💚side
もう、ひと月近くも、俺は翔太として過ごした。
ドラマの撮影も始まってしまって、春になる頃には俺が演じたシーンが全国に放送されるだろう。
そうなれば、俺はメンバーだけじゃなく、日本中の人も騙したことになる。
そして、それは翔太も同じ。
俺がこだわっているのは、その大きな嘘に比べたら小さいことなのだろうか。
佐久間と話してからしばらくして、いよいよ満月が目前に近づいて来た夜に、蓮が、久しぶりに家に泊まりに来た。
🖤亮平、今日はちゃんと話がしたい
💚(in💙)俺も話したい
🖤このひと月近く、色々あったけど、俺は本当に亮平が好きなんだなって思った。
💚(in💙)……
🖤見た目はしょっぴーだけど、見た目に惑わされずに、好きなのは中身なんだなって思えてるんだ
💚(in💙)本当に…?
🖤俺が嘘を言ってるように思う?
俺は首を振った。
蓮は入れ替わりが発覚した後も、冷静に、いつも俺のそばにいてくれた。
困っている時も時間の許す限り力を貸してくれた。
どうしてそれを疑ったりできるだろう?
俺は何も分かってなかったんだ。
見た目に惑わされていたのは俺の方だったんだ。
💚(in💙)蓮、好き
🖤俺も。早く本物の亮平に会いたいよ
💚(in💙)俺も、会わせてあげたい…
蓮の腕の中で、俺は泣いた。
久しぶりに蓮の前で流した涙は温かい愛情いっぱいの幸せな涙だった。
コメント
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めめの言葉はいつもまっすぐで いいですね🥹 続き楽しみにしています💖