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瑠璃マリコ
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大根おろし
29
もな
21
46
つぼみのまま枯れていく花のなんと虚しいことか。花の見所は言うまでもなく、花である。
「何言うとるんやお前」
と言いたいでしょうが、まぁ聞いてください。
今、私が言った花は全てを指しているのです。
いや、あなたではなく、
種からつぼみから花までひっくるめて花と言っているのですよ。
あぁ納得していただけましたか。
それはそれは
花が花じゃなかったらどう思いますか?
花が咲かずに枯れるのです。
つぼみのまま枯れていく花のなんと虚しいことか。
「結局何が言いたいのさ」
「言いたいことなどありませんよ」
は?と間抜けな声を出した。してやられた気分
「前から思っていたけれど、君は僕が嫌いだろう?」
「えぇ、それはもう。」
「僕には君がなぜ僕を嫌うのか一体全体見当もつかないのだけれど」
ダンッと、足を鳴らした。随分と苛立っているようだが、随分と爽やかな顔をしていた。もしも僕の耳が聞こえなかったら。苛立っていることなど分からなかっただろう。
「ともかく、本題へと移りましょう。」
さっき苛立ちから足を鳴らしたとは思えない爽やかさだった。
「僕にとっての本題はなぜ僕が嫌われるのか、なんだけれど。」
「本題なのですが。」
聞いちゃいない。
「私の彼女の話です。」
「………彼女、?」
「間違えました。私の未来の彼女の話です。私の彼女が誘拐されたのです。」
こいつは妄想癖がある。一時期僕の妹が彼の婚約者になっていたことがある。もちろん彼の妄想だが。
「先程の発言を前言撤回致します。依頼をしに来ました。あなたにしかできない依頼です。」
「依頼は責任だろう?まずは聞かないことには始まらないよ」
………
彼女のご両親は厳しい方で色恋沙汰なんてもってのほか、と言っても耐えきれなくなったそうで、彼女に思いを寄せていた男に頼み込んだそうです。
「私を誘拐して」と
でも、彼女の親御さんは諦めの悪い人ですから。現に彼女も何度か逃げ出しましたが連れ戻されていました。確実に逃げるためにはもっと遠くに行かなければいけない。
そこで彼らは私を頼りました。600万用意しろ。と、彼は私に言いました「600万用意すればお前に彼女を渡してやる。」私は感動しました。彼は彼女の未来を願っているのだと。自分が悪者になろうとも、彼女を救いたいのだと
なので私は敬意を評して彼をこう呼びます。
「誘拐犯」
「説明は以上です」
「それで、僕にどうして欲しいのかな。」
「彼女を連れ戻してください、600万は支払いました。契約通り私の彼女になって頂かないと困ります。」
「約束はできないのだけれど」
「知ってます君は気分で動きますからね」
スゥっと息を吸いこみ。大きくはないが、小さくもない聞き取りやすいはっきりとした声で言った。
「それをわかった上でお願いしています。私の未来の彼女を連れ戻してはくれませんでしょうか?」
封筒を渡してきたのだ。確認するまでもなく彼の性格を踏まえればおそらく金だろう。
「100万です。挨拶がわり、ということで」
ほれみたことか。
「もちろん探すにあたってかかる交通費などはこちらで負担させていただきます。」
600万女に渡したあと渡すかね、挨拶がわりということはもっと渡すつもりだろう。
「何があっても彼女が欲しい」
その感情が性欲から来るのか支配欲から来るのか僕には検討つかないが。少なくともヤバいやつだろう。
ともかく依頼人から来た仕事は受けなければいけない。
僕は志原日出(しはら ひので)から依頼された。黒咲美晴(くろさきみはる)を探すことになった。
コメント
1件
みぅ🤍🥀です。第1話読ませてもらいました〜。 冒頭の花の比喩、すごく綺麗なのに不穏で引き込まれました。「つぼみのまま枯れる」って何を暗示してるんだろう…。依頼人の志原さん、妄想癖ありつつ妙に執着が重くて、ヤバい人感がにじみ出てるのが好きです。主人公のクールな語り口と、金の匂いがする依頼のバランス、めちゃ好みでした。黒咲美晴、どんな子なんだろう…次の話が気になります🌙