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ある朝の悪夢
これは、実際に僕が体験した悪夢の話である。
一月八日。まだ日の昇らぬ時に起きてしまった。家族全員がいびきをかいていたくらいの時間だ。体内時計では、午前四時に差し掛かろうというところだと思った。初めのうちは考え事にふけていたが、そのうち気が付かないまま眠っていた。
ある日の、とある塾の、とある教室にて。その教室は、僕が普段通っている塾の教室に似ていた。僕は、一番窓側の席だった。塾では、どうやら講義を行っていた。恐らく冬期講習だろう。そういえば、七日は風が強かった。
ちょうど2コマ目が終わろうとしていた時、事務の人から「空調機器が壊れた」との連絡が入った。僕はどうでもいいなとか思いながら、講義を聞いていた。
2コマ目が終わると、扉と窓が開けられた。というのも、僕の塾では休み時間に換気を行うのだ。
それなりに強い風が、僕の後頭部に吹き付けた。僕は寒いなとか思いながら、ボーっとして休み時間を過ごした。
3コマ目が始まっても、窓は閉められなかった。あまりの寒さに耐えかねたのか、事務の人がサボったのだろう。
風が更に強くなっていった。例えるなら、台風ぐらい強い風だったと思う。ノートやテキストは、飛ばされそうになったので、一旦鞄に入れた。でも、講義は続いた。先生はスーツ姿だからあんまり寒くないのかな?
しかし、風は弱まるどころか更に強くなっていった。僕は命の危険を感じ、咄嗟に机の下に隠れようとした。が、遅かった。
僕は元々から風に弱く、強めの風が吹くとどうしても流されてしまうのだ。脚力が無さ過ぎて。だから、当然のことながら前に流されそうになった。前は机があったので、助かった―と思えば、右側に落ちていた。
気づけば、先生も講義を中断していた。流石に風が強すぎたのだろうか。しかし、そんなことは僕にとってはどうでもよかった。体勢を整えることが最優先だった。
しかし、風は強さをどんどん増していき、それは不可能になってしまった。何とかして壁に衝突するのだけは防ごうと、机にしがみついたりしてなんとか耐えた。
そこに、どういうわけか雪が加わった。雨が降りそうな天気でもなかったのに、突然雪が降ってきた。風も相俟って、吹雪のような状態だった。教室にも雪は入ってきて、もう教室は滅茶苦茶だったと思う。僕は自分のことばかり意識していて、周りの状況は分からなかったが、きっと滅茶苦茶だったと思う。僕は、必死で助けを求めた。何と言ったかまでは憶えていないが、大声で叫んだことだけは憶えている。
救急車のサイレンが聞こえてきた。僕は少し安堵したが、しかし、音が低くなった。遠ざかってしまったと思い、もうだめだ―
そこで目が覚めた。朝日の光が寝室に差し込んでいた。もう午前八時になっていた。僕は、居間に向かった。僕は、テラーのベルでこのことを書くことを思いつき、PCを開いた。あぁもう、最悪な悪夢だった。
ピーポー、ピーポー、…と、低くサイレンが鳴り響いた後、そのサイレンは鳴り止んだ。