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ku「テレビちょっと音上げていい?」
ko「いいよー」
(リモコンの ピッ という音に、coが一瞬だけ肩を揺らす)
re「……今の音、そんなびっくりするやつやった?」
co「え?あ、全然。ちょっと考え事してた」
re「…」
ご飯中。
箸が皿に当たる カン という音。
coの手が一瞬止まる。
yu「co、食べないの?」
co「んー、あとでいいや」
ku「珍し。体調悪い?」
co「いや、大丈夫。お菓子食べ過ぎたかも」
koは何か言いたげにcoを見るが、coは気づかないふりをして笑う。
食後。
ku「お風呂、先入るねー」
re「じゃあreあとでー」
ドアが閉まる。
シャワーの ザーッ という音。
coはソファの端で、いつの間にかフードを深く被っている。
ko「暑くない?」
co「平気平気」
reが、今度ははっきり眉をひそめる。
re「…最近さ」
co「なに?」
re「reたち、うるさい?」
一瞬、空気が止まる。
co「……そんなことないよ」
その夜。
kuが階段を駆け降りる音。
ドタドタドタ
coは反射的に耳を塞ぎ、息を詰める。
ko「coくん?」
気づかれた、と思った瞬間。
co「……ごめん、明日早起きして行きたい場所あるからもう寝るね!」
全員が見る。
ko「…おやすみー」
ドタドタっ
re「coくんが早起きしてまで行きたい場所…?」
yu「明日…何かあるのかな」
ko「んー…とりあえず好きにさせとく…?」
ku「無理に深掘りしちゃうと…ね」
yu「じゃあ自分で言ってくれるの待とっか」
~coの部屋~
coside
明日…朝イチで病院行こ…
自分でも思うけど僕が自分から病院行きたがることあるんだ…笑
おやすみー…
朝
♪♪♪(アラーム)
co「!!ぅるさっ…!」
みんな起きちゃう…!音量設定小さく…って1番小さい…?なんで、?
病院…、行こ
~iris病院~
病院もいつもよりうるさい、…外よりはましだけど…
全然人いないのに
ht「え?coくん?え?見間違い?」
coが顔をしかめる
ht「っえ…?大丈夫?診察室、空いてるから入って…」
co「…あの、…僕が、…病院来たこと、みんなには黙っててください、…」
ht「…わかった。連絡はしないでおくね」
if「え?coくん!?1人で来たん?」
co「っ、はい…」
ru「大丈夫?どうしたの?」
co「最、近っ…耳が変で、前より大きく聞こえて…」
if「大体どれくらいって説明できる?」
co「今日の朝、アラームかけてたんですけど…、前までは最大音量くらいに聞こえてた音が設定見たら1番小さかった…ぐらいですかね」
if「今の俺の声もうるさい?」
co(頷く
if「ru、イヤーマフ持ってきて」
ru「おけー、何個か持ってくるね」
if「…“聴覚過敏“やな。薬も処方するから、うるさくて耐えれへん、ってなったときに飲んで。3時間くらいは音小さくしてくれるはずやから」
co「はい…、」
if「また、耳おかしいってなったら来てな。みんなには伝えんとくから。」
co「ありがとうございますっ…」
ru「イヤーマフ、何個か持ってきたよ。できるだけヘッドフォンっぽいやつそろえたけど…」
if「ちょっとcoくんこっちの部屋(防音室)来てー」
if「今から、1番音が大きい時に音量合わせた環境音流すから、イヤーマフつけ比べしてみてー」
…ザワザワ
…
if「どうやった?」
co「多分1番遮断されてるんだろうな、っていうイヤーマフでも結構つらいです、」
if「そっかぁー…でもこれ以上遮断されるやつはないから…薬飲んだり防音室籠もったりしてしのいでみて」
co「頑張ります、」
if「無理しすぎると鼓膜破壊されて耳聞こえなくなる可能性もあるからやばいと思ったらすぐ静なところに逃げて。」
co「ダンス練の時って…、」
if「っー…あんま参加して欲しくないけど…言い訳ほしいよな…」
if「……正直に言うと」
co「……」
if「ダンス練、音量的にかなりきついと思う」
co「……ですよね」
if「やから、俺から“一時的に耳の炎症で大音量禁止”って診断書出そっか?」
co「え、でも…」
if「病名はぼかす。“強い音刺激で悪化する可能性あり”だけ書くから」
ru「それなら、みんな心配はするけど深掘りはしにくいね」
co「……それで、バレない、ですかね」
if「koくんあたりは勘づくかもやけど、coくんが隠したい理由までは踏み込まんと思うで」
少しだけ考える。
co「……いや、いいです。無理なときは逃げます」
if「っ…そっか。じゃあマジで無理だけはせんといて。無理やと思ったら何らかの体調不良訴えてその場から逃げてな」
受付
ht「……これ、イヤーマフ。病院用だけど、外でも使えるやつ」
co「え、いいんですか」
ht「“貸し”ね。見つかったら病院のロゴとかあってバレるから。それと……帰り道、できるだけ静かなルートで帰りなね」
co「……はい」
ht「また限界来たら、ここ戻ってきてもいいから」
co「……ありがとうございます」
ht「無理しないでね、ほんとに」
~iris病院・帰り道~
イヤーマフを深く被り直す。
これ、外したら多分無理だな……
でも家の前で外さないと、変に思われる。
玄関前。
深呼吸して、
イヤーマフを外す。
……ガチャ
鍵の音が、頭の奥に響く。
co
(っ……)
反射的に眉が歪むのを、必死で抑える。
~家~
yu「おかえりー」
co「ただいまー!」
少しだけ、いつもより明るめの声。
re「どこ行ってたん?」
co「散歩ー。朝早かったし」
re「珍し」
co「たまにはね」
koが、coの顔をじっと見る。
co
(見られてる……?)
co「な、なに?」
ko「え?あ、……いや、…日焼けした?」
co「え、してないと思うけど」
ko「そっか」
それ以上、聞かれない。
昼。
kuがテレビをつける。
ピッ
coの指が、ぎゅっとズボンを掴む。
ku「音量これくらいでいい?」
co「うん、ちょうどいい!」
本当は、全然ちょうどよくない。うるさい。頭痛い…
下げて、って言ったら…また変に思われる
reがキッチンで皿を置く。
カチャン
co
(っ……)
一瞬、肩が跳ねる。
re「……ごめん、うるさかった?」
co「え?全然!reさん部屋行ったと思ってたのに音してちょっとびっくりしただけ!」
被せるように笑う。
reは一瞬だけ何か言いたそうにするけど、何も言わない。
夜。
ダンス練の話になる。
yu「明日、音ちょい大きめで通す?」
co「……あー」
co「…良いと思う!」
言い切る。
re「じゃあ、それでー」
~coの部屋~
co side
薬、飲んどこ……
コップに水を注ぐ音が、やっぱりうるさい。
薬を飲んで、布団に潜る。
co
今日も……バレてない
でも、いつまで、もつんだろ
~ダンス練のスタジオ~
スピーカーの前。
音量チェック。
ku「じゃ、流すよー」
co「……うん」
♪♪
音が流れた瞬間、coの肩が一瞬震える。
大丈夫、大丈夫……
薬、まだ効いてる
振り付けを追う。
カウントを数える。
床を踏む音、息遣い、スピーカーの低音。
全部、重なって殴ってくる。
yu「coくん、ここどう?」
co「……え?あ、ここは……」
一拍、遅れる。
ku「……co?」
co「ごめん、今のもう一回!」
笑って誤魔化す。
音が上がる。
coの視界が、少し白くなる。
やば……
耳の奥が、じんじんする。
ko「5分休憩入れよ」
救われた、と思った。
co「水取ってくる!」
早足で部屋を出る。
廊下
ドアが閉まった瞬間。
co「……っ」
壁に手をついて、膝が折れそうになる。
うるさい……
全部、うるさい
遠くの練習音が、壁越しでも刺さる。
耳を塞ぐ。
息が、浅い。
まだ……バレてない
戻らなきゃ
数分後、何事もなかった顔で戻る。
~帰宅後・夜~
「お疲れー」
「お風呂誰から?」
co「僕、最後でいい」
静かになる時間まで、待ちたい。
~深夜~
全員、寝静まった頃。
coの部屋。
イヤーマフをつける。
……それでも、外の雑音が聞こえる。
なんで……
布団に潜る。
心臓の音が、うるさい。
ドクン、ドクン。
これ、僕の音なのに
手が震える。
薬、もう効いてない。
明日も……これ?
喉が詰まる。
声を殺して、息を吐く。
嫌だ……
涙が、止まらない。
助けて、って言ったら
楽になるのかな。
でも、
言ったら……
全部変わる。
布団の中でイヤーマフを手で押さえる
次の日
~ダンス練習室~
ku「じゃ、通すよー」
♪♪
音が入った瞬間、coの指先が強張る。
……近い
音が、近すぎる
薬は、飲んだ。
なのに。
音量も、昨日より小さいのに。
低音が、床を叩く。
yu「coくん、次!」
co「……っ」
返事をしようとして、喉が詰まる。
音が、少し下がる。
キン、と耳鳴りがして――
……あ
視界が歪む。
ko「coくん?」
一歩、踏み出そうとして。
足が、抜ける。
ドンッ
床に倒れる音。
「co!!」
「音止めて!!」
音楽が止まる。
でも、coの中では止まらない。
心臓の音。
呼吸の音。
全部が、うるさい。
……やだ
耳を塞ぐ。
震えが、止まらない。
re「聞こえる!?」
coがうっすら目を開ける。
co「……だい、じょ……」
最後まで、言い切れない。
ko「……救急呼ぶ」
co「……や……」
ko「今は黙って」
~iris病院~
ストレッチャーの揺れ。
天井の光。
coは、ずっと耳を塞いでいる。
ht「coくん!」
受付の声。
htは一瞬で状況を理解する。
ht
「……音、全部落として。ストレッチャー、ゆっくりで」
coの耳に手が触れないよう、距離を保つ。
ht「coくん、イヤーマフある?」
coがかすかに頷く。
ru「持ってる。今つけよ」
ruは鞄からイヤーマフを取り出して、coに装着する。
co「……っ、」
診察室
if「……倒れたんやって?」
ko「ダンス中に…」
if「一旦、koくん戻ってもらってもいい?」
ko「…はい」
ifは、coの表情を見る。
if「薬、飲んだ?」
co(頷く
if「……それでこれか」
責める声じゃない。
事実を確認する声。
if「言ったやんな?」
co「……」
if「無理な時は逃げろって。koくんにダンス休ませるって言わんでいいって言ったんcoくんやんな?」
co「……」
if「なんで逃げんかった」
co「…まだ、大丈夫だって思って」
if「嘘やろ。本当は?」
co「…バレて、迷惑かけたくなかった」
if「倒れるのよりもバレた方が迷惑?」
co「っ…それはっ、…」
ru「co、こっちの部屋、移動しよ」
ruの声は、必要最低限の音量。
ru「光、落とすね」
if「……一晩、入院な」
co「……え」
if「聴覚過敏、悪化してる」
co「……」
if「これ以上我慢したら、治らんくなる」
はっきり言う。
if「coくん、今日一日だけ入院させるわ」
ko「……わかりました」
if「理由は、本人が言うまで聞かんといてあげて」
ko「…、はい」
~病室~
静音設定。
カーテンも閉められている。
coは、イヤーマフをつけたまま、ベッドに横になる。
知ってる人たちの前で、倒れた。
……情けない
htが、水を置く。
ht「…あの時さ…朝イチで来た時。」
co「……」
ht「限界近いって、顔してた」
co「……でも、普通でいたかった」
ht「……うん。でもさ、…普通って、我慢のことじゃないよ」
co「……でも、我慢しなくても普通じゃなくなる」
ht「…”今の自分”を早くから普通に落とし込めれば今の自分が”普通”になる」
ru「今日は、ここで休も。音から、逃げていい日」
co
「……」
静かな場所のはずなのに
自分がうるさい
自分の鼓動が
自分の頭が
ずっとうるさい…
治るのかな、これ
みんなに話した方が楽?
分かんないよ
嫌われるかもしれないし
無理に気、つかわせる。
ru「水のむ?」
co(頷く)
ru「何かあったらナースコール押してね」
次の日の朝(5:30くらい)
…もぅ、朝か
太陽、昇ってきちゃった
鳥の声、うるさい
頭に響く…
…おなかすいたなぁ
水取りに行こ…(廊下にウォーターサーバー的なのがある)
if「あ、coくん、おはよ。あとで診察行くから待っててな」
co「おはよーございます、」
if「…いつも早起きするタイプやったっけ?」
co「最近…早いんですよね」
if「そー…、なんや」
「診察、すぐ行こか?もうちょっとゆっくりしとく?」
co「正直診察は…嫌、ですね」
if「じゃあはよ終わらしとこ、ruとすぐ行くわ」
co「えっ(;゚ロ゚)」
コンコン「失礼しまーす」
ru「おはよー、耳どんな感じ?寝れた?」
co「………寝れました」
↑寝たの30分だけ(外の音で起きた)
if「本当に?寝不足感すごいで?」
co「ちょっとだけ…」
ru「どれくらいの時間寝てた?」
co「ッスー………1時間、は寝てない…ですね」
if「それを寝たとは言わん」
co「っ…」
ru「今日、一応退院だけど…まだ居たかったら居てもいいよ」
co「いや…今日帰ります」
if「じゃあ、今日から夜ご飯のあとに飲んで貰いたい薬があるから、koくんに伝えとくね」
co「ありがとうございます、」
ru「朝ごはんだけ食べてから帰ろっか」
co「はい」
―――――電話
if「koくんー?」
ko「もしもし、ifくん?どしたの?」
if「今日coくん退院にしようと思ってるんやけど、今日の夜ご飯後から飲んで貰いたい薬があってさー、」
ko「うん」
if「家に”ロゼレム”ってある?」
(医療用の睡眠薬)
ko「っえ?あるけど…?、」
if「そー。理由は今日coくんが話してくれると思うから伏せるけど、今日1時間も寝れてないみたいなんよね」
ko「ぅん、…分かった。今日の夜ご飯後からだよね?」
if「うん、お願いー」
ko「はーい」
―――――
yu「何の電話?」
ko「coくんの薬についてー」
co「ただいま、」
自分の声もうるさい
地声が高いせいで…めっちゃ響く
yu「おかえり」
co「……あのさ、入院してた理由、みんな集まったら話してもいい?」
ko(頷く
yu「kure、呼んでくるね」
co「……僕がこの前早起きして外出てた日、あったじゃん」
re「あったな」
co「その時、実は病院行ってて…」
ku「えっ!?あ、ごめん」
koyu(coくんが自らの意思で病院行くことあるんだ…)
co「そこでさ、”聴覚過敏”って診断されたんだよね」
coがイヤーマフをつける
re「聴覚過敏…ってめっちゃ聞こえる…やつやんな?」
co「うん。僕、結構症状酷いみたいで、」
yu「いつから無理してた?ダンス練で倒れた理由ってそれだよね?耳押さえてたし」
co「…ぅん、病院行った日の…1週間前位から発症してて」
re「え?なんでみんなそんな落ち着いてんの?え?」
ku「俺らは結構勘づいてたからね~」
re「reもへんやなーとは思ってたけど…」
ko「分かりやすかったし、結構序盤でもう気付いてたよ」
co「…気付いてたのにダンス練の時”大きい音で通そう”って言ったの、?」
yu「確認のつもりだったんだよね…聴覚過敏なら否定するかな、って」
co「…っ」
ku「…で、今は聴覚過敏、どれくらい酷いの?」
co「…、えっとー…このイヤーマフつけて、薬飲んでて…騒がしい公園、位の音量…かな?」
ko「このイヤーマフ…結構遮断してくれるやつだよね?」
ku「今の俺らの声もきつい?」
co「なんかもう…慣れちゃった、、最近は頭痛くなってたのもましになってて」
yu「んー…そっか…」
re「これから…できるだけ静かに過ごすな」
ko「ちょっとずつ環境音、慣れていけば治るはずだから」