俺には父親の記憶がない。正直、なくても良い。
小学生の頃、サングラスを掛けた身長の高い男が俺を訪ねた。
「君のお父さんはさ、禪院って言う良いとこの術師の出なんだけど、僕が引くレベルのろくでなしで。お家出て君をつくったってわけ。」
聞いてないし。俺が産まれたら出ていったやつだから、そんなこと大体わかっていた。
「君はどうする?禪院、行きたい?」
親父が出ていった所だ。相当やばい所なんだろう。行きたくないに決まっている。
そんな高身長の男はハロウィンの日、封印された。早く助けに行かないとなのに、ある一人の男に足止めを食らっている。凄く強い。こんなの勝てるはずがない。ふざけんな。何でこんな強いんだよ。面倒くさい。
「お前、名前は。」
突然聞かれた。びっくりした。でも一応答えた。
「、、、伏黒。」
すると、男は何かに気付いたみたいに、
「禪院じゃねぇのか。」
ドチュッ
「良かったな。」
は?禪院?行くわけないだろ。あんな知らない高身長の男に聞かれたんだから。怖くて行けないだろ。、、、でも、なんだろう?この頭の中の奥底から記憶が引っ張り出される感覚は。
、、、父親?
いいや。違うだろう。そもそも俺には親父の記憶なんて、無いんだから。
コメント
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ねぇやばいフォロワーさん方が急上昇なんだけど、どうすれば良い(とても嬉しい)