莉灯だ。
とても怖い、いつも圧がすごい。
なんか俺に対して冷たい。
そんな奴である。
「…お前、今失礼なこと考えてただろ」
「エ?なんのことだか……」
ほらやっぱ怖い。
まぁそろそろ殺されそうだからやめとくけど。
買い物を終えて帰る道中。
会話をしながら帰っていた。
俺たちは一応元不良だのなんだの言われている為、危険なことは任されがちだ。
今回もそうだが割と扱いが雑だなと感じることがよくある。
まぁ家族の為なら仕方ないが…。
「やーほんと、扱い酷くて困るぜ…アホ毛で攻撃したらなんとかなるだのなんだの…好き勝手言いやがって」
「実際何とかなるでしょ」
「んなわけあるか」
そんなバカな掛け合いをしながら、少し思考する。
他愛もない話が出来るくらいには、今は余裕がある。
あまり危なくないようだ。
「にしても、意外と居ないもんだなゾンビって」
「あー、確かに」
「なんかもっとこう、うじゃうじゃ居るのかと思ったわ。流行ってるつっても、意外と大したことねーのな笑」
「…お前それフラぐっ、!?」
突然のことだった。
目の前に居た莉灯は、どっから現れたかも分からないゾンビに噛まれている。
これ、映像があったらあれだ。
1カメ、2カメ、3カメくらいある。
「り、莉灯ォーーーーーーーッ!!!
く、くそ、なんで……お前のことは…忘れねぇよ…多分、!」
分かりやすく叫んで涙を拭く動きをしながら、逃げる姿勢を作る。
いち早く逃げたい。
すっごく怖い。
ゾンビ怖い。
けれど、きっと最後になるだろうから、ちゃんと見ておこうと思ってもう一度莉灯に向き直る。
……平然としている。
そして冒頭に至る。
「…なんか生きたわ。なんだろ、痛くも痒くもない」
「コッッッワ…ゾンビより怖いわ、今」
ゾンビに噛まれて感染するどころか、痛みに悶えすらしてない。
なんだコイツ、人間じゃねぇ。
そんなバケモ…莉灯を噛んだゾンビは、というと。
すごくアホ面をしていた。
まるで“え、なんでなん?”と言いたげな表情だ。
そりゃそうだ、ゾンビもそんな顔になるわな。
だってこいつコエーもん。
ふと、我に返ったのか莉灯はゾンビに対して回し蹴りをかます。
反応に遅れたゾンビはされるがままで、そのまま倒れていった。
「…おい、帰るぞ早く」
目の前でめっちゃ急に無言で回し蹴りをしている死ぬはずだった家族を見ているこちらの気にもなって欲しい。
怖いよ、普通に。
「…ハイ」
こうしてまた帰路に着く。
ゾンビは愚か、人かすら分からない家族と共に。
後日談
「ねぇ莉灯!ゾンビ噛まれたって聞いたけど大丈夫なの!?」
「あー全然大丈夫、ありがと逢留」
「…文翔兄ちゃんからも聞いたけど、噛まれて平気って、やっぱ人間じゃなくてバケモ」
「蒼空、今自分に殺されるのとゾンビに噛まれるの、どっちがいい?」
「スミマセン」