テラーノベル
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🗒️亮平さんへ
リビングは広々〜
ソファーは大きいカウチソファー
家具は白黒基調のモダンな感じがイイ
客間は2部屋
ベットはクイーンサイズ
翔太
毎日更新されるノートは今や新しいお家の翔太の要望書となっている。クイーンサイズのベットに関しては異論ない。隣のページには理想の間取り(夢)と書かれた手書きの線で殴り書きされた図は映画の番宣で言っていたものと寸分違わぬ間取りに…
亮平💚『あれって番宣用のサービストークじゃなかったの…』
と呆れる。
それにしても客間2部屋が異色を放っていて理由を聞くのが恐ろしい・・・
そう俺らは今〝新居〟を探している。忙しい合間を縫って理想の間取りを探すべく齷齪している。 何処から聞きつけたのか翔太を愛す男たちがやたらと横槍を入れてくる。
蓮 🖤『やっぱりクイーンサイズ以上でなきゃ…良かった採用されてて』
お前か💢翔太にエロいベットを勧めたのは…〝隙間がね…佐久間くん〟悪びれもなく会話が弾む異常さに頭が痛くなる。
大介🩷『エッチん時気になるもんな!膝が痛くなるんだよフラットに限るにゃはっ』
康二🧡『俺は気にならへんけどなっ下から突いたげるねっしょっぴー♡』
彼氏の居る前でよくもこんな会話が出来るものだ。ある意味感心する。渦中の翔太はと言うと動画配信の仕事で初韓国に行く予定のラウールとさっきから何やら滞在中の食事の話で盛り上がっていて二人とも全く聞こえていない。聞こえていないのをいい事に変態3人は翔太の話で更に盛り上がっている。翔太は3日後には2泊3日で、あろう事か蓮とラウールの3人での韓国旅だ。隙を見てラウールに監視を頼もうと思ってる…なんせ俺は蓮が好きなことになってるんでね。
亮平💚『ラウールちょっといい?』
翔太は不思議そうに俺に視線を送ると、蓮達の方へ歩み寄り会話の中に入って行った。俺は廊下にラウールを呼び出して、蓮の家の合鍵を返した。
ラウ🤍『えっ?誕生日まだだよね?』
亮平💚『蓮にバレちゃった…上手いこと蓮には言い訳しといたから。ありがとう助かったよ』
ラウ🤍『んっ?バレたのに助かったの?変なの?』
やばい…賢いんだった….お馬鹿な奴らと関わってると脳の回転が悪い…ブドウ糖摂取しなきゃ。
亮平💚『もうすぐ韓国だよね?蓮も一緒だよね?』
頭のいいラウールはそれだけで何が言いたいか察しが付いたようで〝任せて阿部ちゃん。めめモテるもんね監視しとくよ〟ラウール完璧だよ適当にお礼を言って楽屋に戻ろうとするとラウールはスタッフに呼ばれて何処かへ行ってしまった。楽屋に居るのはあの4人だ…まずい
翔太💙『ンンンンッヤッ///ヤダやめて何処触ってんだよ///ンンッ』
地獄絵図のような光景に眩暈がする。唇を奪った康二は貪り、蓮は首筋に舌を這わすと佐久間はカチャカチャとベルトを外している最中だ。
大介🩷『急げ…帰ってきちまうゾ…あらっ…早いお帰りで…俺じゃないぞ最初におっ始めたのは蓮だからな』
翔太の腕を掴んで引き寄せると、俺に抱きついて背後に隠れると涙目になっている。〝今後は半径1M以上離れて、翔太に近づかないで!〟
辰哉💜『ういーっす?どうした翔太?何喧嘩?』
蓮 🖤『違いま〜す。しょっぴーが阿部ちゃんのおやつ食べちゃって激おこなんだよ』
翔太💙『阿部ちゃん怖い…』
*蓮 🖤『*おいでしょっぴー…よしよし』
康二🧡『阿部ちゃんそない怒らんでも…ねぇ〜』
何で翔太までそっちの芝居に乗っかってるんだよ。ふっかは〝イライラしないの亮平俺がおやつ買ってあげるからさぁ〟なんて呑気なこと言ってる。テーブルに置かれた間取り図を見たふっかが〝誰?誰か引っ越すの?〟なんて言っている。一瞬メンバー同士視線が彷徨う。
辰哉💜『クイーンサイズのベット?何誰よエロすぎ…佐久間だろっ変態だもんなお前』
大介🩷『失言だぞふっか!亮平だよ亮平…可愛い真っ白な子犬飼うんだって。毎晩その子と寝るんだって 。ちなみにうちはキングサイズだよん』
〝ありえねぇ〜大型犬なの?クイーンはないだろ〟ふっかのご尤もな感想にもっとマシな嘘つけないのかよと佐久間を睨みつける。俺は椅子に座ると目を瞑って貝になる。何も喋らんぞ…
涼太と照、ラウールも入ってきて全員揃うと佐久間の家のキングサイズのベットの話で皆んな盛り上がっている。
いつの間にか翔太が横に座ってきてそっと肩に手を置くとこっそりと耳打ちしてきた。
翔太💙『ごめんね…亮平が悪いことになっちゃって』
翔太は可愛いから許す。それに皆んなから見えないところで遠慮がちに小指を絡ませてきている…そんな所も超絶可愛い。
蓮 🖤『見えてますよ』
くそ何なんだよコイツ…慌てて離れた翔太の可愛いお手手は胸の前で組まれた。〝翔太くん手相見てあげようか?〟占い師でもないくせに、俺から離れた手にいとも簡単に触れ、いやらしく撫で撫でしてる。手相見るなら手の平だろう・・・俺の反応を見てクスクス笑っている。
蓮 🖤『翔太くんの手って柔らかいね//気持ちイイずっと触ってたい』
〝そっそう?〟なんて満更でもない顔をして頰を赤らめている…帰ったらお仕置きだな。
ラウ🤍『阿部ちゃんの手相も見てあげなよ』
事情を知らないラウールの気遣いに、佐久間は腹を抱えて笑っている。突然俺の手を握る羽目になった蓮は複雑な表情を浮かべ、ラウールは俺にウインクをすると満足げに翔太を部屋の隅に連れて行くとまた二人で話し出した。〝で?俺の手相どう?〟興味のない俺の手を、適当に見ると〝ゴツゴツしてて触り心地悪い〟クソなんなのコイツ触り心地なんて聞いてないわ!
亮平💚『翔太は大好きだけどね俺の手指が長くて綺麗だって…お茶碗洗わせてくれないんだよ』
蓮 🖤『へぇ〜そう言えば俺の指は長くて奥まで届いて気持ちイイってよく言ってたなぁ』
バンッ!
テーブルに怒りをぶつける音が響いた。賑やかムードから一気に静まり返る楽屋に、居た堪れなくなって部屋を飛び出した。落ち着け…泣いちゃう…うぅ泣くな、泣くな…
ラウ🤍『阿部ちゃん大丈夫?』
追いかけてきてくれたのは翔太じゃなかった。〝ごめん雰囲気悪くなるような事しちゃった…〟ラウールは優しく頭をポンポンと叩いて優しく撫でた。背の高い俺はあまり頭を撫でられたりする事がないから不思議な感覚だった。〝蓮って意外と気難しいもんね…諦めず頑張れ応援してる〟心がズキズキと痛む。こんな優しいラウールを騙している事がこの上無く苦しい・・・
楽屋に戻るといつもの雰囲気に戻っていた。翔太がチラチラこっちを見ては何か言いたげだったが、俺は直視出来ないでその日の仕事を終えた。
涼太❤️『亮平この後ご飯でもどう?』
亮平💚『いや…悪い少し疲れたからこのまま帰るよ。涼太が嫌でなければ翔太を誘ってあげて』
少しでも翔太と過ごす時間を短くしたかった。今近くに居ると優しく出来そうにないから一人になる時間が欲しかっただけ…少し頭を冷やしたかったそれだけの事。
明日は天気が悪くなる…低気圧の影響で〝翔太偏頭痛大丈夫かな…〟
一緒にいなくても、何処にいたって翔太の事が気になる。体調大丈夫かな?ご飯ちゃんと食べてるかな、困っていないかなって。
目深に帽子を被り、久々に電車で移動した。電車の吊り広告やビルの看板、至る所にメンバーの広告が貼られている。電車に乗らなきゃ気付かない発見がたくさんある。もちろん翔太のポスターも見かけた。その度に翔太の事を考える。今〝うまっ〟て声を発し口角を上げて涼太と楽しくご飯を食べてるのかなって想像しただけで胸が温かくなった。
最寄駅の一個手前で降りると、そこから歩いて帰る。段々と暗くなってきた都会の街並みは夕陽に染まり俺の影を長くする。前を歩くカップルの影が俺の前まで伸びてきてイチャイチャしている。
自分で遠ざけたくせに隣に翔太が居ない事が、伸びていく影が独りぼっちなのが寂しかった。
前を行くカップルに顔を横に背けると、そこは家具屋さんで思わず店内に引き寄せられるように入ると隅に飾られていたクイーンサイズのベットに目が止まった。北欧風のモダンなデザインで翔太の要望にも合う白と黒が基調なのに何処と無く温かみのあるモノトーンカラーで一目惚れしてしまった。写真を撮って帰った。
鍵を開けて中へ入ると翔太が飛び出してきて、予測できていなかった俺は後ろに仰け反る形で倒れ込んだ。翔太は俺の首にぶら下がったまま俺の上に乗っかって泣いている。
翔太💙『亮平!うわぁーんうぅう゛』
亮平💚『なっ何どうしたの?涼太とご飯は?ちょっと痛い叩かないでよ』
猫パンチが繰り出されそれなりに痛い。子供みたいにわんわん泣いている。〝よしよし大丈夫だからもう泣かないの〟頭を撫でると少し落ち着いた翔太は〝避けてたろ…俺の事…もう嫌いになっちゃった?〟あぁ可愛い…俺の事が気掛かりで涼太の誘いを断ったらしい。悪いことしちゃったな…
亮平💚『ごめん…ちょっと蓮に嫉妬しちゃって翔太に優しく出来そうに無かったから少し頭を冷やそうと思って』
最近思った事はちゃんと言えるようになった。それも冷静に落ち着いてから感情任せにならないように…。 本音をぶつければ、翔太も素直な気持ちを返してくれる。
翔太💙『怒った亮平も嫌いじゃないよ////』
亮平💚『蓮にデレデレしてる翔太は嫌〜い』
翔太は頰を膨らませ〝そんな事ないもん〟なんて言ってるけど明らかに手を握られて嬉しそうだった〝あっそっ〟と素っ気なく言うとリビングのソファーに腰掛ける。翔太はバツが悪そうにちょこちょこと後を追いかけてきた。やっぱり優しく出来ない…出前のピザを頼み届くまでの間、パソコンで新居の物件探しを行った。
翔太 side
頭冷やしてきた割にはあんまり優しくないんだけど…さっきから無言でパソコンを覗き込んでいて話しかけづらい。お風呂の準備をしようと立ち上がると腕を掴まれてソファーに戻された。
亮平💚『何処行くの?さっきから余所余所しい。俺に言えない事でも蓮とした?』
何で蓮の名前が出るんだよ….蓮の事になるとやけに敏感で嫉妬深い。亮平は気持ちを溜めなくなった分嫌な事もストレートにぶつけてきて…殆どが誰かに嫉妬しての事だけど、その後絶対身体を求めくるからちょっと嫌だ。ほら今も、俺に伸びてきた亮平の手がイヤらしくお腹をなぞっている。
エッチは嫌いじゃないけどこう言う時の亮平は激しくて…怖い。
翔太💙『お風呂の準備しようと思っただけだよ?蓮とは何もないよ。信じられないの?』
最後の一言は余計だった。気づいた時には亮平のスイッチを押してしまっていた。〝信じられないような事してるのどっちよ〟そう言い放つと後ろに押し倒された。狭いソファーからズルズルと床に落っこちると上に跨ってきてすごく 怒ってる。
亮平は腰をイヤラしく撫でたり指を触ったりしている。
亮平💚『俺以外からされて嬉しいの?何でやめてって言わないの?』
何の事だからさっぱりだ。ポカンと訳わからないと言う風に聞き入っているとそれが余計に頭にきたらしく激昂している。カルシウム不足じゃないか…
亮平💚『翔太にとったら普通の事なんだね!俺はすごく嫌なのに』
とりあえず〝ごめんなさい〟と言うと、分からないくせに謝らないでと言われる始末だ。余計な事はもう言わないでおこうと黙っていると〝何黙ってるのよ〟と怒られた。
翔太💙『僕今日から貝になります』
亮平はキョトンとした表情で俺を見るとクスッと笑った。何だよ感情の忙しい奴だな…
亮平💚『俺も今日同じ事思った。ごめんね色々と感情が忙しい…翔太と居ると自分の欠点がよく見える…ごめんなさい俺嫌な奴だね』
亮平はソファーに座り直すと俺を両手で引き上げ〝韓国行かないで…心配だよ〟あぁそれでこんなに情緒が不安定気味なのか。
翔太💙『毎日電話するからねっ大丈夫仕事なんだから…それに3人別々のホテルなんだって。同じところが取れなかったらしいよ』
亮平にとって何が安心材料になるんだろう。よく分からないから変な事は言わない方がいい。
翔太💙『これオススメの物件佐久間が紹介してくれたよ。韓国から戻ったら内覧に行こう?』
亮平はようやく笑顔になった。不安にさせてるのはいつも俺だ。亮平は床に座り込んで物件の間取りをじっくりと見ている。お勧めされたのは4軒だ。どれも理想としてる間取りに近い。亮平の背中に顔を乗せて背後から腰に腕を回すと抱き竦めて俺も床に座った〝お気にの物件あったぁ?〟亮平は真剣に見ているみたいで〝ん〜〟と唸っている。
亮平💚『どれも却下』
亮平は乱雑に紙を床に置くと、急に後ろを振り返って俺を床に押し倒した〝なっなに?〟鋭い目付きで顔を近付けると耳元で〝この物件見て何も思わない?〟何事故物件とかじゃないよね…どれも割と新しいマンションだけどな。
亮平💚『1軒目バルコニーが広々で最上階これ蓮と同じマンションね 』
えっ…よく見ると蓮のマンションに似てるかも。
亮平💚『続いてこちら、コンクリートと打ちっぱなしのモダンでインテリジェンスな室内空間。脱衣場が広々で開放的なお風呂が魅力の物件は康二のマンションと同じ』
翔太💙『ちょっちょっと嘘待って』
俺の事など一切無視の亮平は〝続いて、広々な寝室はキングサイズのベットも問題なく設置可能。お友達も泊まれるように客間も2部屋完備。こちらの物件は佐久間と同じマンションです〟早口で苛立ちを露わにしながら話し終えると〝では翔太くんのプレゼンどうぞ〟と怒ってるのに楽しそうだ。
翔太💙『あの…気付きませんでごめんなさい。でも最後の物件はねイイ物件だよ。全部の要望が叶うし、それに俺の行きつけのサウナの目の前なの魅力的じゃない?』
亮平もよく行くサウナだし、仕事終わりに寄ってすぐ家に帰れる好立地な4軒目のプレゼンをすると目の前に見せた紙をビリビリと破く亮平は笑ってなくて怖い。
亮平💚『翔太くんと一緒にサウナに入った後すぐにお家に転がり込める特典付きのこちらの物件は3人の居宅のちょうど真ん中に建つ非常に好立地な物件となっております』
引っ越すの辞めようかな…
そう思ってしまう程、新居を探すのは難しい〝りょ亮平は間取りの要望はないの?〟イヤらしくお腹を撫でエッチの合図を送る亮平は…
亮平💚『朝日が差し込む東側に寝室…翔太の白い肌がピンク色に染まって腰を振る姿が見たい。キッチンカウンターが広々…そこに翔太を乗せてエッチしてみたい。あとはやっぱり角部屋でお風呂がガラス張り…しょ』
翔太💙『もうイイ…分かったから////亮平さんにお任せします…これ以上聞いてらんない////』
亮平は俺のシャツを脱がすと胸の突起を口に含んでゴニョゴニョとまだ喋ってる。家建てた方が早いんじゃないかってくらい亮平の理想の間取りは見つかりそうもない。お互い裸になるとゴツゴツとしたリビングの床で抱き合った。
亮平💚『床の防音は必須だね』
翔太💙『理由が全部エロいんだよ… 』
バカみたいに貪り合う夜。冷たいリビングの床で音を気にしながらピザ待ちの僕らは、不乱に愛し合った。
コメント
14件
しょっぴー💙が、阿部ちゃんの嘘(蓮のことが好きという嘘)を知らないのは何かの火種になりそうだなあ🤔
終始ニヤニヤしながら読みました💙 みんな素直になりすぎて 欲望溢れすぎてて笑う🤣 いいお家見つかって欲しい🤣 (ちなみに私は怖いが勝ちすぎて事故物件見れてないのですが、客間2部屋は映画に出てきた間取りなのでしょうか?)
ピザって割とすぐ来ちゃうけどだいじょぶそ???😝