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海
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ピコロン⚡(一週間メイド化)
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「ふぅ、こんなもんかな」
目の前にいた男(同級生くらいかな)がそう呟いた。すると、そいつは俺に手を差し伸べてきた。
「初めまして。僕はルークス。君を召喚した魔法使いだ」
(ルークス。何度も漫画の中に出てきた名前だ。彼は勇者パーティの一員。魔法使いの中では名の知れた有名人らしい。)
「君、名前は?」
「俺は勇弥。よろしくな!」
(これから共に進む仲間だ。仲良くして損はない。)
「ユーヤか。あぁ、よろしく!召喚されて早々で申し訳ないんだが、今から着替えて王様に会ってもらいたい。その後でいろいろ話したいことがあるんだが…いいか?」
(この国の王様。名前は確か「ゼルヴァン13世」だっけ?ゼルヴァン2世が魔王に末代までの呪いをかけられたせいで、それ以降の王様はみんな体が弱く、早死にするらしい。だから、たまーに起きてる時くらいしか挨拶ができないんだっけ?ってことは、今珍しく起きてる時ってことか。)
「準備できたか?」
着替え終わった俺に、ルークスが声をかける。(てかコイツ、さすが漫画のキャラというべきか、顔が整いまくってる。それに性格も良すぎてる。俺は引き立て役か?俺一応主人公だよな??)
「…?どうかしたか?体調でも悪いか?」
(ほら。こうやって気遣いもできてしまう。)
「いや、ごめん。ボーっとしてた」
「体調不良じゃないのなら良かった!それにしても…その格好、よく似合ってるじゃないか!」
(一応俺は勇者として、人類の救世主として来たわけだから、かなり優遇されている。この衣装も、ちゃんといい素材が使われているらしい。)
そういえば、王様に関する話…というか、これから俺たちが経験する流れを思い出した。
(王様の“呪い”。実はあれは呪いじゃない。毒による体調不良であって、呪いなんてかけられていないんだ。つまりどうゆう事か。そう。
漫画の中では内通者?についての言及はなかったが、せっかくだし、その犯人を捕まえたい。好奇心のせいでもあるが、俺は人の不幸を見逃すような事はしたくない。
そこで俺の考えだ!犯人の特定自体は、恐らく簡単だ。なぜかって?それは、俺の味方になる人物に、犯人の特定が可能な人がいるからだ。)
「さて、時間までこの部屋で待機していようか。それと、僕らと共に旅するメンバーの紹介をしようか!」
ルークスに案内された部屋の扉を開けると、すでに女性が2人いた。
「お!あんたが勇者サマか!」
と背が高く、筋肉(胸の膨らみも含める)が立派な、赤毛の女性が言う。
「アタシはヴァルナ!戦闘なら任せてくれ!これからよろしくな!!」
ヴァルナは俺に手を差し伸べる。
「俺は道永勇弥。よろしく!」
俺はその手をとると、ヴァルナはニコニコしながら力強く握手をした。俺の手は、すでに三途の川を見ているようだ。
「ちょ、ヴァルナちゃん!力が強いよ…!」
俺の代わりに可愛らしい少女が訴えてくれた。
「え?あ、すまん!気分が昂ってしまった!ユーヤ、大丈夫か?」
「あぁ、一応な…。でも、歓迎してくれて嬉しいよ」
とは言ったものの、俺の手は悲鳴をあげ続けている。
すると、さっきの少女が俺の前に来て、上品な振る舞いで挨拶をした。
「初めまして。私はネド・イサエルと言います。『ネド』と呼んでください。…手、痛めてませんか?良ければ、私に診せてください」
俺は言われるがまま、彼女に手を見せた。すると、温かいような、落ち着くような、不思議な感覚に包まれた。そしてどんどん痛みが引いていく。
「ご覧の通り、私は傷や病気などの治療ができます。もし何かあれば、すぐに教えてくださいね、ユーヤさん!」
彼女は俺に眩しいほどの笑顔を向ける。
(ちなみに俺の推しはこの子な!ネドちゃんに名前呼んでもらえた!!ということで、俺は浄化されそうになった。)
「…【プラズマ】」
ルークスがそう呟くと、俺の体に静電気より強い電流が走った。
「いでででで!!」
俺は思わず声を上げた。
「ユーヤが昇天しそうだったから、連れ戻してあげたよ!…というか、君…そうゆう子が好みなんだ〜」
(なんか変な目で見てないか?こいつ。否定は出来ないけどよ!)
(気を取り直して、さっきの話だ。犯人の特定が可能な人物。それは『ヴァルナ』だ。
この世界には必ず、人それぞれの“能力”がある。ルークスは【全ての魔法を自由に使える】。さっき俺に電気を流したのも、魔法によるものだと思う。ネドちゃんは【見つめている生物を治す】。そしてヴァルナは【相手の情報を知れる】。この能力があれば、王様に毒を盛った犯人の特定が可能なんだと思う。さて、本番はこれから。どうやってその情報を共有するかだ。ま、ここはルークスを利用させてもらおうか!)
「なぁルークス。俺、この世界について知らないことばっかりなんだけど。さっきのルークスの電気のやつは…能力だったりするのか?」
(もう能力のことは知ってる前提でいこう!!)
「あぁ。そうだよ。というか、能力のことは知ってたんだ」
(これは…ギリセーフだろ!
ここからいい感じに全員の能力聞き出して、王様の毒の話まで持っていければ…。)
「…ふーん。ユーヤ、そんなこと考えてたんだ」
(…え?)
「僕の能力は君の言う通り。【全ての魔法を自由に使える】ことだよ。そして、その魔法の中には【相手の思考を読み取る魔法】まで含まれてる。つまりどうゆう事か、分かるね?」
(まずい。俺の心の声が全部ルークスに聞かれている。このままだと、俺が犯人だと思われて、処刑ルート突入なのか…?!)
「そうだよ。今のところ、僕らも知らない情報を知っている君が、1番怪しいからね。それじゃぁ早速…」
(やばい。俺、転生したばっかりなのに、早速やらかして死ぬの?!)
「そこ、座って〜!」
「…ん?」
(さっきのルークスの圧が急に消えて、会ったばかりの時のようなイケメンくんに戻った。状況整理が追いつかない。どゆこと??)
俺はルークスに言われるがまま、椅子に座った。
「ごめん、びっくりしちゃった?」
笑顔で俺に聞いてくる。いやびっくりしたとかじゃなくて、普通に今の状況が理解できない。
「…あ。ヴァルナとネドにかけた魔法も解かないとね」
ルークスが指を鳴らした途端、2人は笑い始めた。
「あっはははは!!ユーヤの焦り様!すっごく面白かったんだけど!!」
ヴァルナが豪快に笑う。ネドちゃんも、クスクス笑っている。
「じゃ、一つずつネタバラシをしていこうか!」
ルークス曰く、俺がルークスに会った時から、俺の心の声は聞かれていたらしい。召喚した勇者がまともな人かを確かめるためって言ってるけど…これ普通にプライバシーの侵害って言えるよな???
それでルークスは王様の毒について、初めて知る事になった。
そしてこの部屋に入った時、俺の心の声を聞くのを一旦止めて、情報をテレパシー的なやつでヴァルナとネドちゃんに共有したらしい。ルークスの声を聞きながら俺と挨拶できる彼女ら。器用すぎてるだろ。
それから俺が質問した時に、ルークスはヴァルナとネドちゃんに【喋れなくする魔法】をかけた。絶対ヴァルナが笑って、ドッキリが失敗すると思っていたかららしい。
と言う事で結論。『情報共有はあっさりと完了。ただし、俺のプライバシーを犠牲として』