浩介の手首を掴みながら、弘人は心配そうに麗の顔を覗き込んできた。
「大丈夫?怪我はない?」
「は、はい…。大丈夫です…」
咄嗟に返事をしながらも、麗の頭の中は混乱していた。
(何で藤堂さんがここにいるの?さすがに偶然この店に居合わせたってことはないよね…?)
そんなことを考えながら弘人を見つめていると——
「ちょっ…!何するんだよ!」
そう言って、浩介は掴まれた手を必死に振り解く。
そしてすぐに手首を確認し、大きくため息をつきながら椅子に腰を下ろした。
「あーあ…赤くなってる。…ったく、僕が何をしたって言うんですか?」
「北村さんに手を上げようとしましたよね?」
弘人がそう言うと、浩介はとぼけたような顔をする。
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